ロシア・ウクライナ問題がネット炎上にも影響!-多様な視点でリスクチェックが必須な時代へ-

2022/06/01  シエンプレ 株式会社 

【調査対象期間:2022年4月1日~2022年4月30日】シエンプレ デジタル・クライシス総合研究所による最新の炎上事案分析

ネット炎上や情報漏えいなどのデジタル上で発生したクライシス(危機や重大なトラブル)を研究する、日本初の研究機関シエンプレ デジタル・クライシス総合研究所(以下、弊研究所)は、2022年4月1日~4月30日に発生したネット炎上について件数とその内訳の分析結果を公開しました。



「4月最新の炎上事案分析」ダウンロードURL
https://www.siemple.co.jp/document/enjou_report_202204/



調査背景

2022年1月12日、弊研究所はソーシャルメディアを中心とした各種媒体とデジタル上のクライシスの特性、傾向と論調を把握するために「デジタル・クライシス白書2022」(調査対象期間:2021年1月1日~12月31日)を公開しました。今回の調査は「デジタル・クライシス白書2022」の内容を補足するものです。

投稿内容に「炎上」というキーワードを含む31,960件の投稿から65件の炎上事案を抽出し、炎上の原因となった問題行動の主体、問題行動の内容、炎上を起こした企業の業種などの切り口から傾向を分析しました。

※「デジタル・クライシス白書2022」は以下のURLからダウンロードをリクエストできます。
https://www.siemple.co.jp/document/hakusyo2022/

調査

調査期間:2022年4月1日~4月30日
調査対象:Twitter、Facebook、Yahoo!ニュース、アメブロ、Fc2ブログ、Yahoo!知恵袋、2ちゃんねる など、弊社指定媒体への投稿
調査方法:弊社ソーシャルリスニングツールを使用
分析対象投稿数:31,960件
抽出炎上事例数:65件

調査結果トピックス

・4月の合計炎上件数65件でした。
・「著名人」の炎上事案の割合が前月対比で減少しており19件(29.2%)を占めました。
・反社会的行為や規則・規範に反した行為(の告白・予告)、法律に抵触する可能性のある行為は6件(9.2%)でした。
・炎上事案が最も多かった業界は「IT・メディア」業界でした。
・炎上事案が発生した日系企業17社のうち、12社が非上場企業でした。

分析コメント/シエンプレ デジタル・クライシス総合研究所 研究員 嶋津 幸太




引き続き、ウクライナ・ロシアに関連する事案が多く確認されています。戦争や災害等の事案が発生した時は、「非常識な発言・行為、デリカシーのない内容・発言・行為」や「その他、特定の層を不快にさせるような内容・発言・行為」による炎上が増加する傾向があります。

今一度、多様な視点でのチェックを意識すること、過去事例・他社事例を他山の石にして体制強化に繋げることを意識して取り組むことが必要です。

調査結果詳細

抽出したデータは表1の基準に基づき分類しました。
また、表1と合わせて、関係する15の業界ごとについても投稿を分類しました。(表2参照)なお、表2に記載のある15件に該当しない業界に関してはその他としてデータを処理しました。

*参考:山口真一.(2015).ネット炎上の研究「炎上の分類・事例と炎上参加者属性」
*業界区分に関しては、法人等に該当する場合に限定しております
*データ確認日時点でチャンネル登録者数が100万人を超えている場合を著名人、
それ未満を一般人(その他)として定義しております。

*参考:業界動向SEARCH.COM https://gyokai-search.com/2nd-genre.htm


炎上事案発生件数

4月の炎上事案発生件数は65件でした。
炎上事案の原因となった問題行動の主体別の内訳では、「著名人」19件(29.2%)、「法人等」24件(36.9%)、「一般人」22件(33.8%)という結果でした。4月は法人等の炎上事案発生率が多く割合を占めております。

また、前年同月対比では、大きく変化はないものの、一般人の割合が3.9%増加しております。




問題行動の内容別件数

炎上の原因となった問題行動の内、6件(9.2%)が「反社会的行為や規則・規範に反した行為(の告白・予告)。法律に抵触する可能性のある行為。」に該当し、「不適切と判断される可能性のある発言・行為。」59件(90.8%)に比べて少数でした。


炎上の原因となった問題行動の内容としては「2-4」(その他、特定の層を不快にさせるような内容・発言・行為)に該当する炎上が最も多く、次いで「2-3」(非常識な発言・行為、デリカシーのない内容・発言・行為)に該当する炎上が多い結果となりました。





炎上内容の詳細区分

炎上内容の詳細を分析したところ、「その他」を除くと、「品質の悪さ」に関する炎上事案が7件、次いで「接客・対応方法」「差別・偏見」「暴言・暴力」に関する炎上事案が同率で4件ございました。




業界別にみる炎上事案の特徴

問題行動の主体のうち、「法人等」に該当する炎上24件を業界ごとに分類しました。炎上事案が最も多かったのは「IT・メディア」業界で6件(25%)でした。次いで「飲食」業界が4件(16.7%)、という結果でした。





上場企業の割合

問題行動の主体が「法人等」に該当する24件のうち、17件は日系企業でした。(7件の炎上は自治体や社団法人、海外企業等が問題行動の主体となったもの)これらの日系企業が上場企業か否か、また、それぞれの従業員数について分析しました。結果は「上場企業」5社(29.4%)、「非上場企業」12社(70.6%)でした。


また、前年同月対比では、昨年の2021年4月と比べて、上場企業の割合が8.2%増加しております。


従業員数「1,000人以上」の大企業が12件を占め、日系企業における炎上の70.6%を占めました。



前年同月対比では、2021年4月と比べて、1000人以上の従業員数の企業の割合が2.1%減少しております。




弊研究所 概要

名称    :シエンプレ デジタル・クライシス総合研究所
主宰    :シエンプレ株式会社
所長    :佐々木 寿郎
アドバイザー:村上憲郎(元Google本社副社長及び日本法人代表)
芳賀雅彦(元博報堂・PR戦略局シニアコンサルタント)
山口真一(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授)
徳力基彦(note株式会社 プロデューサー/ブロガー)
設立日    :2020年1月10日
公式HP   :https://dcri-digitalcrisis.com/

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