2023/04/14

当社関係会社における品質不適切行為に関する調査結果について

三菱電機 

2023年4月14日
三 菱 電 機 株 式 会 社

当社関係会社における品質不適切行為に関する調査結果について

三菱電機株式会社は、「当社における品質不適切行為に関する原因究明及び再発防止等について(総括)」(2022 年 10 月 20 日)にて公表の通り、当社関係会社における品質不適切行為に関する調査を進めてまいりましたが、その結果についてお知らせします。



1.調査結果

(1)対象会社及び調査手順

対象会社:当社の国内関係会社のうち、出資比率 50%超で、かつ品質不適切行為が発生した当社製作所と関連があり、開発・設計・製造・据付・保守事業を営む 41 社。

調査手順:①当社品質改革推進本部が、2022 年 10 月に公表した当社調査結果をもとに策定した「自己診断チェックシート」により、41 社各社が自己診断(一次診断)を実施。

②当社(品質改革推進本部と関係会社管轄の各事業本部の合同チーム)が各社と対面で自己診断結果の相互確認(二次診断)を実施。

③診断結果から品質上のリスクを有する可能性があると判断した 16 社については、当社が従業員に対してアンケート調査(対象者 7,271 名、回答率 89%)及びヒアリングを実施し、要調査事項を抽出の上、不適切行為の有無等を調査。

(診断結果から今回リスクが低いと判断した 25 社には当社の品質風土改革施策を水平展開しており、今後、品質診断手法の改善を図る観点からもアンケートを実施。)

④調査結果について、当社における調査活動の調査委員会に参画した西村あさひ法律事務所が各案件の妥当性・適正性を確認。

なお、今回の診断・調査方法等については、事前に西村あさひ法律事務所に指導・監督いただいております。

(2)結果

16 社の従業員に対するアンケート及び従業員へのヒアリング時の新たな申告から、合計384 件の要調査事項を抽出し、全ての調査を終了しました。今回、16 社中 5 社において計 12件の不適切行為が確認されました。いずれも顧客等との契約に関わる問題で、安全性への影響はありません。また、製品に関わる法令違反、規格違反は確認されていません。

概要は表 1 に示すとおりです。

表 1 関係会社における品質不適切行為の概要

会社名 不適切行為の概要

社会システム事業本部管轄

三菱電機社会インフラ機器(株)

①一部の顧客向け制御装置の伝送確認試験において、試験環境の制約により、顧客へ事前報告していた試験仕様とは異なる方法で実施

➡別の試験にて製品としての性能検査を実施し、安全性に影響がないことを確認している。今後、順次顧客へ説明予定。

電力・産業システム事業本部管轄多田電機(株) ①品質改善を目的としたガス冷却器洗浄方法変更に関する顧客申請忘れ。

➡洗浄後の検査基準を満たしており、安全性に影響がないことを確認

している。今後は洗浄方法に関する客先仕様書の記載を、従来の方法よりも品質改善となる現在の方法にあわせ変更申請を実施予定。

FA システム事業本部管轄

甲神電機(株) ①特定顧客向け電流センサの定期検査において、契約で定める定期検査項目の試験が一部未実施。

➡出荷検査では契約に則した内容で全数実施し、安全性に影響がないことを確認している。今後の対応は顧客と協議の上、決定。

②特定顧客向け電流センサの抜き取り耐電圧試験において、契約と異なる台数で実施。

➡出荷検査は全数実施し、安全性に影響がないことを確認している。

既に是正済みで、現在は契約に則した内容にて試験を実施。

自動車機器事業本部管轄

(株)デービー精工 ①車載用アクチュエータの組立品の寸法管理値を、契約と異なる値に緩和。(当社調査の過程で当社三田製作所指示であることが判明)

➡製品としての性能検査は全数実施し、安全性に影響がないことを確認している。現在、顧客と協議中。

②車載用アクチュエータにおいて、図面と異なる鉄系プレス材を使用。

➡鉄材の強度は正規材料に対し同等以上であり、製品として安全性への影響はないことを確認している。今後、顧客への変更申請を実施予定。

③車載用アクチュエータの製造に用いる測定器において顧客が要求する正確性評価の結果について事実と異なる値を記録。IATF16949 についての認証機関による監査において、事実と異なる内容が記載された設備の定期点検の記録を提示した可能性がある。

➡測定器の校正を定期的に実施しており、安全性に影響がないことを確認している。今後、顧客等へ報告予定。

④車載用アクチュエータのバラつき管理の結果について、事実と異なる値を記録し、IATF16949 についての認証機関による監査において、当該記録を提示した可能性がある。

➡製品としての性能検査は全数検査を実施し、安全性に影響がないことを確認している。今後、顧客等へ報告予定。

⑤車載用センサにおいて、契約と異なるはんだ材料で生産(過去の社内点検で当社姫路製作所指示であることが判明)

➡変更前後の材料成分には変化なく、社内評価も実施済であり、安全性に影響がないことを確認している。今後、顧客へ材料追加等の申請を実施予定。

⑥車載用センサの抜取検査において、検査設備故障による一定期間の検査不可/代替検査に対する顧客申請忘れ。

➡今回の抜取検査の内容は、本来、製品製造初期時期に実施する項目で、製品としての性能検査は全数実施しており、安全性に影響がないことを確認している。今後、顧客へ抜取検査方法の内容について相談予定。

⑦車載用バルブの溶着強度を契約と異なる値に緩和。

➡製品としての性能検査は全数実施し、安全性に影響がないことを確認している。現在、顧客と協議中。

姫菱テクニカ(株) ①車載用電動パワステアリングモータの生産設備稼働時の動作確認において、規定の判定自体は実施していたものの、管理値として事実と異なる数値を記録。

➡性能検査・外観検査は全数実施しており、安全性に影響はないことを確認している。今後、顧客へ報告予定。

順次、お客様に説明のうえ対応策を相談させて頂いております。また再発防止策についても進めております。

このほか、当社と関係会社間の契約違反が 16 件ありますが、いずれも当社と顧客との関係では問題がありません。また、今回の調査の過程で、当社における顧客との契約に関わる品質不適切行為(異音検査未実施)が 1 件判明しましたが、2009 年 12 月に恒久対策措置済みです。

2.今後について

今回の調査で判明した当社関係会社における品質不適切行為はいずれも契約違反案件で、「当社における品質不適切行為に関する原因究明及び再発防止等について(総括)」(2022 年 10 月20 日)等で公表した当社製作所における品質不適切行為と同様、主に現場に生じさせてしまった問題と考えております。

したがって、今後は、当社が推進する品質風土改革・牽制機能の強化策を関係会社にも水平展開・浸透させていきます。また、その一環として、水平展開を先行実施している 25 社に対してもアンケート調査を行い、品質診断手法の改善に活かします。今回実施した品質診断を海外を含むその他の関係会社に継続的に実施していきます。その対応状況については、3 つの改革の進捗に含めて、当社ホームページ等で開示してまいります。

一連の品質不適切事案により、多大なるご心配とご迷惑をお掛けしましたことをあらためて心よりお詫び申し上げます。今回の品質不適切事案を踏まえ、確かな品質で社会に貢献するという基本姿勢の下、信頼回復に向けた変革に全力で取り組んでまいります。

なお、今回の当社関係会社における品質不適切行為による当社連結業績への影響は軽微であり、公表している連結業績見通しの変更はありません。業績に関して開示すべき事項が発生した場合には、速やかにお知らせします。

以上

公式ページ(続き・詳細)はこちら
https://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2023/0414.pdf

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