機能表示制度が設けられている「保健機能食品」が中心の市場であり、その中でも機能表示の程度により3つに区分される
健康食品の市場をみていくにあたっては、食品の効果の表記方法が定められている「保健機能食品」を理解することが重要である。各商品の概要は次の通りである。
・特定保健用食品:消費者庁長官の許可を要し、商品そのものの効果を積極的に表記することが可能
例) 「本品は、脂肪分解酵素を活性化させるケルセチン配糖体の働きにより、体脂肪を減らすのを助けるので、体脂肪が気になる方に適しています。」
・栄養機能食品:国が定めた基準を満たせば特に届け出がなくとも、栄養素・成分の効果のみを表示することが可能
例) 「カルシウムは骨や歯の形成に必要な栄養素です。」
・機能性表示食品:消費者庁長官の許可は要さず、届出により、事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示することが可能。
例) 「本品にはDHA・EPAが含まれます。DHA・EPAには中性脂肪を低下させる機能があることが報告されています。」
保健機能食品制度の存在から、他の食品と比べてプロモーションに制約が多い。素材の流行り廃りも激しい
保健機能食品に限らず、健康食品全般における特徴として次のようなことが挙げられる。
・保健機能食品制度により、他の食品と比べプロモーションに制約がある。そのため、テレビ通販や訪問販売によって商品の詳細な説明をおこなったうえで消費者へ訴求することが多い。
・メーカーが、高いマーケティング費用や研究開発費を回収する必要があること、比較的価格競争が起こりにくいことから、総じて単価が高い。
・取扱い企業数の多い安定したロングセラー素材(青汁など)もあるが、基本的に素材の流行り廃りは激しい。また当該事業者でない会社でも、健康被害等の商品の不具合、虚偽表示等のメーカーの不祥事、あるいは風評被害の影響を、業界全体として受けやすい。
・1企業当たりの取扱商品の種類数は比較的少なく、主軸となる1つか2つのヒット商品を柱としている企業が多い。