2024/06/14

【社長会見】東海道新幹線 N700Sの追加投入について

東海旅客鉄道 株式会社 

2024年6月14日

東海旅客鉄道株式会社

東海道新幹線 N700Sの追加投入について

当社では、安全性、安定性、快適性、環境性能などを更に向上させたN700Sの投入を進めています。

このたび、2026年度から2028年度にかけて、17編成のN700Sを追加投入 することとしました。これにより、当社のN700Sは合計76編成となります。 今回投入するN700Sでは、東海道新幹線の安全性・安定性を更に向上するとともに、異常時対応能力を強化し、環境負荷を低減します。 なお、一部編成に、かねてより技術開発を行っていた地上設備の検測装置を搭載することにより、新幹線電気軌道総合試験車(以下、ドクターイエロー)による検査を代替します。 その他、自動座席転回機能を搭載し、整備作業を省力化します。

1.今回投入するN700Sの特長

(1)安全性・安定性の向上、異常時対応能力の強化(別紙1・2)

①営業車検測機能の搭載
・今回投入するN700Sの一部編成に営業車検測機能を搭載することで、現在ドクターイエローで行っている検査を代替可能となります。これにより、2027年以降はドクターイエローによる検査を取りやめ、営業車による検査に移行します。

・既にお知らせしておりますが、上記に加え、新たな検測機能として、電車線設備の画像を解析して設備の異常を検知する機能や、画像および点群データから軌道材料の状態を詳細に把握できる軌道材料モニタリング機能などを搭載します。

・これらにより、営業車両でドクターイエローと同等以上のデータを高頻度で取得可能となり、設備の安全性・信頼性が向上するとともに、係員が現地で実施している検査業務の一部の代替が可能となり、電気設備・軌道設備に関する保守作業を更に省力化します。

②飛来物検知機能の搭載
・パンタグラフを監視する装置に、画像解析機能を付加することにより、パンタグラフへの飛来物付着等を検知して運転士や指令所の係員に通知する機能を設けます。これにより、より早期の異常検知が可能となり、重大事故の未然防止につながります。

③車両データ伝送機能の強化
・これまで本線走行中に車両故障等が発生した場合、一部の車両データを指令所等関係箇所へリアルタイムで伝送していましたが、伝送する車両データを増やし、より詳細に車両状態を把握できるようにします。これにより、運転再開の早期化を図ります。

④バッテリによる空調稼働機能の追加
・N700Sから導入したバッテリ自走システムを活用し、停電時において自然災害など外部要因により運転できない場合には、バッテリによって空調を稼働させる機能を新たに設けます。これにより、停電時の車内環境を改善します。

(2)環境負荷の低減(別紙3)
①再生アルミ部材の適用範囲の拡大
・2023年度から追加投入しているN700Sでは、新幹線車両に使用されていたアルミ部材をリサイクルし、車体の一部(屋根部)に使用しています※。このたび、再生アルミ部材の適用範囲を車体側面の一部にも拡大し、再生アルミ部材の適用範囲が従来の約1.6倍となります。これにより、リサイクルを推進し、環境負荷を低減します。

※ 2023年度 日本アルミニウム協会賞「開発賞」受賞

②架線電圧を維持する機能の搭載(既にプレスリリース済)
・既にお知らせしておりますが、これまで地上装置で実施してきた架線電圧を維持する機能を、車両に搭載します。これにより、電力補償装置などの変電所機能の一部を削減することができ、東海道新幹線の全編成にこの機能の導入が完了した際には、CO2排出量を年間約1万トン削減できる見込みです。

(3)整備作業の省力化(別紙4)
①自動座席転回装置の搭載
・車両整備の際に客室の座席を自動で転回させる装置を、一部の号車に搭載します。これにより、車内整備作業を省力化します。

2.追加投入計画

年度
2026
2027
2028


編成数



17

3.改造工事

・既存のN700Sに、今回投入するN700Sの飛来物検知機能の追加、車両データ伝送機能の強化等、一部機能を追加する改造工事を実施します。

公式ページ(続き・詳細)はこちら
https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000043624.pdf

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