クリニカルフローサイトメトリーシステムを日本で発売~フローサイトメトリー(FCM)検査の効率化・標準化を実現~
シスメックス 株式会社ニュースリリース
2023.05.18
クリニカルフローサイトメトリーシステムを日本で発売
~フローサイトメトリー(FCM)検査の効率化・標準化を実現~
シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役社長:浅野 薫)は、北米、欧州、アジア・パシフィック地域に続き、2023年5月より日本国内において、クリニカルフローサイトメトリー※1システム「フローサイトメーター XF-1600」、「検体前処理装置 PS-10」、および抗体試薬等の関連製品を発売します。モノクローナル抗体※2試薬とあわせて活用いただくことにより、白血病や悪性リンパ腫など血液疾患の診断・詳細解析などを行うクリニカルFCM検査の検体前処理から測定結果入手までの測定フロー全体の自動化が可能となり、検査の効率化・標準化を実現します。
FCMは、微細な粒子を流路に流し、流路を流れる個々の粒子を光学的に分析する技術で、シスメックスの血球計数装置や尿沈渣分析装置の基本原理として採用されています。FCMの技術を用いた測定装置であるフローサイトメーターは、臨床検査などのクリニカル領域に加え、製薬企業や大学でのがん研究や再生医療などのリサーチ領域、食品や飲料の品質管理などのインダストリー領域でも活用されています。クリニカル領域においては、血球計数検査(ヘマトロジー)後の細胞精密検査としてFCM検査が実施されるため、高精度かつ迅速な検査結果の提供が求められます。また、検体や試薬の分注・撹拌操作・試薬反応などの煩雑かつ時間を要する手作業工程が多く、専門的な技能を有した臨床検査技師の日常業務において大きな負担になっていることが医療現場の課題となっています。
シスメックスは、FCM技術のパイオニアで長年にわたり蓄積されたノウハウを有するPartec社(現Sysmex Partec)を2013年に子会社化し、自社の細胞測定技術と融合することで、FCM検査の検査工程を自動化するクリニカルフローサイトメトリーシステムの確立に取り組んできました。
シスメックスはこのたび、北米、欧州、アジア・パシフィック地域に続き、日本国内において「フローサイトメーター XF-1600」、「検体前処理装置 PS-10」および抗体試薬等の関連製品をあわせたクリニカルフローサイトメトリーシステムを2023年5月より発売します。本システムでクリニカルFCM検査における検体の前処理から測定結果入手に至る測定フロー全体の自動化を実現します。これにより、検査の効率化・標準化を実現するとともに、臨床検査技師は作業負担が軽減され、より高い専門性を必要とする測定結果の分析・解析に注力することが可能となります。
今後、クリニカルフローサイトメトリーシステムを提供する地域をさらに拡大するとともに、ヘマトロジー分野とのシナジーの最大化を目指します。
【製品の概要】
一般的名称: | フローサイトメータ | ||
販売名: | フローサイトメーター XF-1600 | ||
製造販売元: | シスメックス株式会社 | ||
対象市場: | 日本 | ||
販売時期: | 2023年5月 | ||
一般的名称: | 検体前処理装置 | ||
販売名: | 検体前処理装置 PS-10 | ||
製造販売元: | シスメックス株式会社 | ||
対象市場: | 日本 | ||
発売時期: | 2023年5月 |
【外観】
クリニカルフローサイトメトリーシステム | 抗体試薬(研究用) |
【参考】
2019年8月6日リリース『フローサイトメーターを用いた臨床検査業務の効率化を支援する前処理装置「Sample Preparation System PS-10」を北米で発売』 | ||
2020年6月17日リリース『「Flow Cytometer XF-1600」を北米に発売 ~FCM検査における測定フローの効率化・標準化に貢献~』 https://www.sysmex.co.jp/news/2020/pdf/200617.pdf |
【注釈】
※1 | フローサイトメトリー(FCM): 微細な粒子を流体中に分散させ、その流体を細く流して、個々の粒子を光学的に分析する手法のこと。主に細胞を個々に観察する際に用いられる。 | |
※2 | モノクローナル抗体: 単一の抗体産生細胞に由来するクローンから得られた抗体分子。通常のポリクローナル抗体は抗原で免疫した動物の血清から調製するために、いろいろな抗体分子種の混合物となるが、モノクローナル抗体では分子種が均一である。 フローサイトメーターとヒトCDマーカーのモノクローナル抗体を組み合わせてヒト血液を解析することにより、免疫に関与する特定の細胞集団を解析でき、ヒトの免疫状態を把握することができる。 |
【シスメックスのマテリアリティ】
シスメックスは、優先的に取り組むべき課題(マテリアリティ)の一つに「健康社会への新たな価値創出」を特定し、イノベーションを通じた医療課題解決に取り組んでいます。一人ひとりのヘルスケアジャーニーがより良いものになるよう、さまざまな協創を通じて新たな価値を提供し、社会にとって不可欠な存在として成長していくことを目指します。 | |
以上
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