船舶は用途・貨物の内容により分類できる。耐用年数は一般的に20~25年であり、定期的に修繕需要が発生する
船舶はその種類により、大きく商船、漁船、軍艦、特殊船に分けることができる。商船はその貨物内容によってさらに分類でき、ガスを運ぶLPG/LNG船、ベンゼンやアルコールなどの化学物質を運ぶケミカル船、原油を運ぶタンカー、穀物や石炭などをバラ積みするバルカー、コンテナを運ぶコンテナ船、そして客を運ぶ客船などに分けられる。いずれの船舶においても貨物内容に応じた設備を搭載しており、温度管理・圧力管理の必要な船舶ほど技術力が必要となる。また船舶は波の影響を直接受けるため、流体計算等の高度な設計が必要となってくる。特に、波により船体全部が浮き海面にたたきつけられるスラミングという現象など、巨大船舶を破壊し得る特有の現象もあるため、貨物を安全に運ぶための設計やシミュレーションは重要視されている。なお船舶の耐用年数は20~25年であり、商品の購買サイクルは非常に長いことから、修繕メンテナンスが定期的に発生する。
そもそも船舶の製造(=造船)は労働集約的で自動化し難い仕事も多く、部品や機材を組み上げるには熟練の技を要することが多い。例えば船体の溶接は技術者がおこなうことになるが、その際は浸水しないための正確な溶接が要求される。また船体の鉄板の曲げ作業も材料や図面により曲げ具合を調整する必要があるため高度な技術を要する。