2023/07/24

CPU・GPU用冷却器を開発 -1000W級の空冷に成功-

住友精密工業 株式会社 

2023年7月24日
住友精密工業株式会社

CPU・GPU 用冷却器を開発 -1000W級の空冷に成功

住友精密工業株式会社(兵庫県尼崎市、社長:髙橋 秀彰 以下 当社)は、サーバー機器に用いられる CPU・GPU 用の高性能空冷式冷却器を開発し、1000W 級の冷却に成功しました。

近年、5G を活用した遠隔操作(自動運転・遠隔医療等)/電子決済など、低遅延性が求められるデータ処理需要が高まるにつれ、サーバーの高性能化、CPU の高負荷化が進んでおり、その熱損失(発熱量)は飛躍的に増大しています。

そこで当社は、これまで多くのお客様と共に開発、製品供給してきた相変化型冷却器(サイフォレックス)※に改良を加え、高まる半導体からの発熱に対し、高効率の冷却が可能となる空冷式冷却器を開発しました。

サーバー業界では、これまで空冷での CPU 冷却は 400W (TDP:Thermal Design Power)が限界とされており、400W を超える熱損失には水冷が適用されていましたが、本開発品にて1000W の空冷での冷却を実証しました。水冷式に必要なポンプ等の付帯部品がない当社の空冷式では、運転後のメンテナンスが不要であること、また、空冷ヒートパイプ式で問題となる熱暴走の課題を起こすことなく冷却することができます。

1. 当社 CPU・GPU 用冷却器の特長

CPU 等の発熱体を冷却器内部に封入される冷媒で冷却します。熱を受け取った冷媒は沸騰し、上部の凝縮器においてファンからの冷却風により凝縮する、という自己循環を利用しており、必要な動力はファンの電力のみです。

本開発品は 2U ラックマウントサーバーに内蔵でき、また、サーバー内電装品の配置によりカスタマイズも可能です。

2.今後の展開

製品自体のサイズアップ・取付平面の複雑な機械加工も可能であるため、例えばグラフィックボードではGPU周囲のメモリや電源も一緒に全面冷却することも可能です。また、CPU・GPU 用に限らず、基地局などの電機品冷却にも応用が可能であるため、将来のデジタル社会の実現に向けたインフラ用途にも適用先を拡大していく方針です。

※相変化型冷却器(サイフォレックス):冷媒の沸騰・凝縮を利用した、従来のヒートシンクやヒートパイプを利用した冷却器よりも高性能な空冷式冷却器

≪本ニュースリリースに関するお問い合わせ先≫

住友精密工業株式会社 総務人事部 総務グループ 【柏木かしわぎ】
TEL:06-6489-5829 FAX:06-6489-5801

≪製品に関するお問い合わせ先≫
住友精密工業株式会社 熱マネジメントプロジェクトチーム 【花房はなふさ】
TEL:06-6489-5875 FAX:06-6489-5998

以 上

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