紙・板紙に大別され、古紙回収率は80%、リサイクル率は64%。物流効率が悪いため、物流コストの削減が課題
製紙業界の製品は紙と板紙に大別される。厳密な区分はないが単位面積当たりの質量が軽いものが紙、重い物が板紙とされる(厚い、腰があるものが板紙)。生産量の比率は紙と板紙で6:4程度となっており、紙では印刷・情報用紙、新聞用紙、板紙では段ボールの用途がメインとなっている。
製品の特徴としては、リサイクルが一般的になっている点が挙げられる。国内の紙・板紙の古紙回収率は80%を越えており、世界でもトップレベルの回収率である。また再使用される古紙利用率は64%であり、特に段ボールを含む板紙は90%以上のリサイクル率である。古紙のリサイクルは加工工程が複雑ではあるが、技術の発展と共に効率化されてきており、原材料の安定調達から国際競争力の強化にもつなげられるため、各社ともに注力している。また、紙・板紙の特徴として物流コストが大きい点も挙げられる。特にパルプや段ボールなど、空洞の大きい製品に関しては物流効率が悪いため、産地消費が一般的である。このことからも、パルプの製造から製品までを一貫して手がけることは効率化につながるといえる。また、段ボールの工場は大口ユーザーに近接した立地に構えるなど、物流コストの削減も各社が注力する領域である。