作業性・食味に優れるセロリ2品種を発売
株式会社 サカタのタネ-
ニュースリリース
2024年09月30日
サカタのタネが作業性・食味に優れるセロリ2品種を発売
グリーンタイプ「グリーンムカイ」とイエロータイプ「コーネリアス」
サカタのタネは、作業性と食味に優れるセロリ「グリーンムカイ」(=写真左=)と「コーネリアス」(=写真右=)の種子を2024年11月下旬から発売します。
「グリーンムカイ」は葉、茎ともに緑色のグリーンタイプ、「コーネリアス」は茎が薄緑色のイエロータイプの品種です。セロリ栽培ではわき芽を摘み取る「わき芽かき」が収量や品質に直結する重要な作業ですが、1株ずつ手作業で行うため、大変な労力が必要です。「グリーンムカイ」「コーネリアス」はともにわき芽が少ないため、1)わき芽かき作業、2)わき芽による収穫・加工時のロス、を軽減します。
また、セロリは種子が細かく、播種・育苗の難易度が高い品目です。「グリーンムカイ」「コーネリアス」は国内のセロリではほとんど流通していないペレット種子(播種しやすいよう、発芽に影響しない物質でコーティング加工した種子)での販売のため、播種時の作業性改善に加え、発芽のそろいがよく、生育安定や青果物の品質のよさにも貢献します。
日本では現在、イエロータイプのセロリが多く流通しています。一方、暑さの中での栽培しやすさや生育期間の短さから、グリーンタイプの品種も注目を集めています。従来の特性を持つセロリを栽培したい場合は「コーネリアス」、栽培しやすさを求める場合は「グリーンムカイ」と、それぞれのニーズに合わせて選択できます。なお、両品種ともに繊維質が強くないため食感がよく、それぞれの従来品種と比べて香りや味がマイルドで、食味がよいことも特長です。
セロリ「グリーンムカイ」「コーネリアス」の種子の希望小売価格(※)はペレット種子5,000粒入り袋5,445円(税込)です。全国のJA、種苗店を通じて発売します。
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価格はすべて希望小売価格(税込)です。価格の自主的な決定を拘束するものではありません。
国産セロリに注目、「グリーンタイプ」セロリの可能性
独特な香りを持つセロリは、サラダ、スープ、煮込み料理、炒め物など、さまざまな料理の食材として使われています。野菜ジュースや中華料理など、業務用の需要も高く、加工・業務用を中心にアメリカ産をはじめとした輸入も多い品目の一つでした。一方、近年は産地の不作や円安の影響もあり輸入が減少、国産セロリへの注目が高まっていると当社では考えています。
セロリは冷涼な気候を好む野菜で、日本の厳しい夏の栽培には課題があります。特に日本で主に栽培されているイエロータイプは栽培期間が長いため、病害発生リスクがより高いとされています。今回発売する「グリーンムカイ」はグリーンタイプの品種で、栽培期間が短く、暑さの中でも比較的作りやすい特長があります。国産セロリの周年安定供給のためには、今後、このグリーンタイプの品種の重要度が増すと考えています。
従来のグリーンタイプ品種は香り・味が強いことが多いですが、今回発売する「グリーンムカイ」は既存品種(グリーンタイプ、イエロータイプ)と比べてマイルドで、より幅広い消費者に受け入れられる可能性もあります。実際、試作した「グリーンムカイ」を取り扱った流通業者からは「食味がよく、セロリの消費を増やせる」とコメントがありました。
左:他社品種 右:「グリーンムカイ」
「グリーンムカイ」はわき芽が少なく、作業性がよい点も、
試作した生産者から高く評価されている
イメージキャラクター:ムカイくん
イエロータイプも栽培しやすく、「コーネリアス」
左:他社品種 右:「コーネリアス」
「コーネリアス」は発根力がよく、環境による影響を受けにくい
グリーンタイプのセロリが広がる一方、イエロータイプの香り・味を好む声もあります。
当社では、グリーンタイプとイエロータイプを生産者の経営スタイルや出荷先に合わせて選択できるよう、「コーネリアス」も発売します。同品種は作業性のよさに加え、発根力がよく、イエロータイプの既存品種と比べて暑さや乾燥などの影響を受けにくい特長もあります。また、一般的にイエロータイプ品種の栽培では大株に仕立てるためにジベレリン処理を行いますが、「コーネリアス」はジベレリンを施用せずに大株に生育するため、散布の労力や薬剤コスト削減にも寄与します。