2024/05/15

「低フリクションハブベアリング」シリーズを拡充 <新商品>

NTN 株式会社 


「低フリクションハブベアリング」シリーズを拡充2024年5月15日

  • 低トルクシール塗布グリースを適用した「低フリクションハブベアリングIV」と、さらに低トルク軸受内部グリースを適用した「低フリクションハブベアリングV」をシリーズに追加
  • 従来品比で最大約64%の低フリクション化、約0.75%の電費改善を実現

NTN株式会社(以下、NTN)は、さらなる低フリクション化を実現した「低フリクションハブベアリングIV」と「低フリクションハブベアリングV」を開発しました。「低フリクションハブベアリング」シリーズとして、従来品比で回転フリクションを最大で約64%低減するこれらの商品をグローバルのお客さまに提案し、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)をはじめとする各種車両の省燃費・電費化に貢献してまいります。

「低フリクションハブベアリングV」

ハブベアリングの適用箇所(赤丸部分)

開発の背景

NTNはタイヤの回転を支えるハブベアリングとして、寿命や強度などの基本性能を満たした上で回転フリクション(摩擦)を低減する「低フリクションハブベアリング」を2009年に開発しました。以来、インナーシールへのラビリンス構造(すきま)の設置によるシールリップ部の削減や、各種グリースの低粘度化などの改良により低フリクション化を追求し、「低フリクションハブベアリング」シリーズとしてグローバルに提供してまいりました。本シリーズはその低フリクション性能を高く評価され、数多くの車種に採用いただくことで自動車の省燃費・電費化に貢献しています。

一方、脱炭素化社会の実現に向けて、EVの開発・普及が加速する中で、航続距離の延長を目的にあらゆる面で省電費化が進められており、ハブベアリングにもさらなる低フリクション化が求められています。こうしたニーズに対応するため、NTNは2023年に従来のシリーズ商品にさらなる改良を加えた「低フリクションハブベアリングIV」を、そしてこのたび新商品として「低フリクションハブベアリングV」を新たに開発しました。

「低フリクションハブベアリングIV」について

アウターシールおよびインナーシールに新開発の低トルクシール塗布グリースを適用しました。グリースの基油を低粘度化したほか、基油を半固体状に保持する増ちょう剤を微細化することで、基油の保持力を下げずに増ちょう剤量を削減することに成功し、グリースのさらなる低粘度化を実現しました。これらの改良により、シール回転時のグリースによる抵抗を抑え、走行時における回転フリクションを低減しています。

「低フリクションハブベアリングV」について

「低フリクションハブベアリングIV」の軸受内部に、新開発の低トルクグリースを適用しました。本グリースは、基油の低粘度化と増ちょう剤の微細化によるグリースの低粘度化を図る一方で、軸受回転時にボールによって掻き取られたグリースが軌道面に再流入しないようグリース硬さ(ちょう度)を最適化することで、従来品比*1で最大約64%の低フリクション化を実現しています。これらにより、従来品比で電費を約0.75%改善*2し、一回の給電により航続距離を3km延長*3することが可能となります。

NTNは、お客さまの多様なニーズにお応えするこれらの「低フリクションハブベアリング」シリーズをグローバルに提案し、車両の省燃費・電費化およびさらなる航続距離の延長に貢献してまいります。

NTNは本商品を5月22日~24日にパシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」に出展いたします。

  1. 「低フリクションハブベアリング」シリーズの仕様を適用していない従来品
  2. 当社計算に基づいて算出。(ミディアムセグメントEV車のカタログ値をベースに算出した場合)
  3. 一充電走行距離400kmのEV車で算出した場合

新開発技術

低フリクションハブベアリングIVとVの比較

新開発技術 低フリクション
ハブベアリングIV
低フリクション
ハブベアリングV
低トルク
軸受内部グリース
低トルク
シール塗布グリース

○:適用

「低フリクションハブベアリング」シリーズ

お問い合わせ先

CVJアクスル事業本部 事業戦略ユニット マーケティング部 TEL:03-6713-3657

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