SOMPOリスクマネジメント株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:中嶋 陽二、以下「SOMPOリスク」)は、2月8日から富士山大規模噴火に伴う首都圏等への降灰リスクに関する対策支援サービスの提供を開始します。
背景
富士山は、直近5600年で180回程度、単純平均で30年に1度程度の間隔で噴火していることになりますが、1707年の宝永噴火を最後に、300年超沈黙しています。
宝永噴火では、大量の火山灰が噴出され、約100km離れた江戸にも数cmの降灰があったことが確認されています。
また、宝永地震(南海トラフ)や元禄関東地震(相模トラフ)との関連性も指摘されており、南海トラフの巨大地震や首都直下地震の切迫性が高まるなか、富士山噴火に対する危機感も高まっています。
2020年には、内閣府より首都圏における降灰の影響等にかかる被害想定が示され、以降、影響範囲にある首都圏の自治体、企業等においても対策に向けて積極的な取り組みが増えています。
このような状況をふまえ、SOMPOリスクでは、これまで一部のお客さまからのご相談に応じて個別に提供してきた富士山大規模噴火降灰リスク関連サービスを整理し、すべてのお客さまにご案内することとしました。*降灰の影響・被害想定は<別紙1>をご参照ください。
サービスの概要
1.内容・特徴
リスク認知、分析・評価、対策・対応のリスクマネジメントの段階(以下、「RMの段階」)別に下表のサービスを提供します。
また、BCPへの反映、訓練の実施等、個別のコンサルティングサービスも引き続き提供していきます。
2.費用・期間(*1)
*1 規模や内容等により異なります。
3.受注目標
年間50件、3,000万円の受注を目指します。
今後の展開
本サービスのオンラインシステム化等に向けた検討を進める予定です。
本サービスの進化を通じて、企業のレジリエンスの向上、ひいては社会の安心・安全・健康の増進に寄与してまいります。
SOMPOリスクマネジメントについて
SOMPOリスクマネジメント株式会社は、損害保険ジャパン株式会社を中核とするSOMPOホールディングスのグループ会社です。「リスクマネジメント事業」「サイバーセキュリティ事業」「デジタル事業」を展開し、全社的リスクマネジメント(ERM)、事業継続(BCM・BCP)、サイバー攻撃対策などのソリューション・サービスを提供しています。
〈別紙1〉想定される降灰による影響について
内閣府WGによれば、富士山大規模噴火降灰時には、降灰エリアでは以下のような影響が生じ、影響を受ける人口・資産が最大となるケース2の場合、復旧のために必要な徐灰量は、東日本大震災の災害廃棄物量の約10倍に相当するとされている。
(1)人的被害
内閣府WGが想定している降灰が与える人体への影響は、以下のとおり。
・目、鼻、咽、気管支の異常等
・慢性珪肺症(けいはいしょう)または炎症反応のリスク増加
・付着による皮膚の炎症
・心理的ストレス上昇 等
(2)インフラ・ライフライン被害
内閣府WGではインフラやライフラインへの被害として、以下のとおり想定している。
インフラ・ライフライン被害
降灰が与える影響の被害想定項目について,大規模噴火時の広域降灰対策検討ワーキンググループ,
https://www.bousai.go.jp/kazan/kouikikouhaiworking/pdf/20180911siryo3.pdf(アクセス日:2023年12月1日)
(3)
事業所の被害
降灰時における事業所に想定される被害は、以下のとおり。
事業所への被害
SOMPOリスク作成
(4)
事業継続への影響
(1)から(3)の影響から想定される事業継続への影響
- 公共交通機関の運休、道路の交通規制や健康被害への懸念から、大半の従業員が通勤できない。
- 物流網の機能不全やサプライヤの操業中断により、サプライヤから原材料が確保できない。
- 建物内にも火山灰が吹き込み、建物内への生産設備・情報システムにも動作不良が発生する。
- 電力や上水の供給のほか排水処理も途絶し、生産ができない。
- 通信障害により、インターネットやイントラネットに接続できない。
- 簡易建物(テント倉庫、自転車置場 等)が倒壊するおそれがある。
<参考情報>
SOMPOリスクのコンサルタントが執筆した調査レポートを発行・公開しています。
富士山噴火に伴う降灰の事業への影響と対策
-首都圏で想定される降灰と影響および企業の取り組みについて-
https://image.sompo-rc.co.jp/reports/r252.pdf