2023/07/05

フチバチニブ(LYTGOBI(R))、胆管がん治療薬として欧州委員会より条件付き販売承認を受領

大鵬薬品工業 株式会社 

2023 年 7 月 5 日
大鵬薬品工業株式会社

フチバチニブ(LYTGOBI(R))、胆管がん治療薬として
欧州委員会より条件付き販売承認を受領


大鵬薬品工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小林将之、以下「大鵬薬品」)とその欧州子会社の Taiho Oncology Europe GmbH(所在地:スイス連邦ツーク州、Chairman:東 敦、以下「大鵬オンコロジーヨーロッパ」) は、「全身療法後に進行した線維芽細胞増殖因子受容体 2 (FGFR2) 融合または再構成を伴う局所進行または転移性の胆管がん」の適応で、フチバチニブ(欧州製品名:LYTGOBI(R)、剤形:錠剤)単剤療法の条件付き販売承認を欧州委員会より取得したことをお知らせします。

胆管がんは、肝臓の胆管に発生する進行性のがんです。この疾患は、希少とされているもののヨーロッパでは毎年約 6,000~8,000 人が胆管がんと診断されており1、予後が悪い上に世界における罹患率も増加している 2ことから新しい治療選択肢の必要性が高まっています。

「今日※1は、現在そして未来の胆管がん患者さん、またその治療にあたる医療関係者の方々にとって、重要な日です。LYTGOBI は胆管がんの治療を受けている患者さんにとって、臨床的に意義のある貢献ができるかもしれない経口の分子標的薬です。」と、大鵬オンコロジーヨーロッパ メディカルアフェアーズ担当、バイスプレジデントの Peter Foertig は述べています。

※1 条件付き販売承認取得日:2023 年 7 月 4 日

「FGFR2 融合遺伝子/遺伝子再構成は、胆管がんにおいて最も頻度の高い変異の一つです。不可逆的に結合する FGFR 阻害剤として、LYTGOBI はユニークな方法で FGFR を標的とし、私のキャリアにおいて治療が最も困難な疾患の一つであったこの疾患に新たな希望をもたらします。」と最近 New England Journal of Medicine 誌で発表された FOENIXCCA2 試験※2の研究者兼筆頭著者である John Bridgewater, MD, PhD は、述べています。

Bridgewater 教授は、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンがん研究所とユニバーシティ・カレッジ・ロンドン病院 NHS 財団トラストの臨床研究者兼腫瘍内科医です。

欧州委員会による LYTGOBI の条件付き販売承認は、全身療法の治療歴のある FGFR2 遺伝子の融合またはその他の再構成を有する局所進行または転移性の切除不能な肝内胆管がん患者 103 名を対象としたピボタル第Ⅱ相 FOENIX-CCA2 試験※2に基づくものです。同試験では、病勢進行または許容できない毒性が認められるまで、患者にフチバチニブ20mg を 1 日 1 回投与しました。欧州においては、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スペイン、イギリスの患者が参加しました。

※2 FOENIX-CCA2 試験:PHASE 1/2 STUDY OF TAS-120 IN PATIENTS WITH ADVANCED SOLID TUMORS Harboring FGF/FGFR

Aberrations; FGFR Oral SElective Novel Inhibitor X [across] tumors

胆管がんに特化した英国唯一のチャリティ AAMF(胆管がんチャリティ)の CEO であるHelen Morement 氏は、「LYTGOBI は、胆管がん治療における新しい時代、すなわち個別化医療の力で、従来の化学療法とは異なる方法で患者さんの人生に触れることができる時代の一部になると信じています。」と述べています。

大鵬薬品の常務取締役、大鵬オンコロジーヨーロッパ Chairman の東 敦は、「FOENIXCCA2 試験に参加いただいた多くの患者さんと医療関係者の方々に感謝申し上げます。

胆管がん患者さんの多くは、手術適応とならない進行期で診断されています。LYTGOBIが胆管がん患者さんの新しい治療選択肢となることを大変嬉しく思います。」と述べています。

欧州の条件付き販売承認は、重篤な疾患の治療におけるアンメット・メディカル・ニーズを満たす医薬品であり、それを早期に使用できるメリットが、追加データが必要とされている状況下で医薬品を使用するリスクを上回る医薬品に付与されます。条件付き販売承認に伴う承認後措置完了の具体的な義務として、2027 年 10 月までに LYTGOBI の追加臨床データを提供する必要があります。

【LYTGOBI(R)について】

LYTGOBI(一般名:フチバチニブ、開発コード:TAS-120)は、FGFR(fibroblast growth factor receptor) 1、2、3、4 を選択的に阻害する経口のチロシンキナーゼ阻害剤です。LYTGOBI は選択的に FGFR1-4 の ATP 結合部位に結合し FGFR を介するシグナル伝達経路を阻害することで、FGFR1-4 遺伝子異常を持つ腫瘍細胞の増殖を抑制し細胞死を誘導します。


日本においては、「がん化学療法後に増悪した FGFR2 融合遺伝子陽性の治癒切除不能な
胆道癌」に対する治療薬として 2023 年 6 月に厚生労働省より製造販売承認を取得しま
した。また米国においては、「前治療歴を有する FGFR2 融合遺伝子またはその他の再構
成を伴う切除不能な局所進行または転移性肝内胆管がん」の適応で 2022 年 9 月に米国
食品医薬品局より承認を取得しています。
【大鵬オンコロジーヨーロッパについて】
大鵬オンコロジーヨーロッパのミッションは、がん患者さんとそのご家族、介護者の生
活を改善することです。同社は経口抗がん剤に注力しており、選択的分子標的薬で構成
されるパイプラインを拡大しています。大鵬オンコロジーヨーロッパ(スイス連邦ツー
ク州)は、大鵬薬品の欧州子会社です。
大鵬オンコロジーヨーロッパの詳細については、www.taihooncology.eu をご覧くださ
い。
1: Kirstein MM, Vogel A. Epidemiology and Risk Factors of Cholangiocarcinoma. Visc Med. 2016
Dec;32(6):395-400. Erratum in: Visc Med. 2017 Jun;33(3):226.
2: Banales, J M, Marin, J JG, Lamarca, A, et al. Cholangiocarcinoma 2020: the next horizon in
mechanisms and management. Nature Reviews Gastroenterology & Hepatology. 17: 557?588 (2020).

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