2024/02/22

卵殻膜資源の産業利用研究をスタート 「バイオものづくり革命推進事業」契約をNEDOと締結

株式会社 ファーマフーズ 

2024 年2月 22 日
株式会社ファーマフーズ

卵殻膜資源の産業利用研究をスタート
「バイオものづくり革命推進事業」契約を NEDO と締結


株式会社ファーマフーズ(本社:京都市西京区、代表取締役社長:金武祚)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)が公募する「バイオものづくり革命推進事業」プロジェクトに応募し、昨年9月に採択されました。この度、NEDOと正式に契約締結し、今後5か年の研究開発事業がスタートすることとなりましたのでご報告いたします。

NEODバイオものづくり革命推進事業

バイオものづくり革命推進事業は、未利用資源の収集・原料化、微生物等の改変技術、生産・分離・精製・加工技術、社会実装に必要な制度や標準化等のバイオものづくりのバリューチェーン構築に必要となる技術開発及び実証を行うための委託・補助事業です。

バイオものづくりは、化学品・素材・繊維・燃料など多様な産業領域においても活用が見込まれており、従来の化石資源を原料とした様々な製造プロセスを置き換える「持続可能なものづくり」として、次世代の産業基盤となり、我が国の競争力の核となり得ることが期待されており、経済産業省は本事業に 5 か年で約 3000 億円という大型予算を計上した委託・補助事業となります。

改変酵素を用いた卵殻膜の総合的活用プラットフォームの構築

日本国内では年間 263 万トンの鶏卵が利用され、それに伴い 26 万トンの卵殻及び卵殻膜が産業廃棄物として発生しています。この廃棄物中には、機能性タンパク質資源である卵殻膜が、約1万トン含まれています。ファーマフーズは、この卵殻膜を衛生的に分離回収し、産業利用するサプライチェーンを構築し高付加価値分野への応用を目指しています。

繊維、農業及びEV電池など幅広い産業利用を試みる

今回、卵殻膜のアップサイクルによる、3つの領域における事業化が補助事業として採択されました。社会実装を見据え、NEDOの補助を受けながら、今後 5 年から 8 年間で総額 50 億円規模の研究開発投資及び設備投資を行っていきます。

(1) ハイブリッド繊維

卵殻膜加水分解物を再生セルロース繊維と混錬して繊維化することで、カシミヤ等の動物性繊維の物理的性質に近づくことを見出しています。本事業では需要の急拡大に伴い、市場価格の高騰が続くカシミヤの高品質な代替素材を開発し、アパレルメーカーへの販売を目指します。

(2) 新規蓄電素子材料

卵殻膜加水分解物をナノファイバー化することで、電気的特性に優れた蓄電素子の材料開発が可能であることを見出しました。今後、需要が急拡大する蓄電素子市場に向けて、メーカーへの原料販売を目指します。

(3) 農業用バイオスティミュラント(BS)ペプチド

ファーマフーズは、ENEOS株式会社と共にベンチャー企業へ出資して卵殻膜肥料販売会社を立ち上げ、家庭用園芸肥料の発売を計画しています。また、卵殻膜ペプチドの農作物への収量増大効果や耐病性などを評価し、良好な結果を得ています。日本国内において、農作物の収量向上についての定量的なエビデンスを持つBSの製品はまだ少なく、既存の販路を活用して市場への浸透を目指します。

卵殻膜のアップサイクルによる市場を創出する

卵殻膜衣類、電池素材及びバイオスティミュラントの3分野の研究開発と並行して、早期の市場進出のため大手の最終製品メーカーと協議を進めております。

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