医師主導治験で半月板損傷に対するシルクエラスチンの安全性を確認－半月板の修復・再生用医療機器への承認を目指した多施設共同の企業治験へ－
三洋化成工業 株式会社2024 年 5 月 21 日
医師主導治験で半月板損傷に対するシルクエラスチンの安全性を確認
半月板の修復・再生用医療機器への承認を目指した多施設共同の企業治験へ
三洋化成工業株式会社
広島大学病院
広島大学病院において半月板損傷患者（半月板縫合術）を対象にしたシルクエラスチンを用いる新たな治療法の医師主導治験を実施し、その安全性が確認されました。シルクエラスチンは、生体組織の修復・再生促進の足場としての高い可能性がある機能性タンパク質です。
この成果を受けて、今後は三洋化成工業株式会社が中心となり広島大学らとともに、有効性を確認する目的の企業治験を実施し、事業化に向けた研究開発を推進してまいります。
【概要】
広島大学大学院医系科学研究科整形外科学（教授：安達伸生、准教授（研究当時、現・香川大学医学部教授）：石川正和、以下「広島大学」）は、三洋化成工業株式会社（本社：京都市東山区、代表取締役社長：樋口章憲、以下「三洋化成」）との共同研究において、シルクエラスチンが半月板再生を促進させる効果があることを見出しました。この結果をもとに、シルクエラスチンの安全性確認を目的とする医師主導治験を 2022 年 6 月から広島大学病院で実施し、シルクエラスチン（P47K-WAS-MR）の安全性が確認されました。
医師主導治験の結果を受け、2025 年春より有効性の評価を主軸とした企業治験へ移行します。本企業治験は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の医工連携イノベーション推進事業にて、研究開発課題「半月板根治を目指す革新的治療技術の開発及び事業化」として支援を受け、実施いたします。研究開発課題の詳細は以下の通りです。
事業名 ：令和６年度 医工連携イノベーション推進事業
課題名 ：半月板根治を目指す革新的治療技術の開発及び事業化
研究者 ：三洋化成工業株式会社、国立大学法人広島大学、
国立大学法人香川大学、広陵化学工業株式会社
期間 ：2024 年 5 月～2027 年 3 月（予定）
計画 ：医師主導治験をベースとした企業治験の実施
ユーザビリティ性の高い製品形態の設計（容器や包装資材の設計等）
【背景】
膝をはじめとする関節の機能は、加齢や肥満により低下することで運動機能低下のリスクを生み、いわゆる「ロコモティブシンドローム」に大きく影響を及ぼします。特に歩行を司る膝関節の軟骨や半月板は、運動の衝撃を吸収するクッションとしてはたらき、関節の摩擦を低減して膝を滑らかに動かすための重要な組織です。しかし、加齢やスポーツなどにより、軟骨や半月板が損傷・変形するなどした場合、変形性膝関節症につながり、慢性的な痛みから日常生活にも支障をきたします。
近年、膝関節疾患の根治のためには、膝関節軟骨の修復だけでなく、半月板の修復・再生が重要であることが明らかになってきました。しかし、半月板は血行に乏しく、一度損傷すると修復されにくいことから、やむを得ない場合は半月板を切除する治療が主流です。しかし半月板の切除は一部であっても膝の機能に大きな影響を及ぼし、後に変形性膝関節症を生じて曲げ伸ばしや歩行が困難になるため、できるだけ温存することが望まれています。
このような社会的背景から、膝関節疾患の治療分野をリードしてきた広島大学安達伸生教授らの研究グループは、ロコモティブシンドロームの原因の中で変形性膝関節症に着目し、三洋化成が有するシルクエラスチンを応用して膝関節軟骨と半月板の双方を再生する“究極の根治”をコンセプトに掲げて、共同研究開発を進めています。
なお、本研究開発は、AMED より以下の支援を受け実施されました。
・2018 年 9 月から「産学連携医療イノベーション創出プログラム(ACT-MS)」
（課題名：革新的半月板損傷治療技術の創生研究）
・2020 年 8 月から「産学連携医療イノベーション創出プログラム(ACT-M)」
（課題名：半月板損傷根治を目指す革新的治療技術の創生研究）
【今後の予定】
今回の医師主導治験は、シルクエラスチンスポンジの安全性確認、課題の抽出、有効性の評価指標の確立を目的としており、いずれも達成することができました。 シルクエラスチンを用いる治療法は、これまでは半月板を切除しなければならなかった患者様に対して、半月板を温存し、半月板を修正・再生する新たな治療法となることが期待できます。今後、企業治験において有効性を示すことができれば、世界へ与えるインパクトは極めて大きいと考えられます。
2025 年春より実施する企業治験で有効性の確認を行い、医療機器としての早期承認を目指します。
公式ページ（続き・詳細）はこちら
https://www.sanyo-chemical.co.jp/wp/wp-content/uploads/2024/05/k20240521.pdf
医師主導治験で半月板損傷に対するシルクエラスチンの安全性を確認
半月板の修復・再生用医療機器への承認を目指した多施設共同の企業治験へ
三洋化成工業株式会社
広島大学病院
広島大学病院において半月板損傷患者（半月板縫合術）を対象にしたシルクエラスチンを用いる新たな治療法の医師主導治験を実施し、その安全性が確認されました。シルクエラスチンは、生体組織の修復・再生促進の足場としての高い可能性がある機能性タンパク質です。
この成果を受けて、今後は三洋化成工業株式会社が中心となり広島大学らとともに、有効性を確認する目的の企業治験を実施し、事業化に向けた研究開発を推進してまいります。
【概要】
広島大学大学院医系科学研究科整形外科学（教授：安達伸生、准教授（研究当時、現・香川大学医学部教授）：石川正和、以下「広島大学」）は、三洋化成工業株式会社（本社：京都市東山区、代表取締役社長：樋口章憲、以下「三洋化成」）との共同研究において、シルクエラスチンが半月板再生を促進させる効果があることを見出しました。この結果をもとに、シルクエラスチンの安全性確認を目的とする医師主導治験を 2022 年 6 月から広島大学病院で実施し、シルクエラスチン（P47K-WAS-MR）の安全性が確認されました。
医師主導治験の結果を受け、2025 年春より有効性の評価を主軸とした企業治験へ移行します。本企業治験は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の医工連携イノベーション推進事業にて、研究開発課題「半月板根治を目指す革新的治療技術の開発及び事業化」として支援を受け、実施いたします。研究開発課題の詳細は以下の通りです。
事業名 ：令和６年度 医工連携イノベーション推進事業
課題名 ：半月板根治を目指す革新的治療技術の開発及び事業化
研究者 ：三洋化成工業株式会社、国立大学法人広島大学、
国立大学法人香川大学、広陵化学工業株式会社
期間 ：2024 年 5 月～2027 年 3 月（予定）
計画 ：医師主導治験をベースとした企業治験の実施
ユーザビリティ性の高い製品形態の設計（容器や包装資材の設計等）
【背景】
膝をはじめとする関節の機能は、加齢や肥満により低下することで運動機能低下のリスクを生み、いわゆる「ロコモティブシンドローム」に大きく影響を及ぼします。特に歩行を司る膝関節の軟骨や半月板は、運動の衝撃を吸収するクッションとしてはたらき、関節の摩擦を低減して膝を滑らかに動かすための重要な組織です。しかし、加齢やスポーツなどにより、軟骨や半月板が損傷・変形するなどした場合、変形性膝関節症につながり、慢性的な痛みから日常生活にも支障をきたします。
近年、膝関節疾患の根治のためには、膝関節軟骨の修復だけでなく、半月板の修復・再生が重要であることが明らかになってきました。しかし、半月板は血行に乏しく、一度損傷すると修復されにくいことから、やむを得ない場合は半月板を切除する治療が主流です。しかし半月板の切除は一部であっても膝の機能に大きな影響を及ぼし、後に変形性膝関節症を生じて曲げ伸ばしや歩行が困難になるため、できるだけ温存することが望まれています。
このような社会的背景から、膝関節疾患の治療分野をリードしてきた広島大学安達伸生教授らの研究グループは、ロコモティブシンドロームの原因の中で変形性膝関節症に着目し、三洋化成が有するシルクエラスチンを応用して膝関節軟骨と半月板の双方を再生する“究極の根治”をコンセプトに掲げて、共同研究開発を進めています。
なお、本研究開発は、AMED より以下の支援を受け実施されました。
・2018 年 9 月から「産学連携医療イノベーション創出プログラム(ACT-MS)」
（課題名：革新的半月板損傷治療技術の創生研究）
・2020 年 8 月から「産学連携医療イノベーション創出プログラム(ACT-M)」
（課題名：半月板損傷根治を目指す革新的治療技術の創生研究）
【今後の予定】
今回の医師主導治験は、シルクエラスチンスポンジの安全性確認、課題の抽出、有効性の評価指標の確立を目的としており、いずれも達成することができました。 シルクエラスチンを用いる治療法は、これまでは半月板を切除しなければならなかった患者様に対して、半月板を温存し、半月板を修正・再生する新たな治療法となることが期待できます。今後、企業治験において有効性を示すことができれば、世界へ与えるインパクトは極めて大きいと考えられます。
2025 年春より実施する企業治験で有効性の確認を行い、医療機器としての早期承認を目指します。
公式ページ（続き・詳細）はこちら
https://www.sanyo-chemical.co.jp/wp/wp-content/uploads/2024/05/k20240521.pdf