2023/05/12

木質由来エタノール・糖液パイロット設備導入のお知らせ

王子ホールディングス 株式会社 

2023年5月12日
王子ホールディングス株式会社

木質由来エタノール・糖液パイロット設備導入のお知らせ

王子ホールディングス株式会社(社長:磯野裕之、本社:東京都中央区)は、王子製紙株式会社(社長: 船田髙男、本社:東京都中央区)米子工場への、木質由来エタノール・糖液のパイロット製造設備導入を決定いたしましたことを、お知らせいたします。

石油由来の燃料やプラスチックをバイオマス由来に置き換え、社会の脱炭素化に貢献すべく、当社は、持続可能な森林経営で得られる木材を活かした、「木質由来の新素材」の開発を進めています。中でも、 航空業界向けSAF*1や、化学業界における基礎化学品製造に利用できる「木質由来エタノール」、様々な バイオものづくり*2の基幹原料となる「木質由来糖液」のニーズ拡大が見込まれます。

当社は、木質由来エタノールについて、2018年までNEDOプロジェクト*3に採択を受け、製造技術を磨いて参りました。また、糖液についても、糖化酵素の回収を含む独自技術の開発に成功し、現在、サンプルワークを通して、多くのユーザー様にご評価を頂いております。

今回、パイロット製造設備を導入し、実用化を見据えたユーザー様に対して、大量のエタノール・糖液提供を実施するとともに、継続した技術改良を行い、将来の事業化(2030年時目標:エタノールとして10万kL供給)に向けた取り組みを加速させて参ります。

なお、製紙工場内に設置することにより、既存のパルプ製造ラインが活用できることに加え、工程から 副産物として得られる「リグニン」をバイオマスエネルギーとして利用可能です。これにより、二酸化炭素 発生量を抑えたエタノール製造、糖液製造も期待できます。

当社は、今後とも、木質由来の新素材開発を通じ、持続可能な社会の実現に貢献して参ります。

■パイロット設備計画概要

立地: 王子製紙株式会社 米子工場
能力: ①木質由来エタノール 最大1,000kL/年 (重量換算820t/年)
②木質由来糖液 最大 3,000t/年 (糖の乾燥重量として)
原料使用量: 木材チップとして約6,000 t/年、木材パルプとして約3,000t/年
稼働時期: 2024年度後半

*1 持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel) 航空業界の脱炭素の切り札とされる燃料。
*2 バイオマス由来の糖を原料に、有用物質の生産性を高めた微生物(スマートセル)を用いて、プラスチック、ゴム、繊維、燃料などを産生するものづくりのこと。
気候変動をはじめとした社会課題の解決と経済成長の両立を可能とするイノベーションとして注目が集まっている。
*3 セルロース系エタノール生産システム総合開発実証事業(2015年4月-2018年3月)

本件に関する問い合わせ先
王子ホールディングス株式会社
イノベーション推進本部 戦略企画部 TEL:03-3533-7128 Email:inv@oji-gr.com
広報 IR 部 TEL:03-3563-4523 Email:oji-holdings@oji-gr.com

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