2022/02/17

MP2110Aサンプリングオシロスコープのクロックリカバリ機能を強化

アンリツ 株式会社 

MP2110Aサンプリングオシロスコープのクロックリカバリ機能を強化

2022/02/17
64GFC(64G Fibre Channel)PAM4光モジュール製造ラインのコスト削減に貢献

アンリツ株式会社(社長 濱田 宏一)は、BERTWave MP2110Aのサンプリングオシロスコープ機能を強化するため、光信号評価に必要なクロックリカバリの動作レートを拡張する25Gクロックリカバリレンジ拡張オプション(MP2110A-059)を開発しました。2月17日から販売いたします。

本オプションにより、Fibre Channel[※1]規格に適合した64GFC PAM4[※2]光モジュール[※3]の光波形を、クロック信号が無い環境下で評価可能となります。 この機能強化により、64GFC PAM4光モジュールの品質確保と製造ラインの簡素化、コスト削減に貢献いたします。

開発の背景

現在、5GやIoTの普及を背景に通信トラフィックの増強が求められており、これらのトラフィックを支えるために世界的にデータセンター増設が進んでいます。Intra-DC(データセンター内)のネットワークでは、ラック間、サーバーとストレージ装置間などを接続するために、さまざまな光ネットワークが構築され、求められる光通信速度やインタフェースが異なります。これらIntra-DCのネットワークを支えるインタフェースの1つである64GFCは、すでに規格化が完了しているため、2022年から本格的に普及することが期待されています。今回開発したMP2110A-059は、これらの市場要求を満たすため、64GFC光モジュールの測定をサポートしました。

またEthernetでは400GbEの導入からNRZ[※4]に代わってPAM4変調が採用され、Fibre Channelでも同様に64GFCからPAM4変調が採用されました。こういった技術的な傾向がある一方で、PAM4変調ではNRZより性能マージンが少ないため、高確度な評価が求められます。

高確度な測定を実現するためには、被測定信号からクロック信号を抽出して測定する「クロックリカバリ」が必要になりますが、アンリツは400GbEに続き64GFCでもクロックリカバリ機能を開発し、正確な測定を実現しています。

製品概要

BERTWave MP2110Aは、通信信号の波形評価に使用されるサンプリングオシロスコープと、ビットエラーレート測定を行うBERTを1台に搭載可能な測定器です。サンプリングオシロスコープはチャネル数などを選択することで多彩なシステムアップが可能で、必要な試験環境を柔軟かつ最適なコストで構築できます。高速な4チャネルの一括測定やパラレル測定では、製造現場でのスループットを改善できます。

MP2110Aについてもっと詳しく

対象市場・用途

対象市場
光モジュールと光伝送装置の製造市場
用途
データセンター、コアメトロネットワーク、4G/5Gモバイルバックホール、5Gモバイルフロントホールで利用される25G~400Gの光モジュール、光ケーブルおよびそれら構成部品の物理層性能評価
  • 伝送規格:Ethernet、eCPRI/RoE、CPRI、SDH/SONET、OTN、InfiniBand、Fibre Channel
  • 光モジュール:CFP2/4/8、SFP28、SFP56、QSFP28、QSFP56、OSFP、QSFP-DD
  • ケーブル:Active Optical Cable(AOC)、Direct Attach Cable(DAC)
  • デバイス:TOSA、ROSA、High-Speed Optical Engine、PHY、Driver IC

用語解説

[※1] Fibre Channel
コンピューターと周辺機器間のデータ転送方式の一つであり、高性能サーバーとストレージ装置を相互接続したSAN(Storage Area Network)の代表的な規格。これまで1GFC(1Gbps)から64GFC(28.9Gbaud)までの規格化が完了している。
[※2] PAM4
Pulse Amplitude Modulationの略。振幅変調により伝送容量を向上させる方式。PAM4では、1タイムスロットの中に4レベルで2ビットの情報を伝達できる。
[※3] 光モジュール
高速データ通信で使用されるホットプラグ可能な光トランシーバ。光トランシーバは電気信号と光信号を相互変換する。装置と接続する側は電気信号、光ファイバーケーブルで接続する側は光信号により伝送される。
[※4] NRZ
Non Return to Zeroの略。デジタル信号を伝送する方式の一つ。

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