2024/05/20

Mim8の週1回投与および月1回投与は、血友病A患者における治療を要する出血エピソードの減少に関し、出血時治療および本剤投与前の定期補充療法に対する優越性を示した (Frontier2試験)

ノボノルディスクファーマ 株式会社 

ノボ ノルディスク ファーマ株式会社
2024 年 5 月 20 日
PRESS-24-14

本資料は、ノボノルディスク (デンマーク本社) が、5 月 13 日に発表したプレスリリースを翻訳したもので、報道関係者の皆さまへ参考資料として提供するものです。内容や解釈については、正式言語である英語が優先されます。英文オリジナル版は、こちら(novonordisk.com) をご参照ください。本製剤は日本を含めて現在開発中であり、未承認です。

Mim8 の週 1 回投与および月 1 回投与は、血友病 A 患者における治療を要する出血エピソードの減少に関し、出血時治療および本剤投与前の定期補充療法に対する優越性を示した (Frontier2 試験)

デンマーク・バウスヴェア、2024 5 13 -ノボ ノルディスクは本日、患者 254 例を対象にした 26 週間の非盲検、無作為割り付け、多群間比較、多施設共同の第3a 相主要試験である FRONTIER 2 試験の主要な結果を発表しました。本試験はインヒビター保有の有無にかかわらず12 歳以上の血友病 A 患者を対象に、Mim8 の週 1 回皮下投与および月 1 回皮下投与の有効性・安全性を定期補充療法なし (出血時治療)と、また、本剤投与前に実施していた血液凝固因子製剤による定期補充療法と比較・検討しました。

本試験は2 つの主要評価項目を達成し、Mim8 の週 1 回投与、月 1 回投与とも、定期補充療法なし (出血時治療) または本剤投与前の血液凝固因子製剤による定期補充療法に比べ、治療を要する出血エピソードの回数を統計的に有意に減少させました。

Mim8 の週 1 回投与および月 1 回投与は、定期補充療法を受けていない出血時治療の患者に比べ治療を要する出血回数がそれぞれ97%および 99%減少し、統計的に有意な差が示されました。定期補充療法を受けていない(出血時治療) 群ではすべての患者で治療を要する出血が見られましたが、Mim8 を週 1 回投与した患者の86%、Mim8 を月 1 回投与した患者の 95%で治療を要する出血が報告されませんでした。

本剤投与前に血液凝固因子製剤による定期補充療法を実施していた患者を対象にした患者内比較において、Mim8 の週 1 回投与および月 1 回投与では、本剤投与前の血液凝固因子製剤による定期補充療法(Mim8 投与開始前 26~52 週間の導入期間中) と比較して、治療を要する出血回数が、それぞれ48%および43%減少し、統計的に有意な差が示されました。

さらに、Mim8 を週 1 回投与した患者の 66%、Mim8 を月1 回投与した患者の 65%で治療を要する出血が認められませんでした。

これまでの試験と同様に本試験でも、Mim8 の安全性および忍容性プロファイルは良好であり、死亡および血栓塞栓性事象を発現した患者は報告されませんでした。

ノボノルディスクの開発部門エグゼクティブ バイス プレジデントであるマーチン ホルスト ランゲは次のように述べています。「FRONTIER 2 臨床試験からポジティブな結果が得られて、非常に嬉しく思います。これらのデータは、投与頻度にかかわらず、血友病A 患者さんの出血エピソードを有効かつ安全に抑制する Mim8 の能力を示しています。血友病A とともに生きる人々のニーズが異なることを考えると、利便性の高い製剤の週1 回投与や月 1 回投与による治療は、インヒビター保有の有無にかかわらず、血友病 A とともに生きる人々に治療の選択肢と柔軟性を提供できると考えます。」

規制当局と協議中ではありますが、ノボノルディスクは 2024 年末に米国において、その後順次他の国においてもMim8 の製造販売承認申請を行うことを目指しています。FRONTIER 2 を含む第 3 相試験であるFRONTIER プログラムのデータは、これから開催される学会や論文で 2024 年と 2025 年に発表される予定です。

血友病について

血友病は止血に必要なプロセスである血液凝固能に異常が生じる希少疾患です。世界中で血友病患者数は約112 万 5,000 人と推定されており、血友病 A は血友病全体の 80~85%を占めると推定されます。X 連鎖性潜性遺伝(劣性遺伝) に関連した希少疾患という性質のため、女性よりも男性に多くみられ、世界中で血友病と診断される方のうち、およそ88%は男性です。血友病には異なるタイプがあり、機能が低下している、あるいは欠乏している凝固因子の種類によって特徴づけられます。血友病A は血液凝固第Ⅷ因子 (FVIII) が欠乏あるいは機能が低下していることで引き起こされます。血友病患者さんの中にはインヒビターを発生する方もいますが、インヒビターがあると補充療法として使われる血液凝固因子に対する免疫システムの反応が起こり、治療の効果がなくなります。現在、血友病A とともに生きる人の 30%がインヒビターを保有していると推定されます。

Mim8 について

Mim8 はインヒビターを保有する、または保有しない血友病 A 患者さんに対する週 1 回、または月 1 回投与による出血傾向を抑制する目的でFVIIIa 機能を代替する次世代のバイスペシフィック抗体です。皮下投与を行うと、活性化されたMim8 は血液凝固第 IXa/X 因子 (FIXa/FX) を架橋し、欠損している FVIII の機能を代替し、血液凝固を促進するトロンビン産生能を効果的に回復させます。

FRONTIER プログラムについて

FRONTIER 臨床開発プログラムは、インヒビター保有あるいは非保有の血友病 A 患者に対する Mim8 による出血傾向の抑制を検討するプログラムです。第3 相試験プログラムには以下が含まれます。

FRONTIER 2 試験-インヒビターを保有する、または保有しない 12 歳以上の血友病 A 患者を対象とした 52週間の第3 相試験です。本試験では、26~52 週間の導入期間を設定しました。本試験では、Mim8 の週 1回投与および月1 回投与の有効性および安全性を、定期補充療法未実施 (出血時治療) の患者または本剤投与前の血液凝固因子製剤による定期補充療法と比較しました。主要期間である26 週が完了し、26 週間の延長期間を現在実施中です。

FRONTIER 3 試験-インヒビターを保有する、または保有しない血友病 A の小児患者 (1~11 歳) を対象に、安全性および有効性を検討する52 週間の第 3 相試験です。本試験では、患者は試験開始後 26 週間Mim8 の週 1 回投与を受け、その後、Mim8 の月 1 回投与を選択することができます。

FRONTIER 4 試験-FRONTIER 第 2 相試験および第 3 相試験に参加した患者が参加する非盲検延長試験です。本試験でMim8 の長期安全性データを収集することができると考えています。

FRONTIER 5 試験-インヒビターを保有する、または保有しない青年及び成人血友病 A 患者を対象として、エミシズマブからMim8 に切り替えた後の Mim8 の薬物動態、薬力学および安全性を検討する 26 週間の第3 相試験です。

ノボ ノルディスクについて

ノボノルディスクは、1923 年創立のデンマークに本社を置く世界有数のヘルスケア企業です。私たちのパーパスは、糖尿病で培った知識や経験を基に、変革を推進し深刻な慢性疾患を克服することです。その目的達成に向け、科学的革新を見出し、医薬品へのアクセスを拡大するとともに、病気の予防ならびに最終的には根治を目指して取り組んでいます。ノボノルディスクは現在 80 カ国に約 66,000 人の社員を擁し、製品は約 170 カ国で販売されています。日本法人のノボ ノル デ ィ ス クフ ァ ー マ 株 式 会 社 は 1980 年 に 設 立 さ れ ま し た 。 詳 細 は ウ ェ ブ サ イ ト を ご 覧 く だ さ い 。 (www.novonordisk.co.jp)

本資料は、本町記者会へ配布させていただきます。

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