2023/03/31

デュピクセント(R)、COPDを対象とした臨床試験で増悪減少を認め、同疾患における初の生物学的薬剤となる可能性を示す

サノフィ 株式会社 

本資料は、サノフィ(フランス・パリ)が 2023 年 3 月 23 日(現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳・要約し、3 月 31 日に配信するものです。本資料の正式言語はフランス語・英語であり、その内容および解釈については両言語が優先します。日本で承認されている主な製品名および一般名についてはカタカナ表記をしています。

2023 年 3 月 31 日

デュピクセント(R)、COPD を対象とした臨床試験で増悪減少を認め、
同疾患における初の生物学的薬剤となる可能性を示す


? デュピクセント(R)は、プラセボとの比較で臨床的に意義のある有意な増悪減少(30%)が認められた、最初で唯一の生物学的製剤となりました。

? デュピクセント(R)は、プラセボとの比較で呼吸機能( FEV1)に速やかな改善(160 mL vs 77 mL)が有意に示された、最初で唯一の生物学的製剤となりました。

? デュピクセント(R)は、生活の質(QOL)と呼吸器症状の改善を有意に示した、最初で唯一の生物学的製剤となりました。

? COPD は世界の死因の第 3 位を占める疾患ですが、約 10 年にわたり新規作用機序の治療薬が発売されておりません。今回の臨床試験では、2 型炎症(好酸球数 300/μL 以上)を呈する中等症~重症の COPD 患者を対象としました。

? COPD は、デュピクセント(R)のピボタル臨床試験で肯定的な結果が得られた 7 番目の疾患にあたり、2型炎症性疾患において IL-4 と IL-13 が重要な役割を果たしていることを追認する結果を示しました。

パリおよびニューヨーク州タリータウン、2023 年 3 月 23 日 ? 2 型炎症を呈し、標準治療である吸入薬の 3 剤併用投与を最大用量で用いてもコントロール不良の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者を対象とした、デュピクセント(R)(デュピルマブ)の第 III 相試験において、主要評価項目と全ての重要な副次評価項目を達成しました。デュピクセント(R)は、COPD の中等症または重症の急性増悪(呼吸器症状の急激な悪化)に対して臨床的に意義のある、有意な減少(30%)が認められた、最初で唯一の生物学的製剤です。呼吸機能、生活の質(QOL)とCOPD の呼吸器症状において、有意な改善をもたらしました。

ディートマー・ベルガー(Dietmar Berger, M.D., Ph.D.)

サノフィ グローバル開発暫定ヘッドおよび最高医学責任者

「コントロール不良の COPD の患者さんに対する治療は、長らく進歩していません。これまで数多くの新薬候補が検討されてきましたが、治療選択肢が限られる患者さんに有意な臨床的改善をもたらすことを示した試験はありませんでした。私たちは、通常の臨床開発のスケジュールを数年単位で短縮するため、第 III相試験プログラムから開発を開始するという大胆なアプローチをとりました。今回、パラダイムシフトをもたらす可能性のある、前代未聞の臨床試験結果をお知らせできることに心躍る想いです。この結果が患者さんやそのご家族、医師の方々にとって新たな希望となることを願っています」

COPD は、肺に損傷が起こり、呼吸機能の低下を進行させる、生命を脅かす呼吸器疾患です。COPD の症状には、長引く咳や息切れがあり、日常生活動作に制限が生じるだけではなく、不安やうつ病、睡眠障害を伴うこともあります。COPDはステロイドの全身投与が必要な急性増悪を繰り返し、入院治療や死に至ることもある疾患で、健康面・経済面ともに大きな負担となります。喫煙は COPD の重要な危険因子ですが、禁煙をしていても COPD を発症することがあります。米国だけでも約 30 万人の患者さんが、2 型炎症を呈するコントロール不良の COPD に苦しんでいます。

ジョージ・D・ヤンコポロス (George D. Yancopoulos, M.D., Ph.D.)

Regeneron 社長兼最高科学責任者

「COPD は対策が急がれる世界規模の健康問題ですが、病態が多様で治療が難しいことで知られています。過去約 10 年間にわたり新たな作用機序の治療薬が承認されていません。今回実施した画期的な第III 相試験においてコントロール不良の COPD 患者さんがデュピクセント(R)による治療を受けたところ、今まで検討された生物学的製剤では認められなかった規模の臨床成績を認めました。今回の結果は、2 型炎症が COPD の悪化を招いていることを示すもので、COPD の病態生理に関する科学コミュニティの理解を深める結果となりました。私たちは今後、この心躍る結果について規制当局と協議していきたいと考えております」

BOREAS 第 III 相試験(2 件の第 III 相試験のうちの 1 件目の試験)では、40~80 歳の現喫煙者または元喫煙者の成人患者 939 名を無作為化し、デュピクセント(R)群(n=468)またはプラセボ群(n=471)に割り付け、標準治療である吸入薬の最大用量での治療に加えて試験薬を投与しました。

? デュピクセント(R)群では、試験開始後 52 週間における中等症または重症の急性増悪の発生数(主要評価項目)が、プラセボ群にくらべ 30%低下しました(p=0.0005)。

? 重要な副次評価項目は、ベースラインから 12 週後および 52 週後までの呼吸機能の改善度です。12週後の改善度はデュピクセント(R)群は 160 mL、プラセボ群は 77 mL(p

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