2023/05/11

株式会社エーアイによる当社株券に対する公開買付けに関する意見表明及び同社との資本業務提携契約締結に関するお知らせ

株式会社 フュートレック 

2023 年5月 11 日 株式会社フュートレック

株式会社エーアイによる当社株券に対する公開買付けに関する意見表明及び同社との資本業務提携契約締結に関するお知らせ

当社は、本日開催の取締役会(以下「本取締役会」といいます。)において、以下のとおり、株式会社エーアイ(コード番号:4388、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)グロース市場、以下、「公開買付者」といいます。)による当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)に対する金融商品取引法(昭和 23 年法律第 25 号。その後の改正を含みます。)に基づく公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)に関して賛同の意見を表明すること、及び本公開買付けに応募するか否かについては、中立の立場を取り、当社の株主の皆様のご判断に委ねることを決議いたしましたので、お知らせいたします。

併せて、当社は、本取締役会において、公開買付者との間で資本業務提携契約(以下「本資本業務提携契約」といい、当該契約に基づく資本業務提携を、以下「本資本業務提携」といいます。)を締結することを決議いたしました。本資本業務提携契約の詳細につきましては、下記「10.本資本業務提携契約の概要」をご参照ください。

なお、本公開買付け成立後も、当社株式は東京証券取引所スタンダード市場において上場が維持される予定です。

1.公開買付者の概要

(1) 名 称 株式会社エーアイ(2) 所 在 地 東京都文京区西片一丁目 15 番 15 号(3) 代 表 者 の 役 職 ・ 氏 名 代表取締役社長 廣飯 伸一(4) 事 業 内 容 音声合成エンジン及び音声合成に関連するソリューションの提供(5) 資 本 金 151,481 千円 (2022 年 9 月 30 日現在)(6) 設 立 年 月 日 2003 年 4 月 1 日(7) 大 株 主 及 び 持 株 比 率 廣飯 伸一 17.67% (2022 年 9 月 30 日現在) 吉田 大介 12.89% 合同会社吉田事務所 11.55% 株式会社ソルクシーズ 5.02% 吉田 大志 3.01% 亀井 佳代 2.91% TIS 株式会社 2.01% 楽天証券株式会社 1.15% 吉田 昭 0.96% 株式会社 SBI 証券 0.71%(8) 上場会社と公開買付者の関係 資 本 関 係 該当事項はありません。 人 的 関 係 該当事項はありません。取 引 関 係当社は公開買付者と 2019 年 4 月に業務提携契約を締結しております。当該契約に基づき、2020 年3月期において、公開買付者から当社に対して音声対話システムの開発に関する発注を行っており、その取引高は4,100,000 円となります。 関 連 当 事 者 へ の該 当 状 況 該当事項はありません。

2.買付け等の価格

普通株式1株につき、226 円(以下、「本公開買付価格」といいます。)

3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由

下記、本公開買付けに関する意見の根拠及び理由のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。

(1)本公開買付けに関する意見の内容

当社は、本日開催の取締役会において、下記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けについて賛同の意見を表明するとともに、本公開買付けに応募するか否かについては、中立の立場を取り、当社の株主の皆様のご判断に委ねることを決議いたしました。

なお、上記取締役会の決議の過程に係る詳細については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「② 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の承認」をご参照ください。

(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由

① 本公開買付けの概要

公開買付者は、2023 年5月 11 日付で、東京証券取引所スタンダード市場に上場している当社株式を対象とする本公開買付けを実施することを決議したとのことです。本公開買付けは、当社の筆頭株主であり主要株主及びその他の関係会社であるグローリー株式会社(以下「グローリー」といいます。)が所有する当社株式 3,793,200 株(所有割合(注1):40.54%)の全部を取得し、当社を公開買付者の関連会社とすることを目的としているとのことです。なお、本日現在、公開買付者は、当社株式を所有していないとのことです。

(注1)「所有割合」とは、当社が 2023 年2月6日に提出した第 23 期第3四半期報告書(以下「本四半期報告書」といいます。)に記載された 2022 年 12 月 31 日現在の発行済株式総数(9,504,200 株)から、当社が 2023 年5月 11 日に公表した 2023 年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(以下、「当社決算短信」といいます。)に記載された 2023 年3月 31 日現在の当社が所有する自己株式数(146,460 株)を控除した株式数(9,357,740 株)に対する割合をいい、その計算において小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、所有割合の計算について他の取扱いを定めない限り同じとします。

本公開買付けに関して、公開買付者は 2023 年5月 11 日付で、グローリーとの間で、公開買付応募契約書(以下「本応募契約」といいます。)を締結し、グローリーが所有する当社株式の全部(3,793,200 株(所有割合: 40.54%))について、本公開買付けに応募する旨を合意しているとのことです(公開買付者がグローリーから取得する当社株式を、以下「本応募合意株式」といいます。)。なお、本応募契約の概要については、下記「4.公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。さらに、公開買付者は同日付で、当社との間で本資本業務提携契約を締結しております。本資本業務提携契約の概要については、下記「10.本資本業務提携契約の概要」をご参照ください。

本公開買付けは、公開買付者が本応募合意株式を取得することを目的とするものであり、当社株式の上場廃止を企図するものではなく、公開買付者及び当社は、本公開買付け成立後も当社株式の上場を維持する方針です。そのため、本公開買付けにおいては、買付予定数の上限及び下限を、本応募合意株式と同数である 3,793,200 株(所有割合:40.54%)としているとのことです。本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の上限を超える場合は、その超える部分の全部又は一部の買付け等を行わないものとし、法第 27 条の 13 第5項及び発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令(平成2年大蔵省令第 38 号。その後の改正を含みます。)第 32 条に規定するあん分比例の方式により、株券等の買付け等に係る受渡しその他決済を行うとのことです。また、応募株券等の総数が買付予定株の下限に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。

グローリーは、グローリー以外の株主から応募があり、グローリーが応募した当社株式の全てが買い付けられない可能性がありますが、売却できなかった株式の取扱いに関して、公開買付者とグローリーとの間で合意している事項はなく、グローリーは、本公開買付けによって売却できなかった場合に引き続き所有することとなる当社株式の処分方針については、当該当社株式の数等を踏まえて今後具体的に検討するとのことであり、現時点で決まった事項はないとのことです。

② 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針

当社は、公開買付者より、本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針につき、以下の説明を受けております。

(ⅰ)本公開買付けの目的及び背景

公開買付者は、2003 年4月の設立以降、音声合成エンジン及び関連するソリューションの提供に係る事業を行っているとのことであり、2018 年6月に東京証券取引所マザーズ市場に上場し、2022 年4月4日の東京証券取引所の市場区分の変更に伴い、本日現在においては、東京証券取引所グロース市場に株式を上場しているとのことです。

公開買付者は、「エーアイは音声技術で社会に新しい価値をつくり続けます」との企業理念を定め、声が作れる“便利さ”と声をつくる“楽しさ”を追求し、音声技術で社会の役に立つサービスの創出に努めているとのことです。「音声技術」には、主に音声をテキスト情報に変換する技術(音声認識)、テキスト情報を音声に変換する技術(音声合成)、音声の声色を別の声色に変える技術(声質変換)、音声から話者を特定する技術(話者照合・話者同定)などがありますが、これらの「音声技術」のうち、公開買付者は設立以来、「音声合成」に特化して事業展開を続けているとのことです。公開買付者は、日本語音声合成エンジンに関する研究開発から製品開発、販売、サポートを全て社内で行っているとのことであり、「法人向け製品」「法人向けサービス」「コンシューマー向け製品」の提供を行っているとのことです。公開買付者は、2022 年5月 17 日に「事業計画及び成長可能性に関する事項」を公表し、先進的で高品質な音声技術サービスを安定的に提供していくためには、健全な財務基盤の維持が重要であると考えているとのことから、営業利益 20%以上の維持を収益性の指標としているとのことです。また、公開買付者は、「①コンシューマービジネスの拡大」、「②法人向けビジネスの拡大」、「③事業領域の拡大・新しいマーケットの創出」、「④研究開発の実施」を成長戦略としており、「③事業領域の拡大・新しいマーケットの創出」にあたっては、音声合成のみならず、音声技術やその周辺技術に関するサービスを総合的に提供できる会社となることを目指しているとのことです。

一方、当社は、2000 年4月に携帯電話用に特化してビジネスモデルの提案から具現化まで一貫して提供できる半導体設計会社として設立いたしました。その後、当社は、2005 年 12 月に東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場し、2016 年8月には東京証券取引所市場第二部へと市場変更し、2022 年4月4日の東京証券取引所の市場区分の変更に伴い、本日現在においては、東京証券取引所スタンダード市場に株式を上場しております。

当社は、「社会の変化に柔軟に対応して、その時代に求められる商品を追求し、継続的に発展する会社を目指す。」という経営理念のもと、ソフトウエアの開発から各種サービス事業への展開、M&A等により事業内容を変化させております。

本日現在、当社グループ(当社及びその連結子会社3社を総称していいます。以下同じです。)は、当社及びその連結子会社3社により構成され、「音声認識事業」(注1)、「デジタルマーケティング事業」、「映像制作事業」及び「その他事業」を運営しております。当社は、「音声認識事業」及び「デジタルマーケティング事業」に経営資源を集中させる経営方針のもと、「音声認識事業」と「デジタルマーケティング事業」に属するCRM(注2)事業を中心とした事業拡大を行い、「音声認識事業」においては、音声認識と連動して話者を識別する等、音声認識技術と声認証技術等の周辺技術を組み合わせることによる付加価値の提案とともに営業活動を推進しております。

また、当社は、2022 年3月期には、「音声認識事業」における新たな取り組みとして、当社の設計資産を活用し、「音のAI検査」(注3)(異音検知技術)の開発を開始いたしました。

当社のCRM事業においては、2020 年3月期以降、コロナ禍の下においても引合いを受けております。

当社は、CRM分野の市場も拡大していると認識しており、当社のCRM事業の主要商品である「Visionary」(注4)の商品価値及び事業拡大を目的として、新しい商品「Visionary Cloud」(注4)の開発投資を 2021 年3月期から開始いたしました。当社は、「Visionary Cloud」の多機能化に向けた開発や、「Visionary Cloud」をベースとした新たなサービスモデルを確立し、事業規模の拡大を図り、高収益化を実現することを事業戦略として掲げております。

(注1)「音声認識事業」とは、人の言葉を機器に認識させ、操作や入力をサポートする音声認識技術や、人の声を認証し話者を識別する声認証技術、及び、その周辺技術を取り扱う事業を意味します。

(注2)「CRM」とは、Customer Relationship Management(顧客関係管理)の略であり、顧客との関係性を強化するための手法を意味します。

(注3)「音のAI検査」とは、機械の動作音を機械学習させることによって、機械が発する異常や不具合発生時の音を検出し、故障や劣化をいち早く検出する技術です。

(注4)「Visionary」とは、当社が開発したCRMによる顧客中心ビジネスを推進するための統合型マーケティングプラットフォームであり、「Visionary Cloud」とは、Visionary のクラウドサービス対応版であり、バージョンアップの容易性の向上、カスタマイズ不要で利用可能な機能を有するなど、新たに再構築された当社の統合型マーケティングプラットフォームです。

当社は、各種認識・認証技術分野において強みを持つグローリーと、音声認識技術分野において強みを持つ当社の双方が、それぞれの経営資源を相互に活用することにより、最先端の認識技術及び個体認証技術等に係る新たなソリューション提供が可能であり、当社グループの企業価値向上にも大きな効果が発揮されるとの考えから、2018 年9月 28 日付で、グローリーとの間で資本業務提携契約を締結いたしました。そして、グローリーは、当社株式に対し、①同年 10 月1日から同月 29 日までの期間を買付け等の期間として1回目の公開買付けを実施し、当社株式 1,481,200 株(当時の所有割合:15.82%(注5))を取得し、また、②同年 11 月7日から同年 12 月 12 日までの期間を買付け等の期間として2回目の公開買付けを実施し、当社株式 2,312,000 株を取得し、1回目の公開買付けと合わせて当社株式 3,793,200 株(当時の所有割合:40.50%(注6))を保有するに至ったとのことです。

(注5)当社が 2018 年8月 10 日に提出した第 19 期第1四半期報告書に記載された 2018 年6月 30 日現在の当社の発行済株式総数 9,497,200 株から、当社が 2018 年8月9日に公表した 2019 年3月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)に記載された 2018 年6月 30 日現在の自己株式数 146,460株を控除し、当社が 2018 年6月 25 日に提出した第 18 期有価証券報告書に記載された 2018 年5月 31 日現在の新株予約権(2015 年6月 19 日付定時株主総会及び 2015 年 10 月 23 日付取締役会にて決議)150 個の目的となる当社株式 15,000 株を加えた株式数 9,365,740 株に対する所有株式数の割合(小数点以下第三位を四捨五入。)をいいます。

(注6)当社が 2018 年 11 月 12 日に提出した第 19 期第2四半期報告書に記載された 2018 年9月 30 日現在の当社の発行済株式総数 9,497,200 株から、当社が 2018 年 11 月6日に公表した 2019 年3月期第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)に記載された 2018 年9月 30 日現在の自己株式数146,460 株を控除し、当社が 2018 年6月 25 日に提出した第 18 期有価証券報告書に記載された2018 年5月 31 日現在の新株予約権(2015 年6月 19 日付定時株主総会及び 2015 年 10 月 23 日付取締役会にて決議)150 個の目的となる当社株式 15,000 株を加えた株式数 9,365,740 株に対する所有株式数の割合(小数点以下第三位を四捨五入。)をいいます。

当社は、グローリーとの当該資本業務提携において、グローリーが有する顔認証技術と当社の声認証・音声認識技術を融合し、新たなソリューションの開発及び販売並びに顧客開拓における相互協力等により、両社の事業拡大に向けた活動を進めてきたほか、グローリーから当社へ派遣された役員を通じ、当社にない知見を持って、当社取締役会等で当社の企業価値向上のための意見を受けてきました。また、グローリーとの資本業務提携直後から、両社の開発部門及び営業部門による各ワーキンググループを設置し、両社の開発部門によるワーキンググループでは年度毎にテーマを設定し共同研究開発を継続して行うなど、シナジー効果を高める活動を定期的に行ってきました。なお、当社は、この共同研究の成果として、2020 年10 月、口唇による発話検知技術の開発に至りました。

しかしながら、当社は、当該資本業務提携において実施してきた顔認証技術と音声認識技術の融合による生体認証精度の向上に関しては、顔認証技術単体による認証精度の向上によりその必要性が低下してきたと認識する一方で、AI技術の進歩により、対話シナリオの自動生成が可能となり、音声認識技術と音声合成技術に対話システムを加えたトータルソリューションの導入が増加したことで、音声認識技術と音声合成技術の両技術のニーズが高まってきたと認識いたしました。当社は、こうした音声ビジネスの市場におけるニーズの変化に加えて、世間一般への音声認識サービスの浸透等により、音声認識サービスの利用は拡大してきていると認識しており、成長する市場の中で顧客のニーズに応え続けていくためには、音声認識サービスの方向性として、他の認証・認識技術との融合よりも音声サービスの領域の中で幅を広げつつ新たな製品やサービスを創出し、市場競争力の強化を図っていくことが事業戦略上の課題であると考えておりました。

一方で、グローリーは、コア事業である金融市場や流通・交通市場向けの事業と親和性の高い事業領域の拡大を目指し成長に向けた基盤整備を進めつつ、事業ポートフォリオについては継続的に見直しを行っているとのことです。その中で、グローリーは、当社の更なる企業価値の向上を実現するためには、より当社と事業領域が近く、当社との間でシナジーの実現を見込める第三者が当社の株式を取得し、新たな資本構成のもとで当社が成長していくことが望ましいものと考え、2022 年5月、グローリーが所有する全ての当社株式(3,793,200 株、所有割合:40.54%)の売却について正式に検討を開始したとのことです。グローリーは、2022 年6月に、ファイナンシャル・アドバイザーとしてEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(以下「EY」といいます。)を起用し、当社株式の売却に関する検討の一環として、2022 年8月中旬から、当社と事業領域が近い、又は当社の事業領域やその周辺領域に投資実績があるなど、当社の企業価値の向上を図ることが可能と考えられる買手候補先(事業会社及びプライベートエクイティファンドを含む計 16 社)との間で、グローリーが保有する全ての当社株式の取得について、その打診を含め初期的な議論を順次開始したとのことです。そして、2022 年 11 月上旬、グローリーは、当社に対し、グローリーの保有する全ての当社株式を売却する可能性がある旨の打診を行ったとのことです。

公開買付者は、公開買付者が保有する「音声合成技術」に関するノウハウ及びソリューションと当社が保有する「音声認識技術」に関するノウハウ及びソリューションとを共有し、両社の技術を掛け合わせることによる新技術の共同研究、音声対話等の新製品、新サービスの共同開発、共同営業を行うことによる相乗的な企業価値の向上を目的として、当社との間で、2019 年4月に業務提携契約(以下「本業務提携契約」といいます。)を締結し、毎年、当社との間で特定のテーマを設定し、共同で研究や技術検証、製品化を目指したアプリケーションの共同開発等をプロジェクトとして推進してまいりましたが、2022 年 12 月上旬に、グローリーより、グローリーのファイナンシャル・アドバイザーであるEYを通じて、グローリーが所有する全ての当社株式(3,793,200 株、所有割合:40.54%)の取得の意向の有無について打診を受けたとのことです。これを受けて、公開買付者は、当該取得について検討を開始し、グローリーからその所有する全ての当社株式を取得した場合、公開買付者による当社株式の所有割合が3分の1を超えることになるため、当該取得を行うためには、法第 27 条の2第1項第2号に従い、公開買付けの方法による必要があることにも鑑みて、2022 年 12 月下旬、(i)当社及びグローリーとの取引条件の協議や各種手続等について助言を受けることを目的として、株式会社 SBI 証券(以下「SBI 証券」といいます。)をファイナンシャル・アドバイザーとして選任し、(ii)本公開買付けの検討等に際し必要な法的助言を受けること等を目的として、森・濱田松本法律事務所をリーガル・アドバイザーとして選任したとのことです。そして、公開買付者は、公開買付者がグローリーの所有する全ての当社株式を取得することで、後述するシナジーを創出できる可能性があると考え、2023 年1月中旬、本公開買付けに係る一次意向表明書をグローリーのファイナンシャル・アドバイザーであるEYを通じてグローリーに提出したとのことです。

グローリーは、公開買付者を含む複数の候補先から、当社株式の取得に関心を有する旨の意向の表明を受けたことから、候補先の検討にあたり、候補先による当社株式の買収可能性、本公開買付け実施後における中長期の当社の運営方針、戦略及び体制等の観点から総合的かつ慎重に検討を行ったとのことです。そして、その結果を踏まえ、グローリーは、2023 年1月中旬、公開買付者は当社と事業領域が近く、また従前から当社との間で業務提携の実績があることから、公開買付者を有力な候補先であると判断し、当社との間で協議を行ったとのことです。その結果、当社においても、上記と同様の理由により公開買付者が有力な候補先であると判断したことから、当社は、2023 年1月中旬、公開買付者のみに、当社に対するデュー・ディリジェンスの機会を提供することを決定いたしました。

その後、公開買付者は、2023 年1月中旬から3月下旬にかけて、当社に対するデュー・ディリジェンスを実施するとともに、当社の実務担当者との間での事業シナジーの検討を行ったとのことです。その結果、公開買付者は、グローリーが所有する全ての当社株式を取得することは、今まで以上に、公開買付者及び当社の持つノウハウの共有や、販売戦略の共同企画、人事交流の強化等、経営リソースを相互に共有しあうことが可能となり、本業務提携の効果をより一層強めることから、両社の企業価値向上に大きく資するものであると考えたとのことです。

公開買付者は、資本関係を伴わない本業務提携では、公開買付者及び当社が持つノウハウを相互に共有し、共同して新規事業等の取り組みを推進するに際して、相互に開示できる情報に制約があり、情報の伝達をスムーズに行うことができないことにより、プロジェクトや共同開発の遅延が生じるなど、シナジーの実現に対する制約が存在するものと考えていたとのことです。本公開買付けによりグローリーが所有する全ての当社株式を取得し、従来の業務提携を資本業務提携に深化させることによって、相互に開示できる情報の範囲が広がり、情報の伝達がスムーズになることで、両社間での迅速かつ広範囲の人的交流、知的財産等を含めたノウハウの共有が可能となり、またプロジェクトや共同開発の効率的かつ迅速な実行が可能となると考えているとのことです。それにより、具体的には、以下のようなシナジーの実現が可能であると考えているとのことです。

(a) 音声対話AIソリューションの実現

当社が保有する、人の声をテキスト化する「音声認識技術」と、公開買付者が保有する、テキストを音声に変換する「音声合成技術」とを組み合わせることにより、ロボット、デジタルサイネージ(注7)等で活用が進む音声対話AIソリューション(注8)として新たな製品やサービスを創出し、市場競争力の強化を図ることが可能となると考えているとのことです。

(注7)「デジタルサイネージ」とは、電子看板と呼ばれ、店頭などで電子的な表示機器を使用して情報を発信するメディアを意味します。

(注8)「音声対話AIソリューション」とは、人間の発する音声を適切に理解し、それに応答するシステムを意味します。

(b) 営業連携の強化

両社の顧客から、当社が提供する「音声認識技術」に関するソリューション、公開買付者が提供する「音声合成技術」に関するソリューション単体での提案のみならず、AI技術の進歩により対話シナリオの自動生成が可能となったことで、これらを組み合わせた「音声対話ソリューション」の提案を求められることが増加していることから、両社がそれぞれの顧客に対してクロスセル(注9)を実施し、また、市場や顧客の情報を迅速に共有することで、営業における費用対効果の最大化を図り、両社製品の販売拡大を目指すことが可能となると考えているとのことです。

(注9)「クロスセル」とは、顧客が購入している、又は購入を検討している商品・サービスに関連した商品・サービスの購入を促す販売手法を意味します。

(c) 研究開発体制の向上

当社が保有する、「音声認識技術」に係る研究開発の知見と公開買付者が保有する「音声合成技術」に係る研究開発の知見、また双方で蓄積された音声データや自然言語処理技術(注 10)を共有し、各研究者による深層学習等の最新技術に関する情報交換をはじめ、人的交流を強力に推進することで、双方の研究開発体制の強化を実現すると共に、研究開発リソースの最適化と研究開発のスピードアップを図ることが可能となると考えているとのことです。

(注 10)「自然言語処理技術」とは、人間が日常的に使っている日本語や英語などの自然言語をコンピューターで扱う処理技術を意味します。

上記の分析及び検討の結果を踏まえ、公開買付者は、2023 年4月 10 日、公開買付者が 2023 年1月中旬から3月下旬の間に当社に対して行ったデュー・ディリジェンスの結果を踏まえ、当社との間で資本業務提携契約を締結することを前提に、グローリーが所有する全ての当社株式を取得することを内容とする最終意向表明書をグローリーに提出したとのことです。公開買付者は、当該最終意向表明書において、本公開買付けにおいてグローリーがその保有する当社株式を可能な限り売却できること、また、短期的かつ急激な株価変動による影響を可及的に低減させるために、本公開買付けの公表前の一定期間の当社株式の株価を踏まえて本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を設定することが望ましいとの考えのもと、グローリーに対し、当該最終意向表明書の提出日である 2023 年4月 10 日の前営業日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して5%ディスカウントした価格(小数点以下切り捨て)である 220 円、又は本公開買付けの公表日の前営業日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して 10%ディスカウントした価格(小数点以下切り捨て)のいずれか低い価格を本公開買付価格とすることを、グローリーのファイナンシャル・アドバイザーであるEYを通じて提案したとのことです。

グローリーは、上記最終意向表明書の提出を受け、2023 年4月 13 日、公開買付者に対し、2023 年4月10 日の前営業日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して5%ディスカウントした価格(小数点以下四捨五入)である 226 円、本公開買付けの公表日の前営業日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して5%ディスカウントした価格(小数点以下四捨五入)、又は本公開買付けの公表日の前営業日の終値のいずれか低い価格(但し、それらのいずれか低い価格が当社株式の上場来最安値である 202 円を下回る場合には、202 円)を本公開買付価格とする提案を、グローリーのファイナンシャル・アドバイザーであるEYを通じ、電子メールで行ったとのことです。

そして、公開買付者は、かかる提案について検討の上、かかる提案を受け入れることとし、本公開買付価格を、2023 年4月 10 日の前営業日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して5%ディスカウントした価格(小数点以下四捨五入)である 226 円、本公開買付けの公表日の前営業日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して5%ディスカウントした価格(小数点以下四捨五入)、又は本公開買付けの公表日の前営業日の終値のいずれか低い価格(但し、それらのいずれか低い価格が当社株式の上場来最安値である 202 円を下回る場合には、202 円)とする旨の提案書面を、2023 年4月 20 日、グローリーのファイナンシャル・アドバイザーであるEYを通じ、グローリーに提出したとのことです。そして、公開買付者は、2023 年4月 21 日、グローリーより、上記公開買付価格についてのやりとり、及び公開買付者は当社と事業領域が近く、また従前から当社との間で業務提携の実績があることから、当社の意向も踏まえ、公開買付者を最終候補先として選定するとともに、グローリーとして上記の価格を公開買付価格とすることに合意したとの連絡を、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーである SBI 証券を通じて受けたとのことです。そして、公開買付者は、2023 年4月 25 日、当社に対し、公開買付者とグローリーとの間で上記の価格を公開買付価格とすることに合意したことを、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーである SBI 証券より、当社のファイナンシャル・アドバイザーである東海東京証券株式会社(以下「東海東京証券」といいます。)を通じ、報告したとのことです。なお、公開買付者は、本公開買付けの目的が、公開買付者によるグローリーが所有する全ての当社株式(3,739,200 株、所有割合:40.54%)の取得であることから公開買付者及びグローリーが合意する金額を本公開買付価格として本公開買付けを実施することを企図しており、当社から本公開買付けに対する応募推奨を受けることは企図していなかったため、本公開買付価格について、当社との間では協議等を実施していないとのことです。

そして、2023 年5月 10 日に、同日の当社株式の終値が 266 円であることから、公開買付者は、当社及びグローリーに対し、公開買付者とグローリーとの間で合意した上記の価格決定の方針に基づき 2023 年4月 10 日の前営業日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して5%ディスカウントした価格(小数点以下四捨五入)である 226 円を本公開買付価格としたい旨を、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーである SBI 証券より、当社のファイナンシャル・アドバイザーである東海東京証券及びグローリーのファイナンシャル・アドバイザーであるEYを通じて電子メールにより伝達したとのことです。そして、2023 年5月 11 日、公開買付者及びグローリーは、グローリーが本公開買付けに本応募合意株式を応募すること、及び、本公開買付価格を 226 円とすることにつき合意し、本応募契約を締結したとのことです。本応募契約の概要については、下記「4.公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。また、公開買付者は、2022 年 12 月下旬、当社に対し、本資本業務提携について打診し、当社との間で、本資本業務提携の可能性及び具体的な手法・内容等の協議・検討を開始したとのことです。当該検討に際しては、役員派遣を含む公開買付者による当社の経営への参画の可能性及びこれまで以上に人的交流、知的財産等を含めたノウハウの共有による業務提携の深化を可能とする具体的な方策について、複数回に亘って協議を重ねてきたとのことです。そして、公開買付者及び当社は、2023 年5月 11 日、両社の企業価値を継続的に向上させるためには、公開買付者と当社との間で本資本業務提携契約を締結し、強固な提携関係のもと、両社の強みを掛け合わせ、顧客の必要とするニーズに迅速に応えられる体制の構築が必要であるとの考えで一致し、本資本業務提携契約を締結いたしました。本資本業務提携契約の概要については、下記「10.本資本業務提携契約の概要」をご参照ください。

以上の経緯の下で、公開買付者は、公開買付者がグローリーが所有する全ての当社株式を取得することが、公開買付者及び当社の企業価値向上に大きく資するものであると考え、2023 年5月 11 日開催の取締役会において、本公開買付けを実施することを決議したとのことです。

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https://ssl4.eir-parts.net/doc/2468/tdnet/2274467/00.pdf

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