2024/07/02

宮崎県知事記者会見 2024年07月02日 - 配布資料 ●ナッシーリゾートin宮崎2024の取組 ●日向坂46のサイン入りポスターの掲示 質疑応答 ●ナッシーリゾートin宮崎2024の取組 ●肥薩線の復旧と東九州新幹線 ●宮崎県再造林推進条例 ●本県の自殺死亡率 ●男女共同参画社会の推進 ●東京都知事選挙 ●外来魚「コウライオヤニラミ」 ●県立病院事業点検プロジェクトチーム ●地方創生の取組 ●フェニックスリゾート株式会社の新経営体制 ●ライドシェア

宮崎県  

掲載開始日:2024年7月11日更新日:2024年7月11日

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宮崎県知事定例記者会見(2024年7月2日)

項目

  • 発表事項(知事発言)
  • 質疑応答

配布資料

ナッシーリゾートin宮崎2024の取組について

私から何点かご報告を申し上げます。今日は、1年の折り返しの日ということであります。今年の後半もよろしくお願いします。これから夏本番を迎えるわけでありますが、最初の話題については、この「ナッシーリゾートin宮崎2024」の取り組みについてということで、お手元にチラシもあるかと思います。7月4日は語呂合わせで「ナッシーの日」ということで、「宮崎だいすきポケモン」のナッシーを使って宮崎の夏を盛り上げるべく、「みやざき夏旅」を実施いたします。これは県内交通5社と連携した取組であり、7月20日からのスタートになります。

内容はチラシにありますとおり、1つ目はナッシーバスやナッシージェット宮崎といった公共交通機関の利用者にナッシーのうちわやナッシーシールなどのオリジナルのノベルティを差し上げるというものです。これに連動して交通各社においては、ナッシーバス車内での「ポケふた」の紹介や、宮崎駅や宮崎空港でのナッシーコラボ商品の発売などの取組が行われます。

2つ目はスタンプラリーです。県内のポケふたや道の駅などを巡るデジタルスタンプラリーということで、訪れたスポットの数やエリアによって、もらえるグッズが異なっています。こういったものをきっかけに県内全域に足を運んでいただきたいと思います。以前は、私個人も「かいけつゾロリ」と連携したダムを巡るデジタルスタンプラリーをやってみましたけど、やってみるとなかなかハマるものだなと思いました。また、それがなければなかなか足を運べないところにもそれをきっかけに訪れることができる面白い仕組みだなと改めて感じたところであります。

それから3つ目にSNS投稿キャンペーンということで、訪れた場所の画像を発信してもらいます。ポケモンは大変人気で発信力もありますので、しっかりと県外からの誘客や、県内各地への周遊の促進を図っていきたいと考えております。

なお、「宮崎だいすきポケモン」のナッシーでありますけど、このように自治体と連携したものとしては、最近長崎県とデンリュウという組み合わせが加わって、全国10県で今、このようなコラボを行なっております。先ほどしげしげとその10県のキャラや、どういう県なのかなと見ていましたところ、たまたまで本筋に関係するところではありませんが、その10県は「日本創生のための将来世代応援知事同盟」の県だなとあと、そのキャラクターを見て、これが何県の応援ポケモンですかと県名を伏せてクイズをしたときに、正答率が一番高いのは宮崎ではないかなと。それだけナッシーのヤシの木といいますか、このイメージが宮崎を想起させるもので非常にわかりやすく、ありがたいキャラをいただいているなという思いであります。夏の旅行に向けてナッシーとのコラボでしっかり盛り上げていきたいと思います。宮崎空港にも実物大のアローラナッシーが今ずっと設置されておりまして、これもなかなかインパクトがあるなといつも見ているところであります。これが1点目です。

日向坂46のサイン入りポスターの掲示について

2点目は、資料は配っていませんが、9月7日と8日に日向坂46のコンサート「ひなたフェス」が初めてサンマリンスタジアムで開催されますが、先日土曜日に日向坂46メンバーのうち3人の皆さんがいらっしゃって、今回の「ひなたフェス」の開催についての報告もいただいたところです。そのときにサイン入りポスターをいただいておりまして、せっかくであれば多くの皆さんにこれを見ていただきたいということで、今日から「みやざき物産館KONNE」に掲示しております。「ひなたフェス」の開催が9月7日から8日ということで、予定としては9月9日まで掲示します。この期間はKONNEの休館日はないということで毎日見ていただくことができ、アクセスのしやすさもあってこちらで掲示を行います。なお、2019年にちょうど日向坂46の名前が変わったときに、私もサンマリンスタジアムで一緒にロケに出させていただいたんですが、そのロケの時にいただいた2019年当時のサインも合わせて掲示しています。

ぜひファンの皆様も含めてそれを目にしていただく中で、9月の、また初めてサンマリンスタジアムをそういったコンサート、イベントで活用することに向けて気運を盛り上げていきたいと考えております。

私から冒頭以上です。

質疑応答

ナッシーリゾートin宮崎2024の取組について

(NHK)

順番にナッシーリゾートについて、今年の新しい試みになりますが、これまでもタマタマとのコラボだったり、マンホールの蓋だったりというのがありましたけれども、これまでの活躍ぶりへの評価と今後の期待をお願いできますでしょうか。

(知事)

毎年、夏の時期はナッシーとのコラボで夏旅のイベントを行なっておりますが、非常に手応えを感じております。宮崎空港などでもグッズの販売などその期間に行うと非常に売り上げも伸びていると空港ビルの関係者からも伺いましたし、ポケモンGOなどいろいろなゲームもある中で非常に親しまれて、発信力もありますので、宮崎のイメージ、また宮崎の夏の旅をイメージさせるといった取組になっているのではないかなと手応えを感じております。

肥薩線の復旧と東九州新幹線について

(NHK)

肥薩線の復旧の動きと東九州新幹線における県の3つの構想の中にある新八代ルートとの関係についてお尋ねします。今、肥薩線の一部区間が不通になっておりますけれども、熊本県とJRと国土交通省の間では、八代と人吉の間については鉄道で復旧させるということで基本合意ができております。この基本合意の方向に進んだ場合、新八代ルートへの影響についてはどういうふうにお考えでしょうか。

(知事)

新八代ルートというのは新幹線の話ということですね。

(NHK)

新幹線です。

(知事)

直接それが結びつくかどうか今、頭の中でよく整理できておりませんが、いずれにせよ新八代ルートを含む新幹線の3つのルートについては調査中でありますので、調査・分析、そしてデータを県民の皆様にお示しした上で、しっかりと議論を深めていきたいという思いがしております。ご質問の肥薩線の鉄道としての復旧と、直接結びつけてそれを考えているわけではありませんが、これまで申し上げておりますように肥薩線は肥薩線で、本県、それから鹿児島県などの関係県も含めて鉄道としての復旧を強く望んでいるところです。

(NHK)

私の説明が不十分でした。お伺いしたかったのが、新八代のルートを考えた場合、これは熊本県の協力が大前提になるわけです。ところが在来線と言ったらいいでしょうか、肥薩線という形での復旧となった場合、熊本県から果たして新幹線についての協力を得られるだろうかという疑問でございます。

(知事)

今までそれは考えたことがありませんでした。新八代ルートも検討の選択肢に入ることを以前熊本県の関係者に話したときはとても興味を持っていただいたといった手応えは感じております。肥薩線との兼ね合いで協力を得られるかどうかという疑念や心配、そしてそうした感触は今まで感じたことはないです。

宮崎県再造林推進条例について

(共同通信)

本日、宮崎県再造林推進条例が公布されました。一過性のものにせずに条例の認知度を高めて、なおかつ県民一人ひとりの中で、それが根付いてもらうためにはどういった取組が必要になると思うか知事のお考えをお聞かせください。

(知事)

冒頭1年の折り返しの日に合わせてそれも言うつもりでありましたけど、大事なことであるかと思います。全国で初めて、そして宮崎のグリーン成長プロジェクトを進める上で非常に重要なこの再造林推進条例の施行がまさに今日からであります。それに合わせて決起大会を今日開催します。林野庁長官にもおいでいただき、また、元林野庁長官の牧元さんにも来ていただいて関係者の気運を高め、そしてそれを県民の皆様にお伝えするということで、県としての取組、そして方向性、そして気運の醸成をまず図っていきたいというのが今日の決起大会であります。こういった情報提供を通じて、宮崎県が全国を代表する林業県でありますが、未来を築いていくためにはしっかりと関係者の協力のもとに再造林を的確に進めていく必要があり、そしてそれに対する理解を深め、協力も求めていくことを様々な形で推進していきたいと考えおります。

(共同通信)

関連で、関係者の皆さんでの共有も大事だと思うんですけれども、普段林業に接していない県民の方への理解もすごく大事になってくるかなと思います。条例の中では、「県産材の積極的な利用を求める」という文言も入っていたかと思うんですけれども、県民の方一人ひとりが条例をいちから読む機会はなかなかないかなと実感としてあるんですけれども、そういった中で理念を浸透させていくというところについては、どういった取組が必要になると思うか教えていただければと思います。

(知事)

東京オリンピックでのレガシーとしてこういった木材をバックボードに使ったり、それからベンチを各市町村にも配置したりということで、やはり木を使っていくことの大切さについては、そういう形でのアピールもしておりますし、今は「宮崎木づかい県民運動」として、木材利用の促進をいろいろな関係者との連携のもとで進めております。たしかにおっしゃったように条例自体を読む県民の皆様が多いとは思いませんが、その1つのきっかけとして今既にいろいろな取組を行なっておりますが、さらにそれをみんなで意識して進めていこうと。そしてもう一つ大事なこととしては、森林環境税がまさに課税されたタイミングになります。県民の皆様もそれだけ国税としての負担が加わります。そのことによってさらに興味を持っていただくとともに、それが効果的に十分活用されているのかという思いもおありだと思いますので、我々がこういった条例やグリーン成長プロジェクトで目指している取組をいろいろと知っていただく。そして木材をもっともっと使っていくことの大切さを知っていただく1つの大切なタイミングだろうなと考えております。

本県の自殺死亡率について

(読売新聞)

先ほど行われました自殺対策推進本部会議について、近年、自殺死亡率も宮崎県はかなり高く、昨年ではワースト2位となっておりますけど、知事の考える本県の課題や、どういうふうに取り組んでいかれるかという所感を改めて伺いたいと思います。

(知事)

先ほどの自殺対策推進本部会議でも指示したところでありますが、改めて一人ひとりの命を守る自殺対策という政策課題の重要性としっかりその重みを受け止めるということ、それから今ご指摘があったように数字、実態として去年の自殺死亡率で全国ワースト2位だったことも重く受け止める必要があることを確認したところであります。これまでいろいろな取組によって、平成19年から平成20年頃と比べると全国的にも、また本県も減少傾向にはあるところですが、ここ4、5年はコロナの影響もあって下げ止まり感があります。そうした状況の中で、宮崎でも残念ながら、ピークの時からすると人数は半減しているところですが、まだまだ尊い命がそれだけ失われています。繰り返しになりますが、それを重く受け止めて、これまで減少傾向にありますが、さらに取組を進めていくべく、庁内の関係部局、そして関係機関との連携を深めてさらに対策を強化していこうという指示を行なったところであります。そして先日、宮崎県精神科病院協会の会長をしておられます高宮先生とお話をする機会がありましたが、高宮先生は「宮崎いのちの電話」の事務局長も務めておられて、いろいろご尽力いただいております。今、24時間365日の電話相談体制が整ったということで、それについてお礼を申し上げたところでありますが、先生と話をする中で、もっともっと県民の皆様に命を守る大切さの啓発に力を入れていこうとお互い確認したところであります。先ほど言いましたように関係機関との連携を深めながら、さらに少しでも工夫を重ねて命を守る取組を進めていきたいと考えています。

男女共同参画社会の推進について

(宮崎日日新聞)

先ほど男女共同参画推進会議があって、その中でちょっと気になったのが、県の審議会委員に占める女性の割合が3年連続で低下し、マイナスになっているところと、あと市町村の審議会委員についてはプラスにはなっているんですけれども、まだかなり低い水準にとどまっています。県内民間事業所における育児休業取得率も上がってはいるんですけど、男性県職員の育児休業取得率が5割を超えているところからするとだいぶ大きな差があると思います。それぞれ要因があろうかと思うんですけども、これについての知事の受け止めと、目標値がだいぶそれぞれ離れているんですけれども、それぞれ今後どういう取組が必要になってくるのかという考えをお聞かせください。

(知事)

男女共同参画という政策課題の重要性については、国際比較の中で日本がかなり残念なランキングなどということも出ておりますし、社会に活力をもたらす、ひいては人口減少対策にもつながる大変重要な課題だと考えておりますので、今ご指摘があったようなそれぞれの目標値の達成に向けてさらに努力していきたいというのが総論的なスタンスになります。審議会の登用率につきましては、今の時点で全国では9位と比較的上位でありますが、昨今、この3、4年間は減少傾向にありますので、各部局がそれぞれ工夫しながら、さらに高める努力を続けていくことが大事ですし、市町村では県と比べるとずいぶん低い数字になっております。徐々に伸びつつありますが、やはり市町村ではそれぞれの置かれた状況の中で、さらに工夫を重ねていただく必要があろうかと思います。おそらくそういった審議会に登用や委嘱をお願いする分母といいますか、パイが県と比べてやはり市町村は人数が限られているなどいろいろ難しい状況があることを理解した上で、さらに取組を促していきたいと考えております。それから育児休業の取得などは、やはり少し触れましたが人口減少対策にも直結する問題でありますし、共家事・共働きといいますか、男性も女性も力を合わせて子育てを行う社会を作っていく必要があると思います。先ほど少し触れた「日本創生のための将来世代応援知事同盟サミットinみやざき」でもその議論を行なったところでありまして、民間企業における育児休業の取得に対しては県が支援を行なっているところでありますが、本県として目標値の達成に向けての気運醸成や後押しをさらにしっかりと進めていきたいと考えております。

(宮崎日日新聞)

ちょっと細かい話で少し知事も触れていただいたんですけど、特に男性の育児休業の取得は、県庁という大きな組織での取りやすさと、県内でも多い中小企業や零細企業・事業所での取りやすさというのは、やはり環境的にだいぶ違うのかなと思うんですけれども、この辺りをてこ入れしていかないと数字がなかなかこれ以上伸びてこないような感じもあるんですが、そのあたりはどうでしょうか。

(知事)

そこは本当に重要なご指摘だと思います。まず、県は組織規模も大きく、それからやはり旗を振って進めていくべき立場にありますので、県自体ももっともっと数字を伸ばしていく必要があります。確か、宮崎でのサミットのときに「うちの県は100%達成しました」と言っていた県があったような気がしますが、もっともっとやれる余地があると考えております。ただそのためには、やはり気兼ねなく休業を取得できるように、周りのサポートや理解を進める必要があろうかと考えておりますので、県としてはそれをもっともっと県庁内でも進めてというのが一方と、それから今、重要なご指摘がありましたように、やはり宮崎県内の事業所は中小というか小規模事業者が多いということで、1人ひとりが休むことの仕事への影響が大きいというところは、現実問題として現場の負担感といいますか、課題を見極める必要があろうかと思います。でも、そのために代替人員を雇用した場合や、周りが協力していただいたような企業等に、支援を行うために県が予算化したところでありまして、そういったメニューを活用していただきながら、少しでも前進できるように後押しをしていきたいと考えております。

(宮崎日日新聞)

最後にちょっと話が戻って審議会の方ですけれども、見ると県の審議会で、特に登用の数値が低いのが部局ごとに出ているんですが、これ意外だったんですけども福祉保健部が41.9%とあり、いわゆる関連する産業に女性が就職している割合が多いような感覚を持つんですけど、あと商工観光労働部が38.1%で、県土整備部の35%ぐらいとそれぞれの部局でもだいぶ差があるんですけども、それぞれ抱えている産業のいわゆる女性の割合とかもあろうかと思うんですけど、ここはどういう感じをお持ちでしたか。

(知事)

この審議会の登用にあたっては、防災関係では特にありますけど、もう役職などの充て職で決まっているところは、そのポジションに女性の会長さんやリーダーがなっていないと自動的に男性がなることになりますので、そのときに会長さんではなく、あえて副会長さんや別の立場にある女性をお願いすることができるような審議会かどうか、メンバー構成の決め方といった難しさがあると考えております。いずれにせよ工夫して、もっともっと参画いただけるように促していきたいと考えております。

東京都知事選挙について

私から大きく2つ教えてください。今、東京都知事選挙が行われていまして、今週末に投開票だと思うんですが、新しい都知事に期待することとか注文があったら教えてください。それと東京一極集中というお話が「日本創生のための将来世代応援知事同盟サミット」でも議論になったと思うんですけれども、その是正に向けた施策や東京に求めることがあったら加えて教えていただきたいです。

(知事)

強い関心を持ってこの動向を見ているところであります。東京一極集中というのは、宮崎でのサミットも含めて、人口減少問題の中でもクローズアップ、注目が高まっているところでありますし、私が担当しております全国知事会の税財政という面でも、税源偏在というところでこれまでも課題として受け止めているところであります。これは本当に誤解のないように言いますと、東京が何か人口が集中しているから悪いということではなく、実態として人口が集中しており、ブラックホールという表現もされておりますが、そのことが人口が減少する結果につながっていることや、あまりにも極端な税源の偏在につながっているのではないかという問題意識を持ちながら、国全体としてどのように改善していくのかというところが、国全体の活力を考える上でとても重要な課題だと考えております。したがいまして、今度選ばれる新たなリーダーには、決して東京に財源があることがいけないと言っているわけではなく、あくまで日本の首都としてこの日本全体を引っ張っていただくという極めて重要な役割をしっかり担っていただきたいと考えておりますが、人口問題、それから税源の偏在について、国全体の活力をどう考えるかという中でしっかり前向きに議論にのっていただきたいなと考えております。

外来魚「コウライオヤニラミ」について

(朝日新聞)

もう一つは県内の関係の話ですけど、このあいだ外来種の魚の「コウライオヤニラミ」という肉食性の外来種の魚の生息が大淀川水系で拡大しているという報道もあったんですけれども、それについては県の姿勢として対策を考えていらっしゃるのか、今後の対策を考えていらっしゃるとしたらどういう対策が考えられるのかを教えてください。

(知事)

魚に限らず虫にしても植物にしても外来種の拡大による既存の在来種への影響など、いろいろ懸念されるところがあろうかと思います。今の魚に関して言うと、まずは他の水系に人為的な形で広げることがないようにということが重要であろうかと思います。これだけ広がったものを全部駆除するなどといったことはなかなかできないわけでありますが、従来の生態系への影響を可能な限り抑えていくことで、先ほど言いましたように人為的にそれを別の水系に持っていくことが決してないようにご協力をお願いしたいなと考えておりますし、実態をよく把握しながら今の拡大が既存の生態系にどのような影響を及ぼすのかというのは、学識経験者の協力もいただきながらよく見極めていく必要があるのかなと考えております。

(朝日新聞)

例えば現行法で持ち出しを禁じたりするというような選択肢はお考えですか。

(知事)

それはなかなか難しいのではないでしょうか。今、法体系がどうなっているのかわかりませんが、いずれにせよ、そこも含めてしっかり問題を受け止めながら、特に既存の生態系にどの程度の影響が及ぶのか慎重に見極めていく必要があるかなと考えております。

県立病院事業点検プロジェクトチームについて

(宮崎日日新聞)

県立病院事業点検プロジェクトチームの現状についてお尋ねします。年2回程度のプロジェクトチーム会議を開催するとありまして、1回目の会議がいつあって、どういった内容だったかを聞かせてください。

(知事)

先日27日だったかと思います。プロジェクトチームが初会議を行なったということであります。例年この時期は9月議会に決算の報告を行いますので、その数字の整理をしている段階かと思いますが、今の状況等について、通常よりも前倒しで関係者が情報を共有し、取組について確認したことになろうかと思います。

(宮崎日日新聞)

病院側から何か報告等もあったのでしょうか。

(日隈副知事)

プロジェクトチームのリーダーをやっております副知事の日隈です。知事からありましたとおり、先週27日に1回目のプロジェクトチーム会議を開催しました。その際には、12月ないし1月にかけての状況で令和5年度の決算見込みをベースに議会にも報告したわけですけれども、年度を越えて大体まとまってまいりましたので、速報値という形で新しい数値で令和5年度の決算をベースに、それから令和6年度以降の見通しについて確認・協議しました。その中で、私からまず要望したんですけれども、県立病院の場合には、不採算医療、あるいは政策医療という分野を担っております。そこが一般病院とやはり違うのかなということで、具体的に申し上げると例えば、小児科や産婦人科についてはどうしてもやはり空床を確保しておかなければなりません。感染症が起こったとき、子どもはすぐ悪くなるんです。弱いんです。ですから入院がばっと入ってまいりますし、出産の場合も異常分娩等があった場合には必ず運ばれてまいりますので、ある程度空床を確保しなければならないという状況もありますので、そういったものを除いて一般科の場合でベッド稼働率や入院の件数がどうなるのかなということも含めて比較して議論していかなければならないのかなということなど、少し深掘りしてこれから持続可能な県立病院のあり方について検討を進めていくことにしました。そういった資料また病院局と調整しながら検討を進めて、今後の県立病院のあり方の検討を進めていくと一応結論付けたところです。そして決算の関係は、一般会計もですけれども、まとまりましたら8月に決算の公表を行いまして、9月議会で報告していくことになります。プロジェクトチームで検討した内容についても、9月議会でまた報告を行うという方向でもう少し調査・検討を進めていくことを考えております。なお、プロジェクトチームで各病院にも伺って、院長の取組の内容など詳細にまたお聞きすることも検討しているところです。

(宮崎日日新聞)

最新の数字について検討があったということですけれども、その数字を受けての率直な受け止めとして、最終的に2030年度に黒字化して、それから2億円ずつ毎年返していくという計画だと思うんですが、なかなか厳しい数字、難しい数字なのかなという思いもあるんですけれども、その辺りについて、最新の数字を見てどう受け止められたかお答えいただけますか。

(日隈副知事)

新しい数字自体は、2月の段階でまとめた数字より少し良くなっている、緩和しているような感じはしました。ただ、見通しについては、まだまだこれでは不十分かなということも含めて、病院のあり方について、例えば入院病床を今後減らすのかどうするのかということも含めてもう少し病院局のご意見も伺いたい、各病院の状況もまた確認していきたいと考えています。

(宮崎日日新聞)

最後に1つ知事に伺いたいんですけれども、今回初会合がありましたけれども、改めて今後、知事としてどのような思いで進めていきたいか、経営改善に向けての思いをお聞かせください。

(知事)

県立病院が県民の皆様の期待に応えて経営の健全性を確保しながら高度な医療を提供していくその役割を果たしていくことができるように、これまで以上にこういったチェックをかけていく仕組みができておりますので、適切に役割を果たしながら、県議会、そして県民の皆様に進捗状況を適宜報告して、結果に結びつけていきたいと考えております。

地方創生の取組について

(宮崎日日新聞)

先月10日に政府が地方創生10年の成果と課題を検証した報告書を出されました。先ほどの質問でも東京一極集中の是正のことでお話しされましたけれども、この報告書の受け止めについて、5月には知事同盟が宣言・要望しておりますけれども、そことも照らしてどう考えてらっしゃるのか受け止めをお聞かせください。

(知事)

地方創生というのは、これまでも地域活性化の取組はいろいろな形で進められてきましたが、地域は地域で独自の活性化策を進めるとともに、やはり国全体としてとらえた場合の一極集中を是正していくことも1つの大きな重要なテーマだったと考えておりますが、一極集中の是正という部分に関しては難しい、まだまだ十分ではないのかなと受け止めております。地域における活性化の取組というものは、地方創生の中でいろいろなモデル的な取組、成功事例といいますか、そういうものが出つつあるわけですが、地域がそうやって頑張れば是正できるわけではなく、やはり大きな流れといいますか、力が東京一極集中に進んでしまっているのが今の状況であろうかと考えております。地方の個々の努力だけではなかなか進むことができないこの東京一極集中の是正を国により強力に進めていただく、税制も含めて様々な仕組みを改めて考えていく必要があるのではないかと思います。場合によっては防災の観点で、首都直下地震のリスクも言われている中で、しばらく前は首都機能移転という議論もあったところで、今は首都の機能を移転するかどうかというところが中心課題となっているとは思えませんが、様々な今のリスクを考えたときに、様々な機能をより分散していくという方向性、そういった議論を深めていくことは重要ではないかなと考えております。骨太方針の中でも、地方創生に向けて新たに力を入れていくという方向性は示されておりますが、それをより具体的な形として、なかなか打破が難しいこの一極集中の状況を、先ほど言いましたように、東京都が悪いということではなく、あまりにも集中しすぎているものをもっと分散して、分散型の国土のあり方をどのように進めていくのかというのは、知事会としても様々な提言をこれからも進めていきたいと考えておりますし、国としても引き続き地方創生などの取組の中心課題、さらには人口減少対策にもつながっていくものでありまして、そこを国の重要な政策課題として位置づけて、より力を入れていただきたいとこれからも提言していきたいと考えています。

(宮崎日日新聞)

もう少し具体的にこういう制度や税財源であれば、こういう方法で地方に財源を移譲するとか、そういうお考えはあるのでしょうか。法人税の税率を地域別に設定すると言ってらっしゃる知事もいらっしゃるようですけれども。

(知事)

税率を地域ごとにですか。税は理屈も大事ですからね。税率が違うのが理屈に合うのかどうなのかというところもあります。今、地方交付税もそうでありますが、国が一括して税収を上げた上でそれを分配する財源分配機能はそういう仕組みで保たれているところでありますが、それをもっと強化する必要があるのかどうなのか、その手法としては本当にいろいろ考えられようかと思います。いずれにせよ、よく申し上げておりますが、地方法人二税でいうと最高の東京都と最も低い奈良県とで格差が5.9倍あるのがあまりにも過度な偏在ではないかと提言しているところでありますが、それをどういう仕組みでより改善を図っていくのかというのは、いろいろ議論を深めていく必要があるかなと考えております。税源の偏在については特にこうしてくださいというところが今あるわけではありませんが、機能分散を考えたときには、やはり企業等の本社機能の地方移転も議論されましたし、それから特に大学などの高等教育機関についても、いっときは東京23区から外にという方向性が示されながらも、なかなかそれがむしろ都内に回帰しているのではないかと思えるような集中の度合いがまだ引き続き見えますので、高等教育機関や企業等の分散をいろんな形で推し進めていく必要があるのではないかなと考えております。

(宮崎日日新聞)

知事会や日本創生のための将来世代応援知事同盟での会議でも言っておられますけれども、司令塔的な組織を政府に作ってほしいというところと、官民で東京一極集中を是正するような体制を作ってほしいという要望もされています。そこに対してはいかがでしょうか。

(知事)

実は宮崎でのサミットの後はそこをかなり主眼に置いて、人口減少対策の司令塔というものを国に求めて、骨太方針にも具体的な記述を求めていたところですが、なかなかそこまでは今書かれていない状況がございます。ただ、人口減少対策や地方創生のさらなる取組という方向性は示されておりますので、それを今後どういうふうに具体化していくのか。先ほど質問がございましたが、東京都知事選挙があって、そこでどういうリーダーが選ばれるのか、また、東京都のあり方、そして国全体の人口減少対策も含めてどのような議論が展開していくのかというところは、夏に福井県で全国知事会議があって、その中で全国知事会としても本部会議を立ち上げるべきではないかということも今考えておりまして、全国知事会がそういう体制を整えてさらに発信を行い、国に働きかけをして、そして国がそれをどう受け止めるかということで、これから夏から秋に向けてそうした動きを作っていくことができればと考えております。

フェニックスリゾート株式会社の新経営体制について

(毎日新聞)

株式譲渡によりましてシーガイアの経営体が新しくなりました。県として、新たな体制とのコミュニケーションの中で、県が期待しておられるところのスポーツ合宿ですとかMICEの誘致、こういった部分について、新しい経営の方々のお考えとしてどんな感触をお持ちになっているか端的にお伺いします。

(知事)

新しい幹部の方とも先日意見交換を行いましたが、これまでのシーガイアの強みを活かしつつ、さらに今度フォートレスのグループのホテルやそういった施設の運営ノウハウを活かして、今言われた観光面も含めてさらに貢献いただけるのではないかなという期待を寄せているところであります。よりファミリー層も含めたアピールができるような改装も今後検討しておられるということでありますので、引き続きしっかりとコミュニケーションを図りながら、お互いが足並みを揃えてといいますか、しっかり力を合わせて、宮崎の観光面も含めて経済の発展につながるような運営をこれからも求めていきたいと考えております。

ライドシェアについて

(共同通信)

ライドシェアに関してお伺いしたいんですけれども、今、ライドシェアを巡る議論が活発化していて、IT企業などタクシー事業者以外の参入を求める全面解禁については、全国知事会を含めてさまざな意見があるかと思います。宮崎県内で今実施している自治体はないかと思うんですけれども、知事はライドシェアの全面解禁について、お考えをお持ちでしたらお伺いしたいと思います。

(知事)

やはり国民性といいますか、日本国民の受け止めとしてはリスク、安全・安心に力点を置きながら、そうは言っても運転手不足やタクシー不足の状況の中で、そういう仕組みを徐々に導入しているというのが今の状況であろうかと考えております。スタートしてから今に至るまで事件・事故といいますか、そういう問題が生じていないのは良いことだなと考えております。やはりこうした新しい仕組みを入れたときに、いろいろなトラブルが起こりがちですが、先ほど言いましたように、安全・安心に力点を置きながら、良い形でスタートを切っているのではないかなと、そういった問題点が指摘されていないのかなと思います。そんなに詳しく実態を知っているわけではありませんが、徐々に徐々に浸透しつつある段階かなと考えております。まだ県内では具体的にそういったことが稼働する状況ではありませんが、九州では今は福岡県でしたかね。そういう先行しているところの状況も見極めながら、いずれそういったものがさらに拡大していくのかどうなのか。最近では、例えば宮崎県内であれば青島あたりは本当にタクシー不足であったり、わりとサーフィンも含めて人が増えて、また、人の行き来もある中で不足している状況があって、そういった地域への導入という声が1つあったりしています。今は宮崎市も含めてそれが真剣に検討されるというよりも、やはりそれぞれの地域の抱えている課題や必要性はいろいろありますので、先ほど言いましたように国全体としてライドシェアを徐々に導入していくという方向性の中で、その状況をよく見極めながら、本県における導入のあり方については、問題意識を持って今後とも考えていきたいと思います。

(共同通信)

以上で知事会見を終わります。

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