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最終更新時刻:17時54分

これからの「新しい時代の学び」に応える義務教育学校【嘉麻市稲築東義務教育学校】

2024/10/22  株式会社 久米設計 

株式会社久米設計(本社所在地:東京都江東区潮見2-1-22)は、当社が設計した「嘉麻市稲築東義務教育学校」が第18回キッズデザイン賞を受賞しましたことをお知らせします。




キッズデザイン賞とは
https://kidsdesignaward.jp/about/

キッズデザイン賞は、
子どもや子どもの産み育てに配慮した
すべての製品・サービス・空間・活動・研究を対象とする顕彰制度です。

【設計者コメント】
義務教育学校とは、小学校から中学校までの義務教育を一人の校長と一つの教職員組織で一貫して行う、小中一貫校よりも柔軟な運用が可能な新たな学校のカタチで、2016年から制度化されたものです。今回のプロジェクトは、嘉麻市が新たに整備した3つの義務教育学校の1校となります。計画にあたっては、非常に短い工期で設計と工事を行うために、設計者と施工者がタッグを組み、設計から工事までを一貫して行う「デザインビルド」という方式で発注されました。市の目指す学校像はもちろんのこと、設計期間中に文部科学省より公表された「新しい時代の学びを実現する学校施設の在り方について」という報告書を受け、発注者・設計者・施工者そして学校が一体となって、子どもたちが一日の大半を過ごすことになる新たな環境の在り方について深く議論し、稲築東義務教育学校を実現しました。最も大きな特徴は、学校の中心に「メディアコモンズ」という吹抜け空間をもつ図書スペースであり、通路であり、発表の場であり、学習の場としても機能する共用部をつくったことです。
さらに、子どもたちにはサイン(学年サイン)製作に関わってもらい、学校づくりに参加してもらいました。このサインは、在校している子どもたちが、更新できる仕組みとしています。サインづくりがこの学校の伝統になって受け継がれていくことを期待しています。前述したように、本プロジェクトは、様々な方々との協働により出来上がったものと強く感じています。関係者の皆様には改めて深く感謝申し上げます。これからも、子どもたちの生活や成長をイメージしながら、そしてエンドユーザーを含めた様々な人たちと一緒につくっていく姿勢を強く意識しながら、「学びの場、ひとづくりの場」を生み出していきたいと考えています。

【建築概要】
名称:嘉麻市立稲築東義務教育学校
所在地:福岡市嘉麻市平1536番地
建築主:福岡県嘉麻市
設計者:久米設計
施工者:(建築)鴻池・平嶋JV(空調・排水)日比谷総合設備・(電気)三栄電気工業
延床面積:12,085.79平方メートル
階数:地上3階
構造:(校舎棟)RC造一部S造 杭基礎 (アリーナ棟)RC造一部S造 直接基礎
竣工:2024年6月
受賞:日本コンクリート工学会賞 作品賞、グッドデザイン賞2024、ウッドデザイン賞2024、日本サインデザイン賞 入選+九州地区デザイン賞、T1グランプリ2023 LVL賞、木材利用推進コンクール優秀賞

【設計コンセプト】
ひとづくりの場としての義務教育学校
心身ともに成長の著しい義務教育の9年間を一貫して過ごす学校として、「多様な生活・学習環境」の実現と「異学年交流」を促す様々な仕掛けにより、コミュニケーション力と自主性を育む「ひとづくりの場」の創出を以下の方針に基づいて目指しました。
・9年間の学年割(4-3-2制)に合わせて、低学年は1階、中・高学年は3階とし、中間の2階に全学年が利用する図書スペースや特別教室、アリーナを配置することで、日常的な移動による異学年交流を増やす階層構成とする。
・廊下のない平面構成により、学校の中心に図書を核とした共用空間「メディアコモンズ」をつくり、様々な形で利用できる場所や出会いの機会を増やし、これまでの学校にはない新たな環境を生み出す。
・学年ごとのユニット、そしてそれらをまとめる低・中・高学年(4-3-2制)のラウンジ、さらには全学年が利用するメディアコモンズと段階的な構成とすることで、学習形態に合わせた学習空間を形成する。
・子どもたちや教職員が自分たちの学校として愛着感を育むことができる、仕掛けづくりを行う。


メディアコモンズ2階/メディアコモンズの核となる図書エリア。廊下の機能を兼ねており、日常的に様々な年代の子どもが行き交う姿が見られる。


メディアコモンズ吹抜け/全階をつなぐ3層の吹抜け空間。図書や発表の場としてだけではなく、日常の移動空間としても機能している。


普通教室/今回考案した、仕上材と構造材、型枠材を兼用した「LVLプレキャスト化粧型枠」を使用した普通教室。地震時の天井落下に配慮した、安全で温かみのある木質化教室を実現。


学年サイン/高学年が低学年を指導して、子どもたちが着色した手づくりの学年サイン。


発表ステージ日常/休み時間には、子どもたちが集まり、思い思いの使い方をしてコミュニケーションを取っている。


発表ステージイベント/学年を問わず様々な発表が行われている。今までは教室内で行われていた活動を皆が見ることができる。教職員の会議もこの場で行われている。


【会社概要】
株式会社久米設計
「豊かさ」を拓く。私たちは「豊かさ」とは何かを真剣に考える多様な個性の集合体です。地域・人を大切に、未来を見据えた新たな価値を創造していきます。
1932年の創設以来、数多くの都市、建築の設計を手掛けてきました。技術とデザインの融合を追求し、人と社会への貢献を目指す企業です。本社を東京都江東区潮見に構え、社員数約650名(約450名の資格を有する専門家)を擁し、国内外の幅広いプロジェクトに取り組んでおります。持続可能な社会の実現へ、技術とデザインで貢献してまいります。

URL:https://www.kumesekkei.co.jp/
所在地:東京都江東区潮見2-1-22
代表取締役社長 藤澤進

【久米設計Instagram】
https://www.instagram.com/kumesekkei/

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