2024/05/31

レンチウイルスベクター技術を用いた呼吸器疾患の遺伝子治療薬の共同研究開発におけるAlveoGeneのオプション権行使に関するお知らせ

株式会社 アイロムグループ 

2024 年 5 月 31 日

レンチウイルスベクター技術を用いた
呼吸器疾患の遺伝子治療薬の共同研究開発における
AlveoGene のオプション権行使に関するお知らせ


オックスフォード大学、エディンバラ大学及びインペリアル・カレッジ・ロンドンが設立したAlveoGene Limited (以下「AlveoGene」という)は、当社の 100%子会社である株式会社ID ファーマ(以下「ID ファーマ」という)の特許技術である F/HN シュードタイプ化レンチウイルスベクター(以下「F/HN-SIV」という)(※1)の技術を用いた遺伝子治療薬の開発を、ID ファーマと Imperial College Innovations Limited(以下「ICIL」という)(※2)とのライセンス契約に基づくサブライセンス権を通して推進しています。

この度、AlveoGene は、希少肺疾患である α1-アンチトリプシン欠乏症(AATD)(※3)を含む呼吸器疾患の遺伝子治療薬(以下AATD を対象にした遺伝子治療薬を「AATD 遺伝子治療薬」という)の開発において、開発を加速し早期の臨床試験の開始を目指し、ICIL とのライセンス契約におけるオプション権を行使することを決定しました。このオプション権行使によりID ファーマが収益分配金を受領することが確定しました。

1.AATD 遺伝子治療薬の共同研究開発について

ID ファーマは、2018 年 9 月 13 日付のニュースリリース「独ベーリンガーインゲルハイム、英国嚢胞性線維症遺伝子治療コンソーシアム、他2者が、当社子会社が開発したベクター技術に基づく嚢胞性線維症の遺伝子治療薬の共同研究開発を開始しました。」のとおり、英国嚢胞性線維症遺伝子治療コンソーシアム(GTC)(※4)と共同研究開発契約を締結し、F/HN-SIV を用いて嚢胞性線維症(CF)の遺伝子治療薬の研究開発を進めています。

同レンチウイルスベクター技術(F/HN-SIV)を用いて他の希少肺疾患に応用できる吸入療法による遺伝子治療の開発を進めるべく、オックスフォード・サイエンス・エンタープライズ、ハリントンディスカバリー研究所及びオールド カレッジ キャピタルから資金提供を受けAlveoGene が設立されました。若年性肺気腫を引き起こす遺伝性疾患である AATDを最初の開発対象疾患としています。

2.オプション権行使について

ID ファーマは、ICIL とのライセンス契約により、呼吸器疾患遺伝子治療薬の共同研究開発において発生する収益について分配を受ける権利を有しています。この権利に基づき、CF を除き、呼吸器疾患遺伝子治療薬の共同研究開発における AlveoGene のオプション権行使による行使料の分配をICIL より受領いたします。

※1.F/HN シュードタイプ化レンチウイルスベクター(F/HN-SIV)について

ID ファーマと GTC 等との共同研究において、ID ファーマの基盤技術であるセンダイウイルスベクターは気道上皮細胞に高効率に遺伝子導入できることが示されました。F/HN シュードタイプ化レンチウイルスベクターには効率良く気道伝達を促進するセンダイウイルスベクターの表面タンパク質F および HN が含まれています。(レンチウイルスの本来の表面タンパクに代わってF/HN を持たせるため「シュードタイプ化」と呼ばれます)。

2024 年 5 月 31 日

※2.Imperial College Innovations Limited(ICIL)について
インペリアル・カレッジ・ロンドンの子会社であり、Imperial Enterprise によって運営されています。

※3.α1-アンチトリプシン欠乏症(AATD)について
タンパク質分解酵素を阻害する作用をもつ血中のα1-アンチトリプシンが欠乏することによって、若年性に肺気腫を生じ、労作時呼吸困難や咳・痰といった症状をきたす遺伝性疾患です。

※4.英国呼吸器遺伝子治療コンソーシアム(GTC)について
https://www.respiratorygenetherapy.org.uk/
呼吸器疾患の遺伝子治療の開発を目指して2001 年に設立された共同運営体です。インペリアル・カレッジ・ロンドン、オックスフォード大学、エディンバラ大学の3大学によって構成されています。英国嚢胞性線維症遺伝子治療コンソーシアムとしても活動しています。

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