2024/05/14

新規次世代半導体材料を使用するパワー半導体の早期実現に向けて研究開発拠点を開所

株式会社 クオルテック 

クオルテック、新規次世代半導体材料を使用するパワー半導体の早期実現に向けて研究開発拠点を開所

低損失化、高耐圧化、小型化(省エネ・グリーン化、カーボンニュートラル)の面で優位性を持つ、新規次世代半導体材料GeO?半導体の製膜事業の早期参入を目指す

株式会社クオルテック

2024年5月15日 09時30分

株式会社クオルテック(本社:大阪府堺市、代表取締役社長:山口友宏、以下「クオルテック」)は、「滋賀県立テクノファクトリー(※1)」内に、新規次世代半導体材料を使用したパワー半導体の製膜における研究開発拠点を開所しました(2024年5月10日)。開所式にはクオルテックが本研究開発に関して資本業務提携し、「琵琶湖半導体構想(案)(※2)」を推進する立命館大学発ベンチャー、Patentix株式会社(本社:滋賀県草津市、代表取締役社長:衣斐豊祐、以下「PATENTIX」)も出席し、開所式を行いました。

写真:開所式におけるテープカットの様子

【本拠点開所の背景】

PATENTIX と同大学総合科学技術研究機構の金子健太郎教授/RARAフェローと共同で研究・技術開発を進めている、新規次世代半導体材料として注目される「二酸化 ゲルマニウム(GeO?)」の Phantom SVD(ファントム局所的気相成長)法による4 インチ Si ウエハ (100)上への製膜に世界で初めて成功しました(※3)。

これを機にクオルテックが二酸化ゲルマニウム薄膜の大面積化に向けて、GeO?薄膜の電気特性評価や膜中に存在する欠陥評価等を行い、高品質な GeO? エピ製膜技術の開発を進めていくために開所しました。

写真:4インチウエハ上に成長した二酸化ゲルマニウム

GeO?半導体は、シリコン(Si)やシリコンカーバイド(SiC)、窒化ガリウム(GaN)などに比べ、低損失化、高耐圧化、小型化の面で優位性を持ち、新規次世代半導体材料として有力視されています。

クオルテックの強みであるパワー半導体の信頼性評価技術を生かし、新規次世代半導体材料であるGeO?半導体(※4)のエピウェハの早期供給に向け、GeO?のルチル相などを分析・評価する多目的X線回折装置などを導入し、製膜試作や分析・評価に取り組みます。

PATENTIX社との資本業務提携の内容は、2023年12月27日のリリースをご覧ください。

【今後の予定】

今後は、半導体前工程における評価段階である研究開発および、量産に向けた試作フェーズとしてPATENTIXと共同研究開発に取り組み、2027年には、量産フェーズとしてGeO?半導体の製膜事業参入を目指します。

図:中期成長戦略より「今後のロードマップ」抜粋

<会社概要>

■株式会社クオルテック

代表取締役社長:山口友宏 本社所在地:大阪府堺市堺区三宝町4丁230番地

HP:https://www.qualtec.co.jp/

事業内容:

・半導体、電子部品の不良解析・信頼性試験の受託および新技術の開発

・品質管理を中心とした工場経営、実装技術に関するコンサルタント

・レーザ加工・表面処理(めっき)技術を中心とした微細加工

・試験装置の設計・開発・製造・販売

■Patentix株式会社

代表取締役社長:衣斐 豊祐

設立:2022年12月1日

本社所在地:滋賀県草津市野路東1丁目1番1号 立命館大学BKCインキュベータ

HP:https://www.patentix.co.jp/

事業内容:新規機能性材料の製造販売、各種研究成果の社会実装事業

<備考>

※1 滋賀県立テクノファクトリー:

滋賀県が新規事業や新分野を目指す方に向けて、独創技術や新製品の研究開発を行う場として、県工業技術総合センターや滋賀県立大学などにレンタルラボ「滋賀県立テクノファクトリー」を設置し、県内産業の振興を図ることを目的に整備された賃貸型工場施設です。

所在地:滋賀県草津市野路東7丁目3-46

※2 琵琶湖半導体構想(案): PATENTIX社 ホームページ参照

※3 この成果は、2023 年 11 月 15 日~17 日に立命館大学朱雀キャンパスで開催されている半導体実装技術に関する国際会議 “IEEE CPMT Symposium Japan (ICSJ) 2023”において、プラチナスポンサーである Patentix 株式会社のブースにて発表されました。

※4 GeO?半導体:(PATENTIX社ホームページより) GeO? は、ルチル構造、α石英構造、CaCl2 タイプ、α-PbO2 タイプ、pyriteタイプの5つの結晶多型をもちます。その中でもルチル構造r-GeO? は、4.6eVという巨大なバンドギャップをもち、n型、p型の両伝導が理論予測されている事から次世代の高性能Normally-off型MOSFET等への応用が期待されています。

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