京都府知事記者会見 2024年11月1日 - ●(一社)セイラーズフォーザシー日本支局との包括連携協定の締結について ●「ヘルス博KYOTO 2024」の開催について ●「京都ヒューマンフェスタ2024」の開催について

2024/11/01  京都府庁 

令和6年11月1日定例知事記者会見

(一社)セイラーズフォーザシー日本支局との包括連携協定の締結について

本日の発表項目は3点ございます。

ます1点目は、一般社団法人セイラーズフォーザシー日本支局との包括連携協定の締結についてです。

京都府では、府内の豊かな水産物の安定的な供給を図るため、水産資源の持続可能な消費の啓発や海洋環境の改善に取り組む「一般社団法人セイラーズフォーザシー日本支局」と包括連携協定を締結いたします。

この協定に基づき、「海洋環境保全」や「海洋水産資源の持続的活用」などの課題について、フードテックの活用を始め、教育や観光、文化などの幅広い側面から連携して解決を目指したいと思います。

取組の第一弾として、「ブルーシーフードガイド京都府版」を発行いたします。

ブルーシーフードガイドは、資源量や、漁業の生態系への影響、漁業の管理体制などの基準を満たした持続可能な水産物を掲載したガイドであり、このガイドに掲載された水産物を、消費者の方々に優先的に食べていただくことによって、枯渇している水産物の回復に役立てることを目的としています。

京都府版ではズワイガニやトリガイなど、8種類の魚介類を持続可能な水産物として掲載する予定です。

協定締結式については、11月8日に、一般社団法人セイラーズフォーザシー日本支局の名誉会長であるデイビッド・ロックフェラーJr.氏にも御出席いただき、東京都内で開催いたします。「ブルーシーフードガイド京都府版」のお披露目も当日行いますので、取材についてよろしくお願いします。

「ヘルス博 KYOTO 2024」の開催について

2点目は、「ヘルス博 KYOTO 2024」の開催についてです。

京都府では、平均寿命の全国順位が男性4位、女性3位と高いものの、女性の健康寿命が全国平均を下回っており、これまでから健康寿命の延伸に向けオール京都で取り組んでまいりました。

京都府総合計画においても、「健康づくりへの意識が高まり健やかな生活が送れる社会」を目指すこととしており、そのためのきっかけづくりや、産学公連携による健康づくりの推進のため、11月21日に京都経済センターで「ヘルス博 KYOTO 2024」開催いたします。

当日は、「きょうと健康大使」でもあります芸人の木村祐一さんと私によるオープニングトークショーをはじめ、タレントの麻木久仁子さんや元SKE48メンバーである矢方美紀さんによる、御自身のがん経験を踏まえた講演、健康づくりセミナーや健康・予防サービスを提供する企業や大学のブース展示など、健康に関する様々な情報を紹介し、府民の皆さまの健康づくりのきっかけにしていただきたいと考えています。

さらに、がん検診の受診率の向上や健康づくりの推進について優れた取組を行っておられる企業5社を表彰する「きょうと健康づくり実践企業」表彰式も合わせて実施しますので、事前の周知、また当日の取材についてもよろしくお願いいたします。

「京都ヒューマンフェスタ 2024」の開催について

3点目は、「京都ヒューマンフェスタ2024」の開催についてです。

京都府では、人と地域の絆を大切にする共生の京都府の実現に向けて、府民の皆様とともに「人権」について考える機会とするため、人権啓発イベント「京都ヒューマンフェスタ」を毎年開催しております。

今年度は、「みんなで考えよう~つながり支え合うために~」をテーマとして、11月24日に京都テルサで開催いたします。

当日は、SNSでの誹謗中傷により大切な娘さんを亡くされた、元プロレスラーの木村響子さんによる講演のほか、セリフを使わないノンバーバルシアター「ギア」の特別パフォーマンス、京都府出身のお笑いコンビ「ミキ」によるラジオの公開収録など、多彩な催しを実施いたします。

また、資料2枚目に記載の「令和6年度人権擁護啓発ポスターコンクール」につきまして、このほど、3千点を超える応募の中から入選作品を決定いたしました。フェスタ当日には、表彰式と作品の展示を行います。

多くの府民の皆様にお越しいただき、楽しみながら人権について考える機会にしたいと考えておりますので、事前の周知、そして当日の取材についても御協力をよろしくお願いいたします。

私からは以上です。

質疑応答

記者

セイラーズフォーザシー日本支局との包括連携協定を締結し、11月8日にブルーシーフードガイド京都版を発行するとのことであるが、京都府では「海の京都」を打ち出され、丹後や舞鶴などの魅力を発信しているが、知事は府内産水産物の特徴や魅力をどのように考えているか。

知事

「海の京都」というのは地域ブランドですが、その中核をなしているのは、やはり海の幸だと考えています。最近は、気象条件や海水温等も変わってきていますが、府内には極めて豊富かつ良質な水産物があることが特徴だと考えています。

今回の取組は、できる限り、枯渇している水産物を消費せずに、持続可能な水産物を消費することによって、枯渇している水産物を守ろうというものであり、まだ最終決定ではありませんが、発表資料の2ページに記載している8種類ほどの水産物を掲載する予定です。

この取組によって、持続可能な水産物の消費のウエイトが高くなって、全体として貴重な水産物の枯渇を防ぐことに繋がれば良いと考えています。種類や量のことも含めて、京都にとって貴重で豊富な水産資源を維持するとともに、持続可能なものにしたいと考えています。

記者

セイラーズフォーザシー日本支局との包括連携協定については、他の都道府県でも同様の取組が行われているのか。

知事

連携協定は、三重県と東京都と広島県が既に締結されており、京都府は4番目です。また、それぞれの地域で、地域版のブルーシーフードガイドが作成されていると聞いています。

協定の中身についてはそれぞれ個性があり、同様ではないと思いますが、ベースは水産資源の持続的活用だと思います。今回、我々はかなり幅広い分野でセイラーズフォーザシー日本支局と連携していきたいと考えています。

記者

今回の衆議院選挙で自民党と公明党の議席数が過半数割れしたが、知事の所感はどうか。

知事

選挙の結果については、それぞれの選挙区ごとや政党への評価なので、大まかなことしか言えませんが、いずれにしても全体としては、政治資金の問題に端を発した国民の政治不信が影響したことは間違いないと考えています。

全国的に見ると、立憲民主党と国民民主党が議席数を伸ばし、自民党と公明党の与党が過半数を割ったという結果であり、今後、難しい政権運営を迫られることは間違いないと思います。

ただし、今、我が国が抱えている課題は物価高騰や人手不足など、国民生活への影響が大きいものです。また、中小企業も厳しい状況ですし、国際情勢も非常に不安定です。一方で、物価と賃金の好循環も達成しないといけません。

非常にたくさんの課題がありますので、政権運営は非常に難しいと思いますが、我々としては国民や日本にとって必要な施策が円滑に実現されるよう、それぞれが国会レベルで汗をかいていただいて、政策の推進に停滞や支障が無いように是非とも努力をしていただきたいと考えています。

記者

今回の衆議院選挙の投票率について、府内は53.12%と全国平均を下回り、また前回と比べても3.2ポイント下回ったが、この結果についてどう考えているか。

知事

いつも言っているように、選挙は民主主義の根幹的な制度なので、できる限り投票に行っていただくことが住民や国民の意思を反映する第一歩だと考えています。

その意味では、京都府も全国も、前回の衆議院選挙よりも投票率が下がっていることは残念です。特に前回と比べると、全国の投票率の速報値は2.08ポイント低下しましたが、京都の投票率は3.2ポイント低下しており、京都がより低下したことは残念です。

投票率は天候や政治情勢によっても変わりますが、基本的には候補者による政策の訴えや政策論争によって有権者の関心を高めることが、投票率を上げる一つの方法だと思います。また、もう少し長い目で見れば、若い世代に向けた主権者教育や、時代に合った投票環境の向上策も中長期的には検討していく必要があると考えています。いずれにしても、より投票率が高くなることが望ましいと考えています。

記者

今後、実施してみたい具体的な策はあるか。

知事

それは選挙管理委員会の所管ですが、例えば、期日前投票の比率がどんどん上がっています。期日前に投票する機会が多くなっており、スーパーのような集客施設に投票所を設置しているところもあれば、役場に設置しているところもあります。気軽に投票できる機会が増えれば、投票率も上がるのではないかと思います。

ただ、そのための人手も必要であり、その点も合わせて考えなければいけませんが、色々な機会を設けて投票できるようにすれば、投票率の向上には繋がると考えています。

記者

衆議院選挙で京都の選挙区から選出された議員の方に期待することや要望などはあるか。

知事

今回の小選挙区の結果を見れば、皆さん前職の方が当選されたということですので、これまでからも京都選出の国会議員として、京都府の振興・発展のために国とのパイプ役としてご支援をいただいていたので、京都府の立場としては、引き続きこれまでの経験を活かして、しかも京都府のことを熟知して当選を重ねられた皆さんに、京都のためにお力添えを賜りたいと考えています。

その上で、各政党の立場が色々ありますが、一人の衆議院議員としてそれぞれが国会運営に関わっていかれると思いますので、先ほどの話に戻りますけれども、国民生活や日本経済に影響を出さないために、政策の推進に停滞や支障がないように努力していただきたいとは思っています。

記者

府の具体的な取組など後押しをして欲しいなどといった話はされたのか。

知事

それは選挙の争点としてよく聞かれましたが、今は物価高騰が続いてる中で人手不足を抱えて、しかも持続的な賃上げが求められていますので、中小企業を巡る状況も厳しいですし、国民生活に対する影響も厳しいものがありますから、それが持続的に賃金と物価に反映し、経済の好循環に繋がるように努力をしていただきたいです。

それから、我々が政府提案として国に提案している内容は常に府選出の国会議員の皆さんには夏の段階から御説明していますし、また落ち着かれたら予算編成に向けてもお願いします。具体的にお願いする項目がたくさんありますので、それらについては全て、実現のために是非ともお力添えを賜りたいと考えています。

記者

自民党と国民民主党が政策協議を行うことで話が進んでいるが、国民民主党の政策には、トリガー条項の凍結解除や年収の壁の引き上げなどがあり、実現した場合は地方税収への影響も大きいと思うがどうか。

知事

地方税収への影響の話をする前に、私も長い間公務員をしているので、過去、自分の仕事上でも、少数与党が部分的な政策について野党と合意して前に進んだ経験は沢山あります。必要なことについては、丁寧に真摯に協議をして国民の声に応えていただきたいというのが大前提です。

トリガー条項の凍結解除や年収の壁の引き上げなど、税に関することに政策を持って行き、減税の要素を含むとなると、我々だけでなく国も含めて税収が減りますので、それに係る財源をどう確保するのかという課題があります。

ただ「地方にだけ迷惑を掛けないでくれ」ということではなく、全体として税制を政策手段として使うのであれば、それに伴う影響をどう緩和するのかや、財源をどう確保するのかということを、まずは国のレベルできちんと考えていただきたいです。

その場合に、地方財政への影響についても、一つの検討の視点としてしっかりと考えていただきたいです。

記者

トリガー条項と年収の壁の2つを協議することに異論はないのか。

知事

トリガー条項は色々な課題をはらんでいると思いますし、現に今までガソリン価格の高騰対策に国費を投入していたので、ガソリン価格を下げることについてどういう方法が良いのかという観点では、様々な意見があると思います。私はトリガー条項を発動するのが良いと断言できるほど、その影響について勉強はしていません。

年収の壁への対応については、やり方は色々ありますが、明らかに年収の壁が人々の働き方に影響しているのは間違いないと思います。しかも、物価が上昇しており、賃上げの状況にありますので、年収の壁の効き方が余計に強くなっていると思うので、年収の壁問題を議論することは非常に良いことだと考えており、是非とも解決していただきたいです。

ただ、税収への影響が非常に大きいのと、真に必要な人のための年収の壁の撤廃になっているかという論点はあると思います。

そこは国も承知だと思うので、そのようなことも含めてきめ細かく議論していただかないといけないと考えていますが、年収の壁に取り組む姿勢は歓迎したいです。

記者

衆院選における京都新聞の出口調査で、北陸新幹線の小浜ルートの賛否を聞いたところ、4割が「分からない」と回答し、最多だった。府民理解が進んでいないことの表れだと思うがどうか。

知事

他のメディアも同じテーマについて調査しており、調査結果は若干違う傾向が出ているところもあるので、京都新聞の結果のみに言及することは控えたいと思います。

ただ、「分からない」という回答が多いことについては、理解が進んでないというよりも、我々でさえも、環境への影響や費用負担の問題も含めて判断する材料が乏しいことは間違いありません。一般の府民の方にとってみれば、そうした判断材料が示されていない中で聞かれたのであれば、一定程度の比率で「分からない」と回答される方がいるのは、ある程度、当然の結果ではないかと考えています。

今の段階で理解を求めるというよりも、きちんとした事実やデータなど、色々なものを含めて国にお示ししていただき、しかも、それに我々がどう対応するのかについて出揃った段階で、府民の皆様にはより考えを鮮明にしていただくことになっていくのではないかと思います。

今回の選挙に伴う出口調査で言えば、それくらいの比率で「分からない」という回答が出ることは、ある程度致し方ないと考えています。

記者

学校に大阪・関西万博の入場料を支援する事業について、意向調査の状況はどうか。

知事

調査の回答期限は10月31日であり、最終的な結果については、まとまり次第、お知らせします。

なお、10月29日の時点では、全体の58%にあたる397校から回答をいただいており、その内の44%にあたる176校から「利用予定」との回答をいただいております。

現時点での集計結果はこうなっていますが、「検討中」という答えもあり、これから最終的な結果をまとめます。

ただこの調査は、その結果に基づいて個別に何かをする訳ではなく、あくまで我々がどれくらいの予算規模が必要なのかを把握するために行っているものです。

また、学校現場では個別に様々な課題があるはずなので、単に利用意向を聞くだけではなく、それについてもきめ細かく対応したいと考えています。

一旦この調査を終えて、これからは「全体の予算規模の話」と「個別の課題解決に向けての取組」という2本立てでやっていきたいと考えています。

記者

万博の意向調査について、「検討中」と「利用する予定がない」と回答した学校はそれぞれどれくらいなのか。

知事

途中経過なので、今後、若干変わるかもしれませんが、44%が「利用予定」、22%が「検討中」、34%が「利用しない」となっています。

記者

利用予定の数字について、知事の想定よりも多いのか少ないのか。

知事

市町村ごと、小中高ごとに回答していただいており、地域性があります。万博会場から遠いところから日帰りで行くのは大変ですし、年齢によっても興味が違います。

全体でどれくらいという想定はしていませんでしたが、もし最終的に5割近い方が利用予定なのであれば、多いなという印象はあります。

記者

当初予算に計上している、学校行事として万博に行けるチケットについては、この調査で行きたいと回答した学校に配布していくのか。

知事

令和6年度予算には債務負担行為として、全員が行きたいと言われた時にも対応できるような姿勢を示していますが、実際に歳出化されるのは令和7年度になります。

実際に行かれる方に対しては、具体の予算化をしなければいけないこともあるので、今回、意向調査をしているということです。行きたいと言われる方を我々が支援する姿勢は変わっていません。

記者

34%の学校が「利用しない」と回答した理由としては、地理的な問題が大きいのか。

知事

私が把握しているのは数字だけであり、それぞれの個性については分かりません。

ただし、私としては、修学旅行ではなく日帰りになるので、比較的遠いところから行くのは難しいのかなと、もともと思っていました。

それから小学校でも対学年だとどうなのか、時期的にもカリキュラム上どう取り扱うのか、クラブ活動をどうするかなど、色々なことがあると思うので、その辺りは分かりません。

しかも学校単位で聞いているので、生徒さんの思いもあるし、教職員の皆さんの都合もあると思いますので、内訳は分かりません。

記者

先日、人事委員会勧告があり、地域手当の課題について報告が行われた。

人事院は、市町村単位から都道府県単位とするように勧告したが、京都府の場合は、以前から人事院とは別の考え方で地域手当を設定しており、今回の報告においても人事院勧告に準拠するかどうかについては課題があるとしていたが、この人事院勧告をどのように考えるか。

知事

事実関係を整理すると、国家公務員の地域手当の支給率を市町村単位から都道府県単位に見直すように人事院勧告で示されました。また、地方公務員の地域手当については、国家公務員と同様に都道府県単位とするように総務省が見直しを表明したというのが今の状況です。

今回の人事院の地域手当の見直しについては、京都では長岡京市を12%にすることを除いて、府内一律で8%にするというのが人事院の判断でした。

人事委員会の報告では、「国とは異なる人事管理の状況や府の独自の対応経過を踏まえれば、直ちに国に準拠して見直しを行うのではなく、最新の府内の民間賃金などの諸情勢や近隣府県の見直しの状況等を勘案しつつ、地域手当のあり方について検討を進めていくことが必要である」と慎重な姿勢が示されました。

我々はこれまで国に先んじて地域を大くくり化して、4区分で対応してきました。これまでも我々は民間の賃金を適切に反映してきたと考えており、人事委員会の報告は一定程度理解できると考えています。

いずれにしても人事委員会の勧告事項であり、更に検討をすると言われていますので、その検討を注視していきます。

記者

地域手当が8%になる影響はどう考えるか。

知事

今までの比率から個別に増減があるのであれば、その影響は考えないといけませんので、きめ細やかさという観点では、一律にすることは良いとは思いません。

ただ、市町村単位とした場合には、人材確保の観点からすると、人手不足ではない時であれば影響は少ないかもしれませんが、今の状況で言うと、地域手当の高い方に人が流れるという声があります。

我々がやった大くくり化も、人手不足でない時に作成した制度なので、人事委員会で検討されると思いますが、今の人手不足の状況の中で、どういう形が良いのかを考えていただくしかないと思います。

大くくり化が良いのか、市町村単位が良いのか議論はあると思いますが、是非きめ細かく考えていただきたいです。

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