2023/03/27

表面改質銅ナノ粒子開発のお知らせ【大陽日酸】

日本酸素ホールディングス 株式会社 

2023年3月27日

表面改質銅ナノ粒子開発のお知らせ

大陽日酸株式会社(本社:東京都品川区 代表取締役社長:永田 研二)は、導電性ペースト・インク用途に向けて、有機溶媒中に均一分散可能な表面改質銅ナノ粒子の開発に成功しましたので、お知らせいたします。

1.背景

銅ナノ粒子は、導電性が高く比較的安価であり、イオンマイグレーション

(※1)耐性が高い

ことから、導電性インクや導電性ペーストのフィラーとして用途開発が行われており、パワー半導体の接合材や MLCC 等の小型電子部品の電極材料用途などでのニーズが高まっています。

導電性インクや導電性ペーストを用いて平滑な電極薄膜や微細な配線を形成するためには、フィラーがインクやペースト中に均一分散している必要があり、有機溶媒中に均一分散可能な銅ナノ粒子が求められています。

当社は、独自開発した酸素燃焼による金属ナノ粒子の合成技術(※2)を有しております。本プロセスで合成した銅ナノ粒子は、平均粒径が 100nm で高純度、高結晶性という特徴がありますが、有機溶媒中で凝集が発生しやすく均一分散が困難であるという課題がありました。

2.表面改質銅ナノ粒子の概要

この度、開発に成功した表面改質銅ナノ粒子の従来品からの改善点と特徴は以下の通りです。

?有機溶媒との親和性が高まったことで、粒度分布が従来品よりも小粒径側にシフトしました。SEM 像からも粒子が平滑に密な状態で積層していることがわかり、分散性が大幅に改善しました。(図 1、図 2)

?一定温度(25℃及び 40℃)大気下で 1 か月間静置しても酸素濃度が変化せず、酸化耐性が改善しました。(図 3)

?焼結温度が高温側にシフトして、焼結ひずみに影響を与える収縮挙動が緩慢となることを確認しました。(図 4)

?焼結後の導電性は、従来の銅ナノ粒子と同等レベルでした。(図 5)

この表面改質銅ナノ粒子により均一に分散した銅ペーストが作成できるようになることに加えて、従来もっている高結晶性と併せて、母材と同時焼成する場合に焼結ひずみを抑制した金属焼結膜を形成できるため、小型電子部品の電極薄膜やセラミック基板の微細配線に向けたペースト・インク用フィラーとして応用が期待できます。

公式ページ(続き・詳細)はこちら
https://www.tn-sanso.co.jp/jp/file_download.php?id=KwJQGFHHiW4%3D&fileid=LZbVcjVrw3Xo6qa%2FzuKdSDTLtIkjWsFF&link.pdf

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