Qolab.incに対する出資について~量子コンピューターの開発・社会実装を目指す~
株式会社 日本政策投資銀行Qolab.incに対する出資について~量子コンピューターの開発・社会実装を目指す~
2024/10/23
- 投資
- 南北アメリカ
株式会社日本政策投資銀行(以下「DBJ」という。)は、Qolab.inc(本社:米国ロサンゼルス、CEO:Alan Ho、以下「当社」という。)に対して出資を実行しました。
当社は、超電導量子コンピューターの研究、開発を行うスタートアップです。低いエラー率の超電導量子ビットを大規模に集積した量子コンピューターによる量子化学計算・シミュレーター等の実行、さらには大規模な量子計算が可能な誤り耐性型量子コンピューター(FTQC: Fault-Tolerant Quantum Computer)の実現を目指しています。
当社はGoogle にて2019年に量子超越性を主導・実現させたJohn Martinis(CTO)(注1)が設立した超電導量子コンピューターの開発企業であり、Applied Materials(米国)等の世界的にも有力なデバイス製造技術を保持する企業とともに、商用量子ビットチップ等の開発を進めております。
量子コンピューターは、2050年には素材開発、ヘルスケア、金融サービス、サイバーセキュリティ、物流最適化等のさまざまな分野で64~122兆円の価値創出をもたらすと予測(注2)され、政府においても「量子未来社会ビジョン」(2022年策定)の下、国産量子コンピューターの研究開発の抜本的な強化、産業界への総合支援等の取り組みが進んでおります。しかし、量子コンピューター、特に関連ハードウェアの開発には、エンジニアリング能力のさらなる向上が依然として必要であることから、国内外の技術や先端デバイスを含め柔軟に活用し、国内の事業開発環境の向上を目指すべきと考えております(注3)。
DBJは、世界最高水準の超電導エレクトロニクス製造技術を有する産総研をはじめとする国内研究機関・国内の関連技術を有する有力事業会社等との連携による当社事業開発の加速を通じて、日本の超電導量子コンピューターのファウンドリーとしての地位獲得、ひいては量子コンピューターの社会実装の早期実現を支援してまいります。
(注1)"Quantum supremacy using a programmable superconducting processor", Nature 574, pp. 505-510 (2019)
(注2)BCG, "What Happens When \"If\" Turns to \"When\" in Quantum Computing?", 2021.07.21., 2024年9月末 TTSレート(1ドル=143.35円)で円換算している。
(注3)「量子コンピューターの地平線とこれからの展望」レポートをDBJウェブサイト「調査研究レポート」に掲載していますので、ご参照ください。
【お問い合わせ先】
業務企画部 イノベーション推進室 電話番号 03-6311-5048