2024/06/13

汽水・海水環境下で土壌・地下水を浄化できるデハロゲニモナス属細菌の単離に成功

清水建設 株式会社 

汽水・海水環境下で土壌・地下水を浄化できるデハロゲニモナス属細菌の単離に成功

~塩分濃度4%の環境下で塩素化エチレン類を無害化~

  • エンジニアリング
  • 環境

2024.06.13

清水建設株式会社
国立大学法人名古屋工業大学

清水建設(株)<社長 井上和幸>と国立大学法人名古屋工業大学<学長 小畑誠>は、共同でこのほど、汽水・海水環境下において、土壌や地下水に存在する塩素化エチレン類を安定的に脱塩素化できる微生物「デハロゲニモナス属細菌NIT-SK1株」を発見し、単離することに成功しました。本細菌の微生物反応により、塩分濃度の高い汚染土壌・地下水を浄化することが可能となり、沿岸部サイト等における土壌汚染対策工事の低コスト化、CO2排出削減を実現できます。

トリクロロエチレン等の塩素化エチレン類で汚染された土壌・地下水の浄化手法として、微生物反応を用いて汚染土壌を脱塩素化するバイオレメディエーションが注目されています。この手法は、汚染土壌を浄化施設まで運搬する従来手法と比べて、コストを半減でき、CO2排出量についても大幅な削減効果が見込めます。一方、脱塩素化活性を有する既知の細菌は、地下水の塩分濃度が1%を超えると脱塩素化反応が抑制され、汽水・海水環境下では十分な浄化性能を発揮できないという課題がありました。

このたび単離に成功したデハロゲニモナス属細菌NIT-SK1株は、塩分濃度4.0%(海水の塩分濃度は約3.6%)の模擬地下水環境下でも、トリクロロエチレンを無害なエチレンに安定的に還元できることが確認されており、汽水・海水環境下の土壌汚染対策工事への適用が見込めます。バイオレメディエーションの適用に際しては、これまで、汚染土壌に栄養剤を注入して土着の微生物を活性化させる方法が主流となっていましたが、本細菌を活用することで、サイト内に有用な微生物が存在しない現場でも、原位置での土壌・地下水浄化が可能になります。

両者は、汽水・海水環境下の土壌汚染対策工事を対象に、本細菌を活用したバイオレメディエーションを展開し、地球環境に配慮したサステナブルな社会の実現に寄与していく考えです。

以上

≪参 考≫

単離されたデハロゲニモナス属細菌NIT-SK1株

本プロジェクトに関するお問い合わせ先

清水建設株式会社
コーポレート・コミュニケーション部
TEL:03-3561-1186
e-mail:shimzkoho@shimz.co.jp
名古屋工業大学
企画広報課
TEL:052-735-5647
e-mail:pr@adm.nitech.ac.jp

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