日越外交関係樹立50周年記念事業『Aureoleカンファレンス2023』を開催しました
三谷産業 株式会社2023.11.30
日越外交関係樹立50周年記念事業
「クロスカルチャー・ファシリテーション」を議論する
『Aureoleカンファレンス2023』を開催しました
三谷産業株式会社(本社:石川県金沢市/代表取締役社長:三谷 忠照、以下 三谷産業)は、日越外交関係樹立50周年記念事業として認定された「Aureole(オレオ)カンファレンス2023」を11月13日(月)に開催しました。
今回は、多様性に富んだチームを前提に円滑なコミュニケーションや意思決定プロセスをサポートする「クロスカルチャー・ファシリテーション」をキーワードに、初のベトナム中部トゥアティエンフエ省フエ市での開催となりました。日本・ベトナム両国(オンライン参加者含む)より計301名が参加し、盛況のうちに終了することができました。
会場となった「閲是堂」
◆会場は世界遺産である阮(グエン)朝 王宮劇場「閲是(ズエットティ)堂」
Aureoleカンファレンスは、日系企業がベトナムで事業を成長させていくうえで重要なテーマである人材育成・組織開発について、企業・大学・政府機関が集い議論する場として、2015年より開催されています。
これまではハノイ市およびホーチミン市において開催してきましたが、今回のテーマである「クロスカルチャー・ファシリテーション」を議論するにふさわしい場所として、ベトナム最後の王朝の遺跡群などの歴史や文化を豊かに残しながらも、IT分野を中心に新産業および人材育成に積極的であり、多様な文化・価値観を内包する都市であるトゥアティエンフエ省フエ市で開催させていただきました。
さらに、トゥアティエンフエ省人民委員会・越日友好協会のご協力により、カンファレンス会場として特別に世界遺産の王宮劇場「閲是(ズエットティ)堂」をお貸しいただき、華やかな文化と重厚な歴史が感じられる空間の中で執り行うことができました。
イベント冒頭には、主催者を代表して当社海外事業担当取締役の三浦秀平が登壇し、Aureoleカンファレンス開催においてご助力いただいた関係各所への感謝とともに、企業・大学・政府機関がお互いに対等な立場で向き合い議論するAureoleカンファレンスでの成果は、変化と成長を促す貴重な財産であると述べました。
時には参加者に質問を投げかけながら講演を進める宮森氏
◆CQ(Cultural Intelligence:異文化適応力)の専門家・宮森千嘉子氏が基調講演
基調講演には、50カ国を超える国籍のメンバーと協働した経験を持ち、日本・欧州・米国・アジアの企業や地方自治体におけるCQの支援に取り組む宮森千嘉子氏に登壇いただきました。
宮森氏はCQをこれからのリーダーに必要不可⽋なスキルであるととらえ、CQを高めることができれば文化的価値観の違いをコストではなく財産として活かすことが可能となり、よりイノベーティブで質の高いパフォーマンスを実現することができると述べました。
また、CQにおけるナレッジの視点からベトナムと日本を比較し、日本には文化的価値観の相違をパワーに変換しづらい特徴がある事実を自覚することが必要であるとしたうえで、強制的な同化を求めるのではなく、多様性を認め合う「インクルージョン」を目指してCQを高めるトレーニングを積むことが重要だと論じました。
◆異文化に対する理解と学びに関するパネルディスカッションを実施
イベント後半は、宮森氏に加え、トゥアティエンフエ省外務局副局長のDo Thi My Chau(ドー・ティ・ミー・チャウ)氏、フエ大学外国語大学日本語日本文化学部学部長のNguyen Thi Huong Tra(グエン・ティ・フオン・チャー)氏、EYベトナム日系企業担当インドシナ統括パートナー・ホーチミン日本商工会議所(JCCH)副会頭・ダナン日本商工会議所(JCCID)副会頭の小野瀬貴久氏が参加し、パネルディスカッションが行われました。
日本とベトナムがパートナーシップを結ぶうえで知っておくべき文化の違いについて話が及ぶと、チャウ氏やチャー氏は、ベトナム人がギャップを感じやすい日本人の特徴として計画を重視することや時間の正確さをあげ、他国を訪れる前に異文化に対する学びを積み重ねておくことがカルチャーショックを乗り越える重要なポイントであると説きました。
また、ベトナムの日系企業とやり取りする機会が多いという小野瀬氏は、日本の文化との同化を強要する企業はビジネスで伸び悩む傾向があるとしたうえで、文化が異なる者同士が共に学び、共に成長する意識を持つ日系企業は成長が目覚ましいと述べました。
こうした意見を受け、宮森氏は日本の文化的特徴である「不確実性の回避」・「達成志向」と、ベトナムの特徴である「あいまいさの許容」・「生活の質志向」のコントラストが現れていると指摘しました。そして、どちらの考え方が正しいかという視点ではなく、これらの特徴や相違点を理解し合いバランスを取りながらコラボレーションしていくことが重要であると話しました。
三谷産業グループは来年、ベトナムで事業をスタートしてから30周年となる節目を迎えます。
今後も、ベトナムでの経験やネットワークを活かし、ベトナムにおける人材育成の取り組みに一層注力してまいります。
◆「Aureoleカンファレンス」概要
1. イベント名:Aureoleカンファレンス2023~クロスカルチャー・ファシリテーションによる組織進化~
2. 日時・会場:2023年11月13日(月)14:00~16:20 ※ベトナム時間
3. 参加者数:計301名(オンライン参加者含む)
4. プログラム:フエ伝統舞踊パフォーマンス
ご挨拶
主催者:三谷産業株式会社 取締役 三浦 秀平
ご来賓:トゥアティエンフエ省人民委員会計画投資局
副局長 Phan Quoc Son(ファン・クオック・ソン)氏
ご来賓:在ダナン日本国総領事館 総領事 矢ケ部 義則 氏
基調講演
「クロスカルチャー・ファシリテーションによる組織進化」
一般社団法人CQラボ主宰、アイディール・リーダーズ株式会社 Chief Culture Officer
宮森 千嘉子 氏
パネルディスカッション
<パネリスト>
◇一般社団法人CQラボ主宰、アイディール・リーダーズ株式会社 Chief Culture Officer
宮森 千嘉子 氏
◇トゥアティエンフエ省外務局
副局長 Do Thi My Chau(ドー・ティ・ミー・チャウ)氏
◇フエ大学外国語大学日本語日本文化学部
学部長Nguyen Thi Huong Tra(グエン・ティ・フオン・チャー)氏
◇EYベトナム 日系企業担当インドシナ統括パートナー
JCCH副会頭、JCCID副会頭 小野瀬 貴久 氏
<モデレーター>
◇三谷産業株式会社 ベトナム事業企画促進室
AUREOLE EXPERT INTEGRATORS INC. 取締役 木下 浩之
(補足情報)
【過去のAureoleカンファレンス開催実績】 https://www.mitani.co.jp/conference/
第1回 2015年(ハノイ):人材育成
第2回 2016年(ホーチミン):インターンシップとチームビルディング
第3回 2017年(ハノイ):Works as Team, Effort as a Team
第4回 2018年(ホーチミン):現場の活性化
第5回 2019年(ハノイ):コア人材の育成
第6回 2020年(Web会議):“新しい時代”の経営人材
2021年(動画配信):組織進化論 ※新型コロナウイルスの影響により開催せず。
第7回 2022年(ハノイ):The Key Is Engaging Leaders ~新しい組織の鍵は高度人材にあり~
【三谷産業グループについて】 https://www.mitani.co.jp/
石川県金沢市で創業して95年、ベトナムで創業して29年の複合商社です。北陸、首都圏、ベトナムを拠点に、化学品/情報システム/樹脂・エレクトロニクス/空調設備工事/住宅設備機器/エネルギーの6セグメントで事業を展開しています。商社でありながら、時にメーカーとして、また時にコンサルタントして、お客さまにとっての最適を追求するとともに、「創業90年を越えるベンチャー企業」として更なる進化へと挑戦しています。
2023年3月期:連結売上高90,416百万円/連結従業員数3,545名
【Aureoleグループについて】
三谷産業のベトナム子会社の総称をAureole(オレオ)グループと称しています。“Aureole”とは、フランス語で「栄光」を意味する言葉であり、ベトナム子会社の社名に冠しています。三谷産業は1994年にベトナム・ホーチミン市において事業を開始し、2023年11月現在ではベトナム国内において、現地子会社7社およびハノイ・ホーチミン駐在事務所合わせて17拠点、現地社員数は約2,400人の規模になりました。事業内容は、化学品・健康食品原料の製造・販売、自動車部品向け樹脂成形品の製造、建築設備のCAD設計やBIM事業、情報システムのオフショア開発・システムインテグレーションなど多岐にわたり展開しています。
<本件に関するお問い合わせ先>
日本窓口:三谷産業株式会社 経営企画本部 PR企画室 TEL:03-3514-6003(村石)
ベトナム窓口:三谷産業株式会社 ベトナム広報戦略室 TEL:+84-28-3821-9110(金山)
【ニュースレター】日越外交関係樹立50周年記念事業『Aureoleカンファレンス2023』を開催しました (1,261.33 KB)