2023/08/29

国立大学法人筑波大学とBNCTの医師主導治験に係る契約締結に関するお知らせ

ステラファーマ 株式会社 

2023年8月29日
ステラファ ー マ株式 会 社

国立大学法人筑波大学とBNCTの医師主導治験に係る契約締結に関するお知らせ

当社は、国立大学法人筑波大学(茨城県つくば市、以下「筑波大学」)と、初発膠芽腫を対象に新型高出力中性子線源を用いた加速器BNCT装置iBNCT001※1及び当社治験薬であるSPM-011の第I相医師主導治験(以下「本治験」)に関する契約(以下「本契約」)を締結したことをお知らせします。

本治験は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「橋渡し研究プログラム(シーズC)」課題として採択されています。

当社は、2021年10月15日付にてお知らせのとおり、筑波大学と高エネルギー加速器研究機構が中心となり、実施された、つくば型BNCT用照射装置・実証機の医療導入に向けた非臨床試験※2に協力して参りました。このたび、非臨床試験の結果を受け、本治験実施について、本契約を締結いたしました。本治験では、初発膠芽腫を対象とした安全性および忍容性を検討してまいります。なお、本契約の契約期間は、2028年3月31日までとなります。

脳と脊髄には神経細胞と神経線維、その間を埋めている神経膠細胞があり、この神経膠細胞から発生する腫瘍の総称が神経膠腫(グリオーマ)で、最も悪性のものを膠芽腫(グリオブラストーマ)といいます。

膠芽腫は、5年生存率が10%程度と極めて低いがんであり、手術と放射線・化学療法の組み合わせでも多くが再発し、治療が困難とされ有効な治療法が望まれております。

日本国内での脳腫瘍の発生頻度は年間に約2万人、そのうち10%強が膠芽腫とされています。また、米国では、膠芽腫は脳腫瘍全体の14%、神経膠腫の50%を占めており、悪性脳腫瘍の中でも最も高い割合で、毎年1万人以上が新たに診断されたと報告されています。

当社は、本治験を通じ、BNCTの特性を生かし、それらの患者に対して高い有効性が期待される治療の開発を目指します。

なお、本件による当社の業績への影響は軽微であります。

以 上

※1 BNCT照射装置・実証機:iBNCT001

iBNCT001の加速器には、研究用大強度加速器中性子発生装置であるJ-PARCの直線型加速器(リニアック)をベースに、BNCT専用に改良、高度化したリニアックを開発整備されたものです。また、中性子を発生する標的材にはベリリウムを組合わせています。ベリリウムに照射する陽子のエネルギーを比較的低い8MeVに設定して中性子を発生することで、中性子による装置の放射化を低減できる設計となっています。将来的には原子炉に匹敵する強度の中性子を発生できる設計となっています。

※2 非臨床試験

非臨床試験は、iBNCT001での臨床試験実施に先立って必要となるもので、細胞や小動物(マウス)に対する照射試験により、iBNCT001が発生する中性子ビームの生体に対する安全性と、ホウ素薬剤と組み合わせたときの安全性や有効性を確認するものです。

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