2024/02/07

「成人女性の冷え症と関連する遺伝要因の研究成果」 についてのお知らせ

株式会社 ツムラ 

2024 年 2 月 7 日

「成人女性の冷え症と関連する遺伝要因の研究成果」についてのお知らせ

網羅的なゲノム解析で成人女性の冷え症と関連する遺伝要因を発見


株式会社ツムラ(本社:東京都港区、代表取締役社長 CEO:加藤照和)は、成人女性の冷え症と関連する遺伝要因の研究成果について論文公表したことをお知らせいたします。

この研究は、当社の長期経営ビジョン「TSUMURA VISION “Cho-WA” 2031」の一つである PHC(Personalized Health Care:一人ひとりに合ったヘルスケア提案)の実現に向けた取り組みの一環であり、この成果をもとにエビデンスの蓄積をすすめ、人々の wellbeing に貢献してまいります。

研究内容

慶應義塾大学医学部漢方医学センター呉ご雪せ っ峰ぽ う(研究当時:慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程)、吉野鉄大特任講師、三村將名誉教授、株式会社ツムラ西明紀、株式会社DeNA ライフサイエンス石田幸子らの研究チームは、MYCODE Research※1 のもとで本研究の参加に同意した日本の成人女性約 1,200 人を対象に、冷えの自覚症状に関する初の網羅的なゲノム解析※2を実施し、冷え症と関連するゲノム領域を見つけました。

冷え症は、腰や手足などを冷たく感じ、痛みなどを伴うことが知られている状態です。

女性に多く、その原因は、女性ホルモンの乱れや自律神経の失調など、さまざまな要因が考えられています。今回の研究の結果、KCNK2 遺伝子近傍の rs1869201 一塩基多型と、TRPM2 遺伝子上の rs4818919 遺伝子多型などが、冷え症のリスクと関連していることが示唆されました。これらの一塩基多型は、それぞれ冷え症に関連するタンパク質の発現量を変化させることで、冷え症のリスクを高めると考えられます。

これらの遺伝子に由来するタンパク質は、温度だけでなく痛みの感度にも関連しているため、冷え症の患者がさまざまな疼痛疾患を合併していることを説明できる可能性があります。さらに、一部の生薬がこれらのタンパク質の作用に影響することも報告されており、漢方薬が冷え症に有効であるメカニズムの解明にも重要な意義をもっていると考えられます。

なおこの研究成果は、2024 年 1 月 22 日に国際科学雑誌「Scientific Reports」に掲載されました。また、今回の研究成果をもとに冷え性判定方法、および冷え症タイプ判定方法についての特許申請も行いました。

研究成果の詳細については、慶應義塾大学医学部のプレスリリースをご覧ください。

https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2024/2/7/240207-1.pdf

※1 MYCODE Research(マイコード・リサーチ)

株式会社 DeNA ライフサイエンスが行っている、一般向け遺伝子検査サービス「MYCODE」の会員約 12 万人のうち、約 9 割の研究参加同意会員の協力を得て行うユーザー参加型の研究プロジェクト。インターネットを活用することでユーザーコミュニティの個人が自らの同意の下で研究に参加して科学の発展に寄与できる“Community-derived science”を実現している。

※2 網羅的なゲノム解析

GWAS のデータベース「GWAS Catalog」検索 "cold hypersensitivity"(2024 年 1 月時点)

以上

お問い合わせ先
株式会社ツムラ コーポレート・コミュニケーション室
〒107-8521 東京都港区赤坂 2-17-11 TEL.03-6361-7100 shuzai@mail.tsumura.co.jp

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