改善報告書の徴求及び公表措置:ITbookホールディングス(株)
株式会社 日本取引所グループ 2023/10/12 東証 改善報告書の徴求及び公表措置:ITbookホールディングス(株) ツイート
以下のとおり、改善報告書の徴求及び公表措置を実施することにしましたので、お知らせします。
※本件は、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づき決定したものです。
※本年10月より、以下の項目名等を一部変更しております。
1.会社名 | ITbookホールディングス株式会社 (コード:1447、市場区分:グロース市場) |
2.改善報告書提出期限 | 2023年10月26日(木) |
理由 (関連条項) | 開示された情報の内容に虚偽があり、改善の必要性が高いと認められるため (有価証券上場規程第504条第1項第1号) |
3.公表措置公表日 | 2023年10月12日(木) |
理由 (関連条項) | 開示された情報の内容に虚偽があり、公表が必要と認められるため (有価証券上場規程第508条第1項第1号) |
4.理由の詳細 | ITbookホールディングス株式会社(以下「同社」という。)は、2023年8月31日、同社及び同社の連結子会社における会計処理の疑義に関する特別調査委員会の調査報告書を開示し、同日、過年度の決算内容の訂正を開示しました。 これらにより、子会社2社において、子会社社長らの主導により売上高の架空計上や資産の過大計上などが行われていたことと、同社において、非上場会社の株式評価額の算定や経理処理の誤りにより投資有価証券売却益が過大計上されていたことが明らかになりました。その結果、同社は、2021年3月期から2023年3月期までの決算短信等において、上場規則に違反して虚偽と認められる開示を行い、それに伴う決算内容の訂正により、2021年3月期において営業利益及び経常利益が赤字であったことなどが判明しました。 こうした開示が行われた背景として、本件では主に以下の点が認められました。 ・同社においては、子会社の業務プロセスの整備が十分ではないことを看過していたほか、関係会社管理規程と各子会社の職務権限規程との間での不整合により子会社から情報を適切に入手できない状況にあったなど、子会社管理体制が不十分であったこと ・同社においては、内部監査部門の人員不足に起因して、子会社に対する内部監査を十分に行っていなかったこと ・同社においては、子会社によって内部通報制度の窓口が異なり、かつ、周知が不足していたため、不正の兆候となる情報を把握する方法として、内部通報制度が十分に機能していなかったこと ・同社においては、子会社において会計処理上の疑義が生じたにもかかわらず、公認会計士が関与する調査などの十分な検証や、会計監査人との情報共有も行わずに会計処理上の判断を行うなど、経営陣・役職員の財務情報の適正性を確保する意識やリテラシーが不十分であったこと ・同社においては、株式取得時に、事業計画の実現可能性の検証など取得価額の妥当性の検討が十分に行われた形跡がなく、後日評価額の見直しが必要となるなど、株式取得などのM&Aの業務プロセスの整備が適切に行われていなかったこと 以上のとおり、本件は、同社の多数の子会社を擁する特性上、本来最も重視すべき子会社管理体制に不備があり、また、同社の経営陣における企業開示・財務情報の適正性を確保する意識も不足していた結果、投資者の投資判断に相当な影響を与える虚偽と認められる開示が行われたものであり、同社の適時開示体制について改善の必要性が高いと認められます。同社としては既に特別調査委員会の調査結果及びその提言を受けて、2023年9月26日付で再発防止策に係る開示を行っていますが、同社における今後の取組みの徹底を促す観点から、同社に対して、その経緯及び改善措置を記載した報告書の提出を求めることにしました。 また、本件について、公表を要するものと認められることから、公表措置を行うことにしました。 |
- 同社の改善報告書等は、同社からの提出後、下記「改善報告書・改善状況報告書徴求会社一覧」ページに掲載します。
お問合せ
株式会社東京証券取引所 上場部 開示業務室 ディスクロージャー企画グループ
電話:03-3666-0141(代表)