アウトソーシング

企業の間接部門の委託を受け、代行サービスを提供する業界。多種多様な分野が存在しているが、いずれも労働力の提供が価値

BPO（Business Process Outsourcing）は、産業横断で「高度ではないが従来は外部化されていなかった業務」の代行をおこなうサービス

　アウトソーシング業界のサービスの特徴を説明するうえで、まず多様に存在する広義のアウトソーシングの諸領域の位置づけを明確にしたい。広義でのアウトソーシングは大きく産業横断と産業特化に大別される。産業特化のアウトソーシングは物流や製造委託など、従来から外部化が進んでいる業務である。産業横断は近年拡大しているITO、KPO、BPOに分けられる。ITOは主にシステムインテグレーター等が手がける情報システムのインフラ構築・運用をおこなうサービス、KPOはコンサルティング業や弁護士や会計士といった専門的な知識を必要とするサービスである。本アウトソーシング業界の対象領域はBPOと呼ばれるバックオフィス業務のアウトソーシングとなる。このバックオフィス業務は多くの企業が従来社内に抱えていたものであるが、近年のBPOの一般化にともなって委託が増加している。

多数乱戦業界であり、中小企業でも成長余地が大きい。ITOやKPOなどの他のアウトソーシング業が代替業界として存在し、技術による脅威も大きい

KFS：提案力強化のための人材確保、コスト優位、業務範囲の拡大

コストに占める人件費が大きい構造。安全性が高く、少ない資産で効率的に売上を伸ばすことに成功している

政府によるBPO推進の動き、日本特有の労働慣習に影響を受ける。またIT活用の進展によってアウトソーシングの垣根はさらに低くなっている

総合商社や異業種大手による出資が多く、グループ企業の業務を横断的に請負うのが狙いのSSC（シェアードサービスセンター）もみられる。近年は業務の幅を拡げる買収・提携が相次ぐ。アクセンチュアと日本IBMは国内でも存在感を発揮

イオンディライト：施設管理のトータルソリューションを提供。急速に事業領域を拡大しており、M&Aによる顧客基盤の拡大も続き、更なる成長が期待される。新型コロナの影響で一部事業は収益減。

ベネフィット・ワン：会員制割引サービスを福利厚生として提供しており、ストック型ビジネスのため利益率が非常に高水準。”サービスの流通創造”によって優位性を築く