2023/05/26

鉄軌道旅客運賃の改定を申請しました

名古屋鉄道 株式会社 

23-05-26

鉄軌道旅客運賃の改定を申請しました

名古屋鉄道は、2024 年 3 月(予定)の実施に向けて、本日 5 月 26 日(金)国土交通大臣宛てに鉄軌道旅客運賃の変更認可申請を行いました。

当社が主な事業エリアとしている中京都市圏は、三大都市圏の中では人口密度が低く、マイカー保有率も高いことから移動における公共交通の分担率が低水準であり、鉄軌道事業としては従前から厳しい環境にありました。そのような中、1995 年の運賃改定以来、消費税率変更に伴う運賃改定を除き、運賃を据え置いて事業を行ってまいりましたが、新型コロナウイルス感染症によるテレワークなど新常態の定着やマイカー通勤をはじめとした他の輸送モードへの転換による通勤利用者の減少等により、輸送需要はコロナ前水準に戻らない見込みであるとともに、電力料金や資材価格の高騰による経費増加の懸念もあり、厳しい状況は今後も継続する見込みです。

一方、鉄軌道事業を継続し、永く社会に貢献し続けるためには、安全・安心・安定輸送の確保に必要な既存設備の更新に加え、社会環境の変化に合わせた投資が必要不可欠となります。

今後も構造改革による経費の削減などに継続して取り組んでまいりますが、新常態の定着や経費増加が懸念される状況の中において、事業継続に必要な対応を着実に実施していくために、不足する費用の一部についてお客さまにご負担をお願いするため、運賃改定の申請を行いました。なお、申請運賃の認可後、特別車両料金改定の届出を予定しています。

主な内容は下記のとおりです。



1.改定概要

初乗り
運賃
改定率
※括弧内は増収率
定期割引率
普通 運賃
通勤 定期
通学 定期
定期

合計
通勤 定期
通学 定期

現行
170 円





45.1%
82.2%
申請
180 円
10.5%
(9.3%)
11.6%
(10.6%)
0%
(0%)
9.3%
(8.5%)
10.0%
(8.9%)
44.6%
84.3%
・普通運賃でご利用の多い 7km までの区間は改定率を抑えます。
・通学定期は、家計負担に配慮し運賃を据え置きます。
(通勤定期・通学定期の割引率は、大手民鉄で最も高い率となります。)
・知多新線、豊田線、羽島線、空港線に設定している加算運賃は変更しません。
・名古屋本線の一部区間に設定している暫定運賃は、対象区間や設定額を区間ごとに見直し、 認可後に特定運賃の届出を行う予定です。
・過去の駅移設に伴い設定しておりました特定運賃(上飯田駅・西ノ口駅・柳津駅を発着する 一部区間)は、今回の改定に併せて廃止し、通学定期を含め本来のキロ程に応じた運賃を適用します。

2.その他

申請運賃の認可後、特別車両料金改定の届出を予定しています。

現行料金
改定料金

基本料金
360 円
450 円
閑散時間帯割引料金※1
(平日 9 時台~16 時台および土休日全時間帯)
300 円
車内精算料金※2
500 円

※1 閑散時間帯割引料金は、「名鉄ネット予約サービス」での購入を対象に新たに導入します。
(中部国際空港駅発着のご利用は対象外とします。)
※2 車内精算においても座席指定が可能となります。

3.お客さまのお問合せ先

名鉄お客さまセンター TEL:052-582-5151
(平日:8 時~19 時、土日祝 年末年始含む:8 時~18 時)

以上

詳細につきましては、別紙をご参照ください。

1鉄軌道事業の概要

当社は、1894 年の創業以来、「地域価値の向上に努め、永く社会に貢献する」という使命のもと、地域の公共交通を担う企業として、地域と共に歩んでまいりました。

当社の鉄軌道事業は、豊橋、名古屋、岐阜等の各都市を結ぶ名古屋本線を中心に計 20 路線、営業キロ 444.2km、駅数は 275 駅を有しており、愛知・岐阜両県下に広範な交通ネットワークを形成しています。郊外から名古屋都心部への通勤・通学や日々のお出かけのためのご利用、中部地域の空の玄関口である中部国際空港へのアクセス輸送、犬山、岡崎等沿線観光のための移動手段として、中部圏の交通ネットワークを担っています。

2.事業環境

当社が主な事業エリアとしている中京都市圏は、三大都市圏の中では人口密度が低く、マイカー保有率も高いことから移動における公共交通の分担率が低水準であり、鉄軌道事業としては従前から厳しい環境にありました。 当社路線は、名古屋地区への輸送に大きく依存しており、都市部から離れた線区ではご利用の少ない区間も多く、全線の輸送密度は三大都市圏の大手民鉄の中でも最低水準にあり、収益性という部分でも関東圏、関西圏より低く推移しています。さらに、主要の名古屋本線では他社と競合関係にあり、割引での運賃設定や、お得な乗車券をセットした企画商品の販売等の対策をとってまいりました。

輸送人員はリーマンショック以降、製造業が集積する地区を中心に、堅調に通勤定期利用者が推移したことやインバウンド需要拡大に伴う中部国際空港利用者の順調な増加等もあり、2018 年度は 3 億 9 千万人のお客さまにご利用いただいていました。しかし、新型コロナウイルスの影響もあり 2020 年度は 2 億 9 千万人と 25%程度の減少、2021 年度は 3 億 1 千万人と 20%程度の減少となりました。費用削減に努めたものの、鉄軌道事業は 2020 年度・2021 年度の 2 期連続での営業損失を計上しています。今後も、テレワークなど新常態の定着やマイカー通勤をはじめとした他の輸送モードへの転換による通勤利用者の減少等により、コロナ前の輸送水準への回復は難しいと見込んでいます。

3.これまでの取り組み

厳しい事業環境の中、当社は公共交通の使命を果たすべく、安全・安心・安定輸送の提供に加え、お客さまの利便性向上や沿線地域を活性化することによる需要喚起にも取り組んでまいりました。

(1)安全・安心・安定輸送の実現に関する取り組み
①高架化事業
踏切付近での事故の危険性や交通渋滞を減らし、都市機能を向上させるため、国や地方自治体が行う鉄道立体交差化事業などに協調し、工事を積極的に進めてまいりました。現在、大手民鉄では 2 番目となる 50km を超える高架橋延長を有しています。

②災害対策
南海トラフ地震が想定される当社エリアにおいて、被害を最小限にとどめるため、国の省令や指針に基づき、順次、高架橋の耐震対策などを進めています。このうち、橋桁が落下しないようにする落橋防止は、対象となる橋梁桁数(165箇所)につきまして完了しています。

また、事故・災害等が発生した場合に速やかに対応できるよう、さまざまな状況を想定し、警察・消防等関係機関の協力をいただきながら、異常時における対応方について知識・技能の向上に取り組んでいます。

③車両更新
2022 年度末で 1,076 両を保有する車両については、計画的に更新を実施しており、特に、2019 年度以降導入を進めている通勤型車両 9500 系・9100 系については、車内にバリアフリー基準に対応したフリースペースや防犯カメラ、4 か国語に対応した車内案内表示器等を備えています。

また、既存車両の改良も計画的に実施しており、現在行っている 3500 系の改良では電子機器(VVVF 制御装置や補助電源装置)の冗長性を確保するシステム改良を行っているほか、内装更新工事に併せてフリースペースの整備や異常時にお客さまと乗務員の間で会話のできる非常通話装置を設置しています。

④施設・設備の改良、更新
大手民鉄で3番目に長い 444.2km の路線網においても安全で快適な輸送サービスを提供するため、振動や騒音を抑えて乗り心地が良くなるロングレール化、レールの歪みを矯正するマルチプルタイタンパーの更新、変電所や踏切といった電気関連施設の改良等を着実に実施しています。

公式ページ(続き・詳細)はこちら
https://www.meitetsu.co.jp/profile/news/2023/__icsFiles/afieldfile/2023/05/26/unchin2023.pdf

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