2023/11/10

記念すべきコレクション展<第一弾>「角川武蔵野ミュージアムコレクション展 高山辰雄―15cm×15cmの宇宙―」を角川武蔵野ミュージアムで12月2日より開催

公益財団法人 角川文化振興財団 

日本画壇の最高峰として知られる高山辰雄が13年間描き続けた『文藝春秋』の表紙絵156枚を再編集し、初の集合展示

公益財団法人 角川文化振興財団(所在地:東京都千代田区、理事長:川上量生、以下 角川文化振興財団)は、「ところざわサクラタウン」内、「角川武蔵野ミュージアム」4Fのエディット アンド アートギャラリーにて、2023年12月2日(土)~2024年4月8日(月)、日本画家・高山辰雄の展覧会「角川武蔵野ミュージアムコレクション展 高山辰雄―15cm×15cmの宇宙―」を開催いたします。 また、関連イベントとしてトークショーとワークショップを順次開催いたします。


■当館が所蔵する約160枚の高山辰雄作品とともに、彼が絵に込めた思いを解き放つ

 高山辰雄は、伝統的な日本画の技法を用いて作品を制作し、それが国内外で高く評価されている日本画家です。日本画壇の最高峰まで登り詰めた高山は、常に人間とは何かを問い続け、目の前にあるものと真摯に向き合い描いてきました。
 当財団と高山のつながりは深く、株式会社KADOKAWA本社エントランスでの作品展示や画文集の出版をするなど、生前からの親交がありました。そのため、当館では貴重な高山作品を数多く収蔵しています。
 今回は、その中から画業の転換期ともなった初期作品《裸婦》(1948年)をはじめ、女性美の集大成ともいえる《青衣の少女》(1984年)など、高山の代表作品を公開します。
 展示の中心となるのは1987年~1999年の13年間、毎月1枚ずつ描き続けた『文藝春秋』の表紙絵156枚です。15cm×15cmの表紙絵には、春夏秋冬を繰り返す小さな宇宙が広がっています。そこには移ろいゆき、循環していく自然や人間の姿が描かれています。
 高山が見ていた景色を追体感することで、自然や宇宙とつながったこの世界を見つめ直すきっかけとなる展示になっています。

●展示内容
Section1 高山辰雄の言葉

 高山は明治45年(1912年)、大分県大分市に生まれました。生家の側にあった松林がそのまま海につながっていたといいます。そして、部屋から見える朝焼けや夕焼けの由布岳、鶴見岳の美しさを感じながら少年時代を過ごしました。その後、東京で絵を学び画家となり、戦争を経験しさまざまな葛藤を抱えながらも、洋画家ゴーギャンの伝記に出会い自身の表現を獲得していきます。
 このエリアでは、高山の没年(2007年)に角川書店(当時)から出版された『存在追憶 限りなき時の中に』から高山の言葉を抜粋しながら、画家の人生を紹介します。
 同書の中で高山は、「絵描きの特別な目ではなくて、みんなと同じ目になりたいと思って、これまでやってきました。」と語っています。
 人間とは、生きるとはと自ら問い続け描いてきた画家の真っ直ぐな言葉を感じてください。

Section2 廻る四季 『文藝春秋』の表紙絵
 このエリアでは、高山が1987年から1999年までの13年間をかけて取り組んだ、文芸雑誌『文藝春秋』の表紙絵156枚を全点展示します。
 高山は、「日展三山」として並び称される先輩の画家・杉山寧から、表紙絵のバトンを受け継ぎました。一枚目となる同誌1987年1月号に描かれた画家の言葉にも、その偉業を引き継ぐことの緊張が書かれています。杉山がそうであったように、表紙絵の一枚一枚には過ぎゆく季節を慈しむような、洗練された言葉が添えられています。
 本展では新しい試みとして、156枚の表紙絵を、年代順で並べるのではなく、春夏秋冬の季節に分け、さらに「元旦」、「音」などの言葉によって分類します。高山の描いた景色を再編集することで、高山のいた時ともつながる、新たな季節の煌めきを感じられる展示です。




高山辰雄《『文藝春秋』表紙絵》1987~1999年 公益財団法人 角川文化振興財団蔵

Section3 喫茶店から宇宙を考える

 生前、高山はよく喫茶店を訪れたといいます。そこではスケッチをしたり、外を眺めてもの思いにふけっていたと語っています。喫茶店での高山の空想は宇宙にまで及びました。画業の後半は、太陽や月、星などの天体を意味する「日月星辰」という言葉を好んで使い、日本画の中に果てしない宇宙を再現することを試みていました。
 このエリアでは、高山の愛した喫茶店を空間として再現し、秘蔵の絵画コレクションを展示します。女性美を追求した傑作ともいえる《青衣の少女》をはじめ人間、鳥、花、自然、そして万物につながる宇宙を思い描いた絵画をご覧になれます。

●人物紹介
高山辰雄:1912(明治45)年~2007(平成19)年
大分県大分市生まれ。1936年、東京美術学校日本画科を主席卒業。
在学中から松岡映丘に師事。1946年、1949年に日展特選、独自の芸術的な画風が評価される。
以降、日本芸術院賞、芸術選奨文部大臣賞、日本芸術大賞等を受賞。1982年、文化勲章受章。
日展を中心に活躍し、東山魁夷、杉山寧とともに「日展三山」として知られる。

■会期中は関連イベントも開催
●スペシャル・クロストーク 「追想・高山辰雄 動く風景をめぐって」
日本画家・土屋禮一氏と泉屋博古館東京 館長・野地耕一郎氏をゲストに迎え、高山の絵や彼がまだ生きていた頃のお話から日本画の発展についてなど、対談形式でのトークイベントを開催いたします。
日 時:2024年1月27日(土)14:00~15:30
場 所:角川武蔵野ミュージアム 4Fレクチャールーム
参加費:無料
定 員:40名(先着順)

●ワークショップ 「武蔵野を水墨画で描く」

高山は晩年、筆と墨壺を組み合わせた携帯用筆記用具「矢立て」を使って身近な風景をスケッチしていました。水墨画家・足立正平氏を講師に迎え、武蔵野の春を「墨」でスケッチするワークショップを2回開催いたします。
日 時:2024年3月30日(土)1.10:30~12:30 2.14:00~16:00
場 所:角川武蔵野ミュージアム 4Fレクチャールーム
参加費:各回 2,000円
定 員:各回 20名(先着順)
※関連イベントの詳細および申し込みは、展覧会公式サイトでご確認ください。
【展覧会概要】
展示タイトル:角川武蔵野ミュージアムコレクション展 高山辰雄 -15cm×15cmの宇宙-
英語タイトル:Kadokawa Culture Museum Collection Exhibition “Tatsuo Takayama: The Universe in the Palm of a Hand”
会場:角川武蔵野ミュージアム 4F エディット アンド アートギャラリー
会期:2023年12月2日(土)~2024年4月8日(月)
展覧会公式サイト:https://kadcul.com/event/167
主催:角川武蔵野ミュージアム(公益財団法人 角川文化振興財団)
協力:丸栄堂、文藝春秋
チケット価格(税込): KCMスタンダードチケット(本棚劇場含む)
●オンライン購入(https://tix.kadcul.com/)、当日窓口購入
一般(大学生以上):1,400円/中高生:1,200円/小学生:1,000円
*休館日、開館時間は変更となる場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。
*「1DAY パスポート」チケットなどでも本展覧会をご覧いただけます。詳細は公式サイトでご確認ください。
*展示替えなどにより、日程によっては一部施設に入場できない場合がございます。
*展示内容が変更、または中止になる場合がございます。予めご了承ください。



■「角川武蔵野ミュージアム」について

図書館、美術館、博物館が融合した文化複合施設。
館長の松岡正剛氏が世界を読み解く9つの文脈に沿って独自の配架をした「ブックストリート」、博物学者の荒俣宏氏が監修する「荒俣ワンダー秘宝館」、「本と遊び、本と交わる」をテーマにした「本棚劇場」、これら「エディットタウン」は当館のメインエリアです。本棚劇場では、360度を取り囲む高さ8mの巨大本棚にプロジェクションマッピングが映し出されます。
また、マンガや多数の出版社のライトノベルが並ぶ「マンガ・ラノベ図書館」や、企画展が開催される「グランドギャラリー」など、松岡館長が提唱する「想像力とアニマに遊ぶミュージアム」として、様々な「まぜまぜ」を提供します。
建築デザイン監修は隈研吾氏、アート部門ディレクターは神野真吾氏。
公式サイト:https://kadcul.com/
X(旧twitter):https://twitter.com/Kadokawa_Museum
Instagram:https://www.instagram.com/kadokawa_culture_museum
Facebook:https://www.facebook.com/kadokawaculturemuseum
一般の方からのお問い合わせ:0570-017-396(受付時間:10:00-17:00)

■角川文化振興財団について

角川文化振興財団は「わが国の文化の振興に寄与する」という財団の設立目的実現のために、文芸の成果に対する授賞、文芸に関する出版、文芸の研究や著述の刊行への助成、映画芸術振興に関する助成、また文芸・映画資料の収集・保存・展示等、様々な事業を行っております。
公式サイト:http://www.kadokawa-zaidan.or.jp/

提供元:PRTIMES

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