電化製品はコモディティ化し、差別化が困難に
家電量販店の主な取扱い商品は、経済産業省の「専門量販店販売統計」によると、テレビやBD・DVD機器などの”AV家電”、パソコン・ゲームなどの”情報家電”、携帯や電話機などの”通信家電”、ビデオカメラ・デジカメなどの”カメラ類”、冷蔵庫や洗濯機、エアコンなどの”生活家電”、それ以外の家電製品の”その他”に大別される。
家電製品の歴史は、古くは家事の労力を減らす冷蔵庫や洗濯機などの白物家電の普及から始まる。発売当初は”三種の神器(洗濯機、冷蔵庫、白黒テレビ)”とまで呼ばれ、家計支出の多くを占めていた。しかし現在では白物家電市場は飽和状態となってコモディティ化しており、娯楽家電と呼ばれるデジタル家電や音響映像家電の消費比率が高くなっている。相対的に白物家電の購入額は減少し、現在では「壊れたら買い替える」といった消費スタイルとなっている。
家電製品の特徴として、昨今は技術的に成熟した商品分野が多いため、機能・性能による差別化が難しい。特に白物家電では、斬新な新機能や高付加価値よりも、必要な機能が過不足なく備わっている合理的な価格の商品が選択されやすい。メーカーの商品差別化努力も、消費者の視点からは大きな違いを見いだせなくなりつつある。そして一般的に小売店ごとの扱い商材の違いは少なくなっており、どの店舗にも同じような商品が並ぶようになっている。
大手家電量販店は、取扱い商品の幅が広がり続け、「よろず屋」化
大手家電量販店が取扱う商品の幅は拡がり続けている。量販店は大規模化する中で、多種多様なメーカーの製品を取りそろえるだけでなく、おもちゃやゲーム機器の他にも飲料、酒やくすりなど、様々な生活用品を取り扱うことで消費者の来店頻度を上げようとしている。また小売事業以外にも、修理などのサポートサービスや通信回線契約などの代理店業、太陽光発電システムやオール電化などの住宅設備販売、リフォームといった住宅関連事業にも進出している。