車両の輪軸組立作業における緊急点検の途中経過について

2024/09/19  九州旅客鉄道 株式会社 


2 0 2 4 年 9 月 1 9 日
九州旅客鉄道株式会社

車両の輪軸組立作業における緊急点検の途中経過について

九州運輸局からの指示を受け、当社の輪軸組立作業について緊急点検の途中経過をお知らせいたします。

1.点検内容

・現在運用している全車両の輪軸について、車軸に車輪、歯車等を圧入した際の圧入力値の記録を確認する。
(1)圧入力値の記録が確認されない、記録簿の差し替えが行われている等の事案がないか
(2)圧入力値が社内の規定等から逸脱している等の事案がないか

2.点検対象

・JR 九州が保有する車両に搭載されている全輪軸
6,182 本 (新幹線:664 本、在来線:5,518 本)

3.点検の進捗状況

・新幹線及び在来線における車輪及び大歯車の圧入作業時の圧入力値については、装置に記録され たデータは修正できない仕様であり、データの改ざんがないことを確認しました。
・新幹線の車両については、車輪の圧入力作業において目安値を外れてないことを確認しましたが、大 歯車の圧入作業において圧入力値が目安値を超過している輪軸が 1 本見つかりました。圧入前に大 歯車の内径と車軸の外径との差(しめしろ)および、圧入作業時に圧入力波形を確認することとしており、 安全は確保されています。なお、念のため 9 月 16 日に輪軸の取替を行いましたが、これによる運行へ の影響はありませんでした。
・在来線の車両については、9 割程度の確認が終了しており、車輪の圧入力作業において圧入力値が 目安値を超過している輪軸が 328 本見つかりました。
・圧入前に車輪の内径と車軸の外径との差(しめしろ)および、圧入作業時に圧入力波形を確認すること としており、安全は確保されています。本事象を受けてしめしろおよび圧力波形に問題がないことを再 確認しました。また、上記の管理において再圧入となった輪軸の再圧入力値データの保存を失念した 輪軸が 5 本見つかりました。これらの車軸については、車輪の内径と車軸の外径との差(しめしろ)を 確認するとともに超音波探傷を行い安全が確保されていることを確認しました。現時点、これによる運 行への影響はありません。

4.新幹線及び在来線における各圧入力値の目安値外であった原因

・新幹線および在来線の車輪や大歯車の圧入作業においては、圧入力値が目安値を超過した場合の取 扱いを明確に定めていなかったため。

5.今後の対応

・今までの管理方法に加え、目安値外であった場合の取扱いを明確に定めてまいります。
・安全に運転することができる状態でない車両が特定されたときは、速やかにその使用を停止致します。

以上

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