高精度バイタルセンシング電極用銀ペーストを開発
住友ベークライト 株式会社高精度バイタルセンシング電極用銀ペーストを開発
2022年6月1日
住友ベークライト株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:藤原一彦)は、高引裂き耐性シリコーンゴムDuraQ®(デュラック®)をベースレジンとした銀ペーストを開発しましたのでお知らせいたします。
ミツフジ株式会社(本社:京都府相楽郡精華町、代表取締役社長:三寺歩)との共同開発により、銀めっき糸からなる導電布と当社銀ペーストを組合わせることで体動ノイズが非常に小さい高精度バイタルセンシングが可能であることが実証されました。
開発の背景
近年、消費者の健康意識の変化や需要に合わせ、バイタルデータを計測できる機能を備えたウェアラブルデバイスが登場し、日常的に活用されています。しかし、これまでウェアラブルデバイスの多くには「体動に起因したノイズ」の影響を受けやすいという課題があり、精度の高いバイタルデータを取得することは難しいとされてきました。
当社では、オリジナルのシリコーンゴムをベースとした高引裂き耐性のあるシリコーンゴムをベースとした導電性銀ペーストを伸縮配線用として開発を続けて参りました。
また、当社銀ペーストは、生体適合性がありストレッチャブルな配線が描け、導電性が良く比抵抗が10-4Ω・cm台という特長を有し、洗濯耐性もあるため、ウェアラブルバイタルセンシング用に注目されています。
この度、ミツフジ株式会社の協力のもと銀めっき糸からなる導電布と組み合わせることで、これまでのドライ電極では成し得なかった非常に低ノイズの心電波形が体動時(歩行中など)でも測定できることが実証されました。
開発品について
高引裂き耐性シリコーンゴムDuraQ®(デュラック®)は、当社オリジナルの処方技術により通常のシリコーンゴムが持つ特性に加え、低硬度(30A)で引裂き強度平均39.1N/mmと世界最高水準の非常に強い高引裂き強度を持ち合わせます。
強靭で耐摩耗性にも優れ、硬度は30A~70Aまで幅広いタイプに対応しており、生体適合性を備えます。
このシリコーンゴムをベースレジンとしてペースト化したものが開発品となります。プレーンタイプが絶縁性ペーストとなり、銀粉など導電性微粒子を配合したものが導電性ペーストとなります。
ウェアラブル心電計電極としての用途
ミツフジ株式会社の製品である銀めっき糸からなる導電布と当社銀ペーストを組合わせて作製した電極(以下「新電極」)を例えばウェアラブル心電計として使用することで、体動ノイズが非常に小さい心電波形を測定することができました。 |
歩行時実測データ(ノイズ1.6%) |
このように体動時でも補完加工されない生データとして心電計測ができるため、日常生活をしながら連続して心電測定が可能となり、医療用としても活用が期待できます。また、この新電極はリネン洗濯耐性を有することも実証しています。
想定される用途分野
- 運送、建築現場など各種暑熱ワーク
- 操縦士、運転士、キャビンアテンダントなど心労を伴うワーク
- スポーツ
- 医療、介護
- 自動車
- IoT、メタバース
ミツフジ株式会社について
本社 | : | 〒619-0237 京都府相楽郡精華町光台1丁目7 けいはんなプラザ ラボ棟13階 |
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業務内容 | : | 銀めっき導電性繊維AGposs®及びウェアラブルIoT hamon製品の開発・製造・販売 医療機器の製造・販売 http://www.mitsufuji.co.jp |
- 本リリース内の測定値や数値、表記は代表値または一例であり保証するものではありません。
高精度バイタルセンシング電極用銀ペーストを開発(PDF: 605KB)
関連情報
柔軟伸縮電極・配線材料DuraQ®
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