2023/12/05

デュピクセント、COPDを対象とした2件目の第III相試験で増悪に対し有意な減少を示しFDAへの申請時期を早める見込み

サノフィ 株式会社 

2023 年 12 月 5 日

デュピクセント(R)、COPD を対象とした 2 件目の第 III 相試験で増悪に対し有意な減少を示しFDA への申請時期を早める見込み
COPD に対する初の生物学的製剤となる可能性をさらに裏付ける結果

? NOTUS 試験は主要評価項目を達成し、2 型炎症(好酸球数 300/μL 以上)を呈する中等症または重症の COPD 患者においてデュピクセント(R)が COPD の増悪(呼吸器症状の急激な悪化)に有意な減少をもたらし(プラセボ群より 34%低下)、ランドマーク試験である BOREAS 試験の結果を裏付けました。

? 12 週後の呼吸機能(FEV1)の改善度は、デュピクセント(R)群は 139 mL、プラセボ群は 57 mL で、デュピクセント(R)による有意な呼吸機能の改善が認められました。

? FDA への生物製剤承認一部変更申請(sBLA)は 2023 年末の予定です。

? 米国だけでも約 30 万人の患者さんが、2 型炎症を呈するコントロール不良の COPD に苦しんでいますが、約 10 年にわたり新規作用機序の治療薬が発売されておりません。

パリおよびニューヨーク州タリータウン、2023 年 11 月 27 日 ? 慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者を対象とするデュピクセント(R)(デュピルマブ)の 2 件目の第 III 相試験(NOTUS 試験)において、ランドマーク試験である第III 相 BOREAS 試験で発表された結果を裏付ける、COPD 増悪の有意な減少(34%減少)が示されました。また、NOTUS 試験では、12 週後の評価でデュピクセント(R)による呼吸機能の有意な改善が認められ、52 週後の評価でも効果の持続が認められました。

NOTUS 試験では、2 型炎症(好酸球数 300/μL 以上)を呈し、標準治療である 3 剤配合吸入薬を最大用量で用いてもコントロール不良の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者を対象に、デュピクセント(R)とプラセボを比較しました。今回得られたのは中間解析の結果ですが、主要評価項目の有効性が圧倒的に良好であったことを鑑みて、本試験の主要解析とみなし、サノフィとリジェネロンは、これらの試験データを、第 III 相 BOREAS 試験の結果とともに、年内に米国食品医薬品局(FDA)に提出する予定です。

Naimish Patel, M.D.

サノフィの免疫・炎症領域グローバル開発ヘッド

「COPD 患者さんを対象とした生物学的製剤の臨床試験において、2 件の第 III 相試験で COPD 増悪の有意かつ臨床的に意義のある減少が認められたのは、今回が初めてで、唯一のケースです。

10 年以上にわたり革新的な新薬が登場していなかった COPD 患者さんに向けて、より速やかにデュピクセント

(R)をお届けできる可能性があることを心より嬉しく感じています。これらの試験データは、デュピクセント

(R)は中等症から重症の COPD に対する治療が変革する可能性をもたらすという、私たちの信念を裏付けるものです。アンメットニーズのきわめて高いコントロール不良の COPD の患者さんに新たな治療法をお届けすべく、引き続き本剤の開発を進めてまいります。

COPD を対象とした 2 つめの生物学的製剤として、itepekimab の開発を進めており、データは2025 年に得られる見込みです。同プログラムでも良好な結果が得られれば、デュピクセント(R)とitepekimab は、増悪を繰り返す中等症から重症の COPD に苦しむ患者さんの約 8 割にお使いいただける治療薬となる可能性があります」

本資料は、サノフィ(フランス・パリ)が 2023 年 11 月 27 日(現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳・要約し、12 月 5 日に配信するものです。本資料の正式言語はフランス語・英語であり、その内容および解釈については両言語が優先します。日本で承認されている主な製品名および一般名についてはカタカナ表記をしています。

FDA は 2023 年、BOREAS 試験の肯定的な結果に基づき、デュピクセント(R)を COPD 増悪経験があり、好酸球性のコントロール不良な成人 COPD 患者に追加投与する治療薬として、ブレークスルーセラピーに指定しています。

ジョージ・D・ヤンコポウロス (George D. Yancopoulos, M.D., Ph.D.)

リジェネロン取締役会共同会長、社長兼最高科学責任者

「NOTUS 試験において COPD 増悪がプラセボ群に比べて 34%減少するなどの著しい結果が得られ、 1件目の第 III 相試験である BOREAS 試験で得られた顕著な結果が裏付けられたことに、私たちは大いに勇気づけられています。これらの結果は、2 型炎症が重要な役割を果たす全身の消耗衰弱を伴う慢性炎症性疾患がまた一つ明らかになったと同時に、2 型炎症に対してデュピクセント(R)が効果を発揮することを明らかにしたものです。私たちはデータを FDA に速やかに提出する予定です」NOTUS 試験では、40~85 歳の現喫煙者または元喫煙者である 935 名を対象にデュピクセント(R)(n=470)またはプラセボ(n=465)を標準治療の吸入薬の最大用量に追加投与しました。デュピクセント(R)群とプラセボ群との比較で、次の結果が得られました。

? 試験開始後 52 週間における中等度または重度の増悪の年間発現率(主要評価項目)が 34%低下しました(p=0.0002)。

? 重要な副次評価項目は、ベースラインから 12 週後および 52 週後までの呼吸機能の改善度で、12 週後の改善度はデュピクセント(R)群は 139 mL、プラセボ群は 57 mL でした(p=0.0001)。デュピクセント(R)群のプラセボ群に対する改善効果は 52 週後(デュピクセント(R)群 115 mL、プラセボ群54 mL、p=0.0182)まで持続しました。

安全性の評価結果は、これまでにデュピクセント(R)が承認された適応症において確認されている安全性プロファイルと概ね一致しました。 有害事象の発現率は、デュピクセント(R)群は 67%、プラセボ群は 66%でした。 デュピクセント(R)群の方がプラセボ群より発現率が高かった有害事象(デュピクセント(R)における発現率が 5%以上で、プラセボ群より 1%以上高い有害事象)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)(デュピクセント(R)群 9.4%、プラセボ群 8.2%)、鼻咽頭炎(デュピクセント(R)群 6.2%、プラセボ群 5.2%)、頭痛(デュピクセント(R)群 7.5%、プラセボ群 6.5%)でした。プラセボ群の方がデュピクセント(R)群より発現率が高かった有害事象は、COPD(プラセボ群 7.8%、デュピクセント(R)群 4.9%)でした。死亡に至った有害事象の発現率は、デュピクセント(R)群では 2.6%、プラセボ群では 1.5%でした。

NOTUS 試験の詳細な結果は、今後の学会で発表する予定です。

一方、1 件目の第 III 相試験である BOREAS 試験の結果は次の通りです。

NOTUS 試験の有効性の結果は、先に BOREAS 試験で発表された結果と同様でした。

? 試験開始後 52 週間における中等度または重度の増悪の発現数(主要評価項目)が 30%低下しました(p=0.0005)。

? ベースラインから 12 週後までの呼吸機能の改善度はデュピクセント(R)群は 160 mL、プラセボ群は 77 mL(p

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