あらゆる産業の物流基盤を支える基幹産業。労働集約型の業界で、人手不足や高齢化が深刻
運輸産業の2024年の名目GDPは33.1兆円、全産業の5.3%を占め、あらゆる産業の物流や人の移動を支える基幹産業である。コロナ禍の影響で2020年は大幅に落ち込んだが、回復が進んでいる。2025年12月の就業者数は352万人で、全産業の5.1%を占めている。典型的な労働集約型産業で、特にトラック運送業の就業者数が多い。
トラック運送業ではドライバーの深刻な人手不足が続いており、長時間労働の是正や労働環境の改善によりドライバーの負担軽減を図っている。また、インターネット通販の利用拡大で宅配便取扱個数は伸びているが、企業間の貨物輸送量は減少傾向にあるなど、物流の構造にも変化が生じている。
旅客輸送においては、近年はインバウンドの増加により需要が高まっている一方、バス・タクシー運転手の高齢化や人手不足が顕著である。人口減少や内需の縮小などを背景に、貨物・旅客輸送量は長期的には緩やかな減少傾向が続く可能性が高い。