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電子部門:高熱伝導率の窒化アルミセラミックス基板を開発・販売開始 ~業界最高の高熱伝導率250W/m・Kグレードを実現~
2024年09月24日
当社(本社:東京都千代田区、社長:中戸川 稔)グループの中核事業会社で、電子部門を担う古河電子株式会社(本社:福島県いわき市、社長:玉利 健一郎)は、半導体製造装置や通信機器、レーザー素子などの放熱絶縁部材として需要が拡大している窒化アルミセラミックス基板について、業界最高の熱伝導率特性250W/m・Kグレードを開発し、このほど、販売を開始しました。
窒化アルミセラミックスの製造は、従来の製造拠点である古河電子の半導体素材分工場(栃木県日光市)に加え、いわき工場(福島県いわき市)に第2拠点を立ち上げ、2023年度から生産能力を1.6倍に増強しました。
古河電子では、引き続き、製品ニーズを捉え、お客さまの課題を解決する製品を提供することで、高機能な放熱絶縁部材の安定供給と電子機器の高性能化に貢献していきます。
窒化アルミセラミックス基板(FAN-250F)
・熱伝導率:250 W/m・K(ワットパーメートルケルビン) ・サイズ:114.3 × t0.3~2 mm |
開発背景
近年、電子部品の小型化や高性能化が進む中で、電子部品から発生する熱を如何にして逃がすかが課題となっています。放熱部材としての窒化アルミセラミックスは、熱伝導性と絶縁性の両方に優れ、均熱性、耐食性を有しており、その特性が特に求められる半導体製造装置部品等で需要が増加しています。通信機器の高性能化やデータセンターの伸長、パワー半導体や次世代自動車の普及、更には半導体や電子デバイスをはじめとした各種機器や端末の高性能化などにより、放熱部材としての窒化アルミセラミックスの市場拡大が今後も見込まれています。
古河電子では、こうした製品ニーズを捉え、従来の窒化アルミセラミックス基板の熱伝導率90W/m・K、170W/m・K、200W/m・K、230W/m・Kの4グレードを販売してきましたが、従来の製造技術では、放熱に必要な特性である熱伝導率を、230 W/m・K以上に高めることは非常に困難でした。このたび、原料調製や焼成条件などを最適化することで、業界最高の熱伝導率特性※である250W/m・Kを実現しました(※熱伝導率測定方法:レーザフラッシュ法)。この250W/m・Kグレード品は、レーザダイオードや高出力LEDのサブマウント用や電子冷熱に使われるペルチェ素子用として利用が見込まれています。
窒化アルミセラミックスFANシリーズ 物性表
|
FAN-170 |
FAN-200 |
FAN-250F(参考値) |
熱伝導率 |
W/m・K(RT) |
170 |
200 |
250 |
熱膨張係数 |
10-6 / ℃(RT~400℃) |
4.5 |
← |
絶縁抵抗 |
Ω・cm(RT) |
>1013 |
← |
絶縁耐圧 |
kV/mm(RT) |
15 |
← |
誘電率 |
(1MHz) |
8~9 |
← |
誘電損失 |
10-4(1MHz) |
5 |
← |
曲げ強度 |
MPa |
350 |
300 |
密度 |
g/cm3 |
3.3 |
← |
窒化アルミセラミックスとは
窒化アルミセラミックスは、熱伝導性が高く、かつ電気を通さない絶縁性を併せ持つ高機能なファインセラミックス※です。その用途は、半導体製造装置の部品や通信機器、レーザー素子などの放熱絶縁部材として使用され、電子機器内部に発生した熱を外部に放熱することで、動作の異常などを防いでいます。
近年、電子機器の高性能化や高集積化、微細化、薄型化が進んでおり、より高機能な放熱絶縁部材である窒化アルミセラミックスの需要が拡大しています。
※ファインセラミックス:純度、組成、製造工程を精密に制御して製造される特殊な特性を持つ陶磁器。
窒化アルミセラミックス
放熱用セラミックス部材には、アルミナと呼ばれる酸化アルミニウム(Al2O3)や炭化ケイ素(SiC)などもありますが、窒化アルミセラミックスは、熱伝導性と絶縁性の両方に優れ、均熱性、耐食性の特性も併せ持ちます。
古河電子の窒化アルミセラミックス主要3製品
【補足資料】
■関連リリース
・2023年6月28日発表「電子部門 窒化アルミセラミックスの増産設備で生産開始」
https://www.furukawakk.co.jp/info/2023/20230628__16.html
■関連動画
・【MADE by FURUKAWA】電子部門|窒化アルミセラミックス編
https://www.youtube.com/watch?v=Yr-9ttDKHds&t=44s
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古河機械金属株式会社 経営企画部広報・IR課
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