2023/10/05

金属3Dプリンター使用時に出るくずを約100%再利用する新たな手法を確立(株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・ザムテクノロジーズ)

NTTデータグループ 

2023 年 10 月 4 日

株式会社NTTデータ ザムテクノロジーズ

金属 3D プリンター使用時に出るくずを約 100%再利用する新たな手法を確立
-CO2、金属くず廃棄コストの削減が可能なサーキュラーエコノミーを実現-

株式会社NTTデータ ザムテクノロジーズ(以下、NTT データ ザムテクノロジーズ)は、東洋アルミニウム株式会社(以下、東洋アルミニウム)および日軽エムシーアルミ株式会社(以下、日軽エムシーアルミ)と共同し、これまで産業廃棄物として処理されていた金属 3D プリンターでの製造過程で発生する金属くずを再生利用する手法を確立し、サーキュラーエコノミーを実現しました。従来手法で金属くずとして廃棄していたものを再溶解することで、廃棄物のほぼ 100%が再利用可能としています。

このサーキュラーエコノミーの実現により、CO2排出量を削減したモノづくりを可能とするだけでなく、廃棄にかかっていたコストも削減できるため、3D プリンターで製造する部品の原価低減につながり、ユーザーの市場競争力を高めます。

【背景】
CO2排出量の削減は世界的な目標であり、環境に配慮した製造工程が必要とされています。金属 3D プリンター(金属積層造形)は金属粉末をレーザー照射で溶融することで立体成形を行うため、照射していない粉末は再利用できる製法です。削り出しによる金属切削くずを出さないことから、その製法自体がほとんど金属くずを発生させないサーキュラーエコノミーそのものの製法ですが、以下において少量の廃棄が発生していました。

●金属積層造形ではある規定の範囲内に収まる粒度の粉末しか利用しません。造形中にスパッタ(注 1)の影響で粒度が大きくなってしまう粉末材料が一部生成されるため、そのようなオーバーサイズ粉末はふるいにかけ、再利用はせず廃棄対象となります。
●金属積層造形では造形パーツを支えるための「サポート」と呼ばれる足場の構造も造形します。このサポート構造は
造形が完了すると不要なものとなるため全て除去し、除去したサポート材は金属くずとして廃棄対象となります。

【特徴】
今回、以下の通り 3 社がそれぞれの役割で協力することで、金属 3D プリンターにおける製造でこのような金属くずの廃棄を無くし、原材料を再生利用する手法を確立しました。

日軽エムシーアルミ :3Dプリンター用粉末の母合金のインゴット製造
東洋アルミニウム :アトマイズ法にて、3Dプリンター用合金粉末製造
NTTデータ ザムテクノロジーズ :金属積層造形による製造と品質保証

①金属積層造形用の金属粉末材料を製造するための母合金のインゴットを製造する(日軽エムシーアルミ)
②インゴットを用いて、アトマイズ法により金属積層造形用の金属粉末材料を製造する(東洋アルミニウム)
③アトマイズ法で製造された金属粉末材料のうち、規格外となったオーバーサイズ粉末は①の工程に戻る
④金属粉末材料を用いて 3D プリンターで部品の製造を行う(NTT データ ザムテクノロジーズ)
⑤レーザー照射が行われていない粉末材料のうち、規格サイズ内のものは④の工程で再利用される
⑥⑤で発生した規格外のオーバーサイズ粉末および造形後に除去されたサポート材を①の工程に戻す

工程⑥で従来は金属くずとして廃棄していたものを、工程①に戻し再溶解することで使用原料のほぼ 100%が再利用できる手法を確立しました。

公式ページ(続き・詳細)はこちら
https://www.nttdata-xam.com/wp-content/uploads/2023/10/%E9%87%91%E5%B1%9E3D%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%A8%E3%82%B3%E3%83%8E%E3%83%9F%E3%83%BC%E3%81%AA%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%81%A5%E3%81%8F%E3%82%8A_%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E4%BC%9A%E7%A4%BENTT%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF-%E3%82%B6%E3%83%A0%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%8E%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%82%BA.pdf

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