コラーゲンペプチドの継続摂取は、疲労感を軽減し、活力感を高め、睡眠休養感を上げる
株式会社 ニッピ 株式会社ニッピは、コラーゲンペプチドの継続的な摂取が、日常生活における疲労感や活力感と言った気分状態を改善し、睡眠休養感も高める可能性があることをヒト試験で確認しました。この研究成果が、ダイエタリーサプリメントの国際的な専門誌であるJournal of Dietary Supplementsにて、原著論文としてオープンアクセスで公開されました。
【論文情報】
Dietary Collagen Peptides Ameliorate the Mood Status of Fatigue and Vigor:
A Randomized, Double-Blinded, Placebo-Controlled, Parallel-Group Comparative Trial.
Kuwaba K, Kusubata M, Saito M, Mizuno K.
Journal of Dietary Supplements.
URL: https://doi.org/10.1080/19390211.2024.2399343.
【研究成果】
背景
現代社会において日常的に疲労を感じている人は多く、5~20%もの人が疲労に悩んでいると言う報告もあります。疲労とは、「客観的なパフォーマンスの低下」および「主観的な疲労感」であり、主観的な疲労感は客観的な疲労(パフォーマンスの低下)を助長します。このため、疲労感を軽減することは、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の維持にとても重要だと考えられます¹ ²⁾。
近年、皮膚、骨や魚鱗などの動物組織に豊富に存在するコラーゲンの熱抽出物(ゼラチン)を低分子化したコラーゲンペプチドの摂取が生体に対して有益な効果を示すことが報告されており、当社でも、肌状態改善、免疫賦活化、筋肉痛軽減などの効果を報告してきました³ ⁴ ⁵⁾。そこで、本研究ではコラーゲンペプチドの継続的な摂取が、日常生活における疲労感などの心理・気分状態などに及ぼす効果について調べました。
方法
健康でありながら疲労しやすい66名の方に、8週間、コラーゲンペプチド食品またはプラセボ食品5グラムを朝と晩に摂取して頂き、疲労感を含む気分状態や体調などを、無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験で調べました。コラーゲンペプチドは、当社製造の魚由来コラーゲンペプチドを使用しました。試験食品の摂取開始前と摂取後に、疲労感を含む気分状態をPOMS(R) 2※1で評価しました。体調に関するアンケートは、リッカートスケールで評価しました。主要評価項目は、摂取8週間後のPOMS(R) 2の疲労−無気力(FI)のTスコアとしました。
※1 POMS(R) 2は、65の質問に答えて7つの気分状態を評価する心理テストで、世界のさまざまな研究分野で使われています。7つの気分のうち、疲労−無気力(FI)、怒り−敵意(AH)、混乱−当惑(CB)、抑うつ−落ち込み(DD)、緊張−不安(TA)の5つはTスコアが低いほど、活気−活力(VA)と友好(F)の2つはTスコアが高いほど、ポジティブな気分状態であることを示します。Tスコアは、大規模調査データによって標準化され、平均値が50、標準偏差が10となっています。
結果
コラーゲンペプチド群およびプラセボ群で各2名脱落し、解析対象者は各31名となりました(コラーゲンペプチド群46.5 ± 12.4歳; プラセボ群44.6 ± 10.4歳)。8週間後のPOMS(R) 2の疲労−無気力(FI)のTスコアは、コラーゲンペプチド群がプラセボ群より有意に低い値を示しました(47.0 ± 7.4対51.5 ± 9.0; p=0.045; 平均差, −4.4; 95%信頼区間, −8.7から−0.1)(図1)。さらに、POMS(R) 2の活気−活力(VA)のTスコアは、8週間後、コラーゲンペプチド群がプラセボ群より有意に高い値を示しました(53.9 ± 10.7対47.3 ± 9.6; p=0.002; 平均差, 6.2; 95%信頼区間, 2.4から10.0)(図2)。
体調に関するアンケートでは、8週間後の「一晩寝ても疲れが取れない」に関するリッカートスケールのスコアが、プラセボ群よりコラーゲンペプチド群で有意に低い値を示しました(中央値, 4.0対3.0; p=0.038)(図3)。
本試験において、重篤な有害事象や試験食品の摂取に起因する有害事象(副作用)は報告されませんでした。
結論
疲労しやすい人がコラーゲンペプチド(10グラム/日)を8週間摂取すると、疲労感や活力感が改善し、睡眠休養感も高まる可能性があることが示されました。本研究は、コラーゲンペプチドの摂取によって日常生活における疲労感と活力感が改善することを示した初めてのヒト試験です。この研究成果につきましては、特許出願中です。
1) Sharpe M and Wilks D. ABC of psychological medicine: Fatigue. BMJ. 2002; 325(7362): 480-483.
2) Kop WJ and Kupper HM. Fatigue and Stress. Stress: Concepts, Cognition, Emotion, and Behavior, Handbook of Stress Series Volume 1.; Fink G, editor. Academic Press: London, United Kingdom, 2016; 345-350.
3) 桑葉ら 薬理と治療 2014; 42(12): 995-1004.
4) Koyama Y, et al. Jpn Pharmacol Ther. 2015; 43(1): 51-56.
5) Kuwaba K et al. J Int Soc Sports Nutr. 2023; 20(1): 2206392.
【お問い合わせ先】
本記事に関するお問い合わせ … https://www.nippi-inc.co.jp/tabid/139/Default.aspx
提供元:PRTIMES