2024/09/12

株式会社JR東日本情報システムのSORACOM導入事例を公開

株式会社 ソラコム 

2024年9月12日

株式会社ソラコム

株式会社JR東日本情報システムのSORACOM導入事例を公開

株式会社ソラコム(本社:東京都港区、代表取締役社長 玉川憲)は、「IoT速報-ビジネスの最前線-」として、株式会社JR東日本情報システムが開発した、IoTを活用した機器室の空調・電源異常の遠隔監視ソリューション事例を公開(https://iot-usecase.com/jeis2/いたしました。

■導入の背景
株式会社JR東日本情報システム(以下、JR東日本情報システム)は、JR東日本グループの情報処理システムやICT機器の企画・開発、運用、保全などを担う企業です。1998年に発足した中央指令室では、JR東日本管内10拠点以上の機器室に配備された通信機器やサーバー群などの状態監視、ハードウェアの故障時の対応など24時間365日体制で担っています。 そうした業務の1つである機器室のインシデントの予兆検知には、これまではセンサーで設備内の温湿度を測り、異常を検知した際には人手で状況確認や拠点担当者へ連絡を行ってきました。しかし、近年は人的リソースや対応の迅速性に課題を感じるようになったと、中央指令室室長の酒井博氏は話します。

「中央指令室ではこれまで、インシデント発生時には、各拠点に人手により電話連絡をする仕組みでした。しかし、そうした体制では夜間や休日に拠点担当者となかなか連絡がつかないこともあり、現地の状況把握が困難で電話をする側も受ける側も非常にストレスでした。 そこで、すでに導入している異常発生時に自動で拠点担当者へ通知してくれる機能を組み合わせて、機器室における異常検知の仕組みを刷新しようと考えたのです」(酒井氏)

■実現したサービス
そこで構築したのが、機器室のセンサーが室内の空調・電源異常を検知した際に拠点担当者に通知が届くという仕組みのIoTを活用した遠隔監視装置群です。

具体的には、各拠点に温度と湿度を測る「温湿度センサー」と、空調や無停電電源装置(UPS)の電気信号に異常がないかを調べる「接点センサー」を設置。センサーが収集したデータは、SORACOMの通信を介して送信し、データの加工・整形を行った後でクラウドに蓄積する仕組みです。蓄積したデータは、作成したダッシュボードでリアルタイム確認が可能です。これら一連のサービスは全てSORACOMのものを利用しました。

センサーが異常を検知した場合は、社内のチャットツールと自動音声による架電システムで、拠点担当者の社用スマートフォンにアラートを通知します。この自動架電システムは、IoT遠隔監視システムの構築以前から社内で活用していた仕組みで、今回のシステムと連動させる形で組み立てられました。

このように進化した遠隔監視システムにより、チャットと電話の通知で異常時の迅速な対応が可能となり、異常時に中央指令室から電話を拠点担当者が取るまでかけ続けるというストレスからも解放されました。

中央指令室 共通管理グループ エキスパート 春日由紀氏は、SORACOMを採用した理由について次のように語りました。

「実は当社では、今回の遠隔監視システムを構築する以前から、研究開発部門でソラコムの販売する温湿度センサーを使って温度管理の仕組みを研究していました。社内でSORACOMサービスを先行して利用し、その使い方や効果の知見が蓄積されていたことは、私たち中央指令室が採用する後押しになりました。

加えて、SORACOMがセンサーなどの末端装置も含め、トータルで提供してくれるワンストップなサービスである点も選定のポイントになりました。ソラコムが推奨するデバイスを使えば、電源を押してパラメーターを入れるだけで、すぐに各種サービスに繋がります。システムを作る上での様々なわずらわしさを解消してくれました。

また、他メーカーの製品との組み合わせも考えたのですが、すべての仕組みをSORACOMで構築することにより、リスクを減らせる点もメリットに感じました。IoTシステムの構築には、通信環境の整備やサーバーの設定など、様々な手間がかかるものですが、SORACOMなら必要な機能がオールインワンで提供されるので、導入のハードルが格段に下がります」(春日氏)

さらに、拠点の増減への対応やリスク管理にもメリットを感じているといいます。

「SORACOMのサービスは、IoTシステムの拡張性と柔軟性に大きなメリットがあると感じています。例えば、拠点の統廃合があった場合でも、装置の設定変更だけで簡単に対応できます。拠点が増えた場合も、パラメーターを追加するだけで拡張が可能です。また、ソラコムの販売する温湿度センサーはバッテリー駆動なので、計画停電が発生してもデータ収集を継続できるのは大きな利点です」(春日氏)

■今後の展開
今後はSORACOMの有償サポートなども利用しながら、引き続き遠隔監視システムを運用していく計画です。

また、今回のシステム構築で蓄積された知見を活かし、これから様々な分野でIoT活用の可能性を探っていきたいと両氏は語ります。
「スタッフのリスク管理の一環として、ビーコンを使った入退室管理システムを作れるかもしれません。最近は地震も多いですから、JR東日本管内で人が各拠点や駅などを巡回している間に被災した場合、誰がどこにいるのかをすぐに割り出せれば初期対応が早くなるはずです」(春日氏)
「鉄道という重要な社会インフラの維持・管理においては、人が確認し、対応すべきポイントがまだ数多く残されています。そうした仕事の中で自動化できるものは、今後も積極的にシステム化を検討していきたいです。また、生成AIを組み合わせることで、作業現場の予兆検知など、安全管理にも役立つ仕組みを構築できるかもしれません。さらに今後は労働人口の減少や労働環境の変化、社会情勢等より駅の無人化拡大なども想定されますから、人手をかけずとも遠隔で現場を管理できる仕組みは今後も取り組む必要があると考えています。 当社が提供しているシステムの継続的な安定稼働に向けて、今後も様々な可能性を見据えながら、IoTの活用を考えていきたいと思います」(酒井氏)

■ご担当者のご紹介
株式会社JR東日本情報システム
中央指令室 室長 酒井 博氏
中央指令室 共通管理グループ エキスパート 春日 由紀氏

公式ページ(続き・詳細)はこちら
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS05199/e4538acd/ce9c/4864/9bb7/dcd281e6280c/140120240912583920.pdf

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