2023/07/06

ARDSに対する治療法開発のためのサイセイベンチャーズとの基本合意書締結と子会社設立に関するお知らせ

株式会社 ヘリオス 

2023 年7月6日
株式会社 ヘリオス

ARDS に対する治療法開発のための
サイセイベンチャーズとの基本合意書締結と子会社設立に関するお知らせ


当社は、2022 年 12 月 14 日に発表しました「ARDS に対する治療法の共同開発契約締結に向けた三菱 UFJ キャピタル株式会社との基本合意書締結のお知らせ」のとおり、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)※1 に対する体性幹細胞再生医薬品 HLCM051※2 の開発を推進するための体制準備を進めております。この度、本パイプラインの開発を推進するための子会社設立を決定したこと、ならびに、Saisei Ventures LLC(以下、サイセイベンチャーズと言います。)が運営するファンドから当該子会社に対して 10 億円以上の出資の検討を行うこと、及びサイセイベンチャーズが当該子会社の補助金を活用した資金調達等に関するサポートを行うことについて、当社と基本合意書を締結しましたのでお知らせいたします。

1.サイセイベンチャーズとの基本合意書締結について

(1)概要

当社とサイセイベンチャーズは、ARDS に対する体性幹細胞再生医薬品 HLCM051 の開発を加速させることを目的として、今後両社が引き続き協議の上、本契約に至った場合、「2.子会社の設立について」に示す子会社に対してサイセイベンチャーズの運営するファンド等からの出資を行うこと、サイセイベンチャーズが当該子会社の補助金を活用した資金調達に関するサポートを行うこと等について合意しました。

具体的な出資金額については、現在サイセイベンチャーズが運営するファンドであるSaisei Bioventures L.P.の他、ARDS に対する治療法の開発を支援するための特別サブファンドを新たに設立し、LP 投資家を募ったのちこれらのファンドから合計 10 億円以上の出資を目指すことに合意しています。

サイセイベンチャーズは、ヘルスケア分野における次世代企業の育成を目的としたベンチャーキャピタルであり、2023 年5月 17 日に公表したとおり、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が公募した、令和5年度「創薬ベンチャーエコシステム強化事業(ベンチャーキャピタルの認定)」(第2回)における認定ベンチャーキャピタル(認定VC)9社のうちの1社に採択されています。

(2)相手先の概要

① 名 称 Saisei Ventures LLC
② 所在地 One Broadway, 14th Floor, Kendall Square, Cambridge,
MA 02142, USA
③ 代表者の役職・氏名 マネージングパートナー Jonathan Yeh
パートナー 齊藤 光
④ 事業内容 ベンチャーキャピタル業務
⑤ 資本金 70 千米ドル
⑥ 設 立 年 月 日 2020 年6月9日
⑦ 主な出資者及び出資比率 株式会社ヘリオス 49%
⑧上場会社と当該会社と の 間 の 関 係
資本関係 当社の出資比率は 49%です。
人的関係 当社役員 1 名が当該会社の役員を兼任しております。
取引関係 該当事項はありません。
関連当事者へ
の 該 当 状 況 当該会社は当社の関連当事者に該当します。
⑨ 当該会社の最近 2 年間の財政状態及び経営成績
決算期 2021 年 12 月期 2022 年 12 月期
純 資 産 36 百万円 0 百万円
総 資 産 74 百万円 65 百万円
売 上 収 益 81 百万円 75 百万円
営業利益 2 百万円 △3 百万円
当期純利益 2 百万円 △0 百万円

(3)日程

① 執 行 役 会 決 議日 2023 年7月6日
② 契約締結日 2023 年7月6日

2.子会社の設立について

(1)子会社設立の理由

ARDS に対する体性幹細胞再生医薬品 HLCM051 の有効性及び安全性を検討するため、今後あらたに実施する臨床試験の概要について 2023 年3月2日に公表しましたが、本臨床試験を主体的に推進するため、新たに子会社を設立することを決定しました。

なお、三菱 UFJ キャピタル株式会社(以下、三菱 UFJ キャピタルと言います。)との ARDSに対する治療法の共同開発契約締結に向けた基本合意において、当社に対し研究開発に対する助言と開発費拠出を行う目的で、将来的に三菱 UFJ キャピタルの出資により新会社を設立することを計画していました。その後、その他複数のベンチャーキャピタルを含めた協議に時間を要している中、この度、サイセイベンチャーズが運営するファンドから出資を受けられる可能性が高まったことから、今後早期に臨床試験に入るため当社の 100%出資による新会社の設立を三菱 UFJ キャピタルに対しても申し出、今般、子会社の設立を決議しました。三菱 UFJ キャピタルからの出資について、同社との基本合意書自体の変更は現時点で行われておらず、サイセイベンチャーズの運営するファンドからの合計 10 億円以上の出資に加えて、本子会社へ出資することの協議を継続しております(出資金の規模は未定)。

(2)子会社の概要

① 名 称 株式会社プロセルキュア
② 所在地 兵庫県神戸市中央区
③ 代表者の役職・氏名 代表取締役 齊藤 光
④ 事業内容 医薬品の研究、開発及び販売
⑤ 資本金 未定
⑥ 設立年月日 2023 年7月(予定)

(3)子会社設立の日程

① 執 行 役 会 決 議日 2023 年7月6日
② 設立年月 日 2023 年7月中予定

3.今後の見通し

設立予定の子会社の財務諸表は 2023 年 12 月期第3四半期より連結する予定です。上記1.2.に関して、2023 年 12 月期業績に対し現時点で確定した影響はありません。今後開示すべき事項が発生した場合には、速やかにお知らせいたします。

以上

※1 急性呼吸窮迫症候群(ARDS)

ARDS は、単一の疾患ではなく、基礎疾患や外傷等によって好中球等の免疫系が過剰に誘発され、炎症を起こすことにより肺が傷害を受け肺水腫となり、その結果、重度の呼吸不全となる症状の総称です。ARDS 診療ガイドラインによると、死亡率は 30~58%と予後が非常に悪い病気です。日本国内での発症患者数はおよそ 28,000 人と推定しています(疫学データの発症率と人口統計を基に当社推定)。ARDS に対する治療として、集中治療室で人工呼吸器を用いた呼吸管理を中心とする全身管理が行われます。

※2 HLCM051

HLCM051 は、日本国内における体性幹細胞再生医薬品の開発パイプラインです。当社は 2016 年1月に、米国のバイオベンチャー企業 Athersys,Inc.と、同社の開発する幹細胞製品 MultiStem(R)を用いた脳梗塞急性期に対する再生医療等製品の国内での開発・販売に関する独占的なライセンス契約を締結し、本パイプラインを導入いたしました。さらに 2018 年6月に同社との提携を拡大したことにより、日本における ARDS に対する開発・販売ライセンスを取得し、開発を開始いたしました。

■サイセイベンチャーズについて

サイセイベンチャーズは、ヘルスケア分野における次世代企業の育成を目的としたベンチャーキャピタルです。熱意あるバイオ起業家と提携し、強力な概念実証、臨床検証、市場価値を生み出す事業戦略を開発・実行することを目的としています。日本と米国に拠点を置き、両国のユニークなネットワークと制度的優位措置を活用することで、投資先企業の価値を高めることを目指しています。2023 年 6 月には、株式会社産業革新投資機構が、サイセイベンチャーズが運営するファンドである Saisei Bioventures L.P.に 30 百万米ドルのLP 投資を行うことを決定しています。

https://www.saiseiventures.com

■株式会社ヘリオスについて

再生医療は、世界中の難治性疾患の罹患者に対する新たな治療法として期待されている分野であり、製品開発・実用化へ向けた取り組みが広がり、近い将来大きな市場となることが見込まれています。ヘリオスは、iPS 細胞(人工多能性幹細胞)等を用いた再生医薬品開発のフロントランナーとして、実用化の可能性のあるパイプラインを複数保有するバイオテクノロジー企業です。2011 年に設立、2015 年に株式上場(マザーズ-現東証グロース:4593)し、再生医薬品の実用化を目指して研究開発を進めています。独自の遺伝子編集技術を用いて免疫拒絶のリスクを低減する次世代 iPS 細胞、ユニバーサルドナーセル(UDC: Universal Donor Cell)を作製し、がん免疫領域、眼科領域、肝疾患等において、iPS細胞技術を用いた新たな治療薬の創出のための取り組みを進めています。iPS 細胞由来の再生医療等製品としての第一候補である HLCN061 は、固形がんに対する殺傷能力を遺伝子編集により強化した次世代の NK 細胞(eNK(R)細胞)治療薬です。また、体性幹細胞 再生医薬品を用いて日本国内における脳梗塞急性期および急性呼吸窮迫症候群(ARDS)に関する治験を実施し、申請に向け規制当局との協議を進めています。

https://www.healios.co.jp/

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