2024/06/24

GSK、ベンリスタ皮下注200mgオートインジェクター、小児の用法・用量追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得

グラクソ・スミスクライン 株式会社 

24 June 2024

GSK、ベンリスタ皮下注200mgオートインジェクター、小児の用法・用量追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得

グラクソ・スミスクライン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:ポール・リレット、以下GSK)は、本日、「ベンリスタ皮下注200mgオートインジェクター」(一般名:ベリムマブ(遺伝子組換え)、以下ベンリスタ)について、既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス(以下SLE)における5歳以上の小児の用法・用量追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得したことをお知らせします。本承認は、日本も含む小児を対象とした国際共同治験の結果に基づくもので、米国に続く世界で2番目の承認となります。

ベンリスタが対象となる小児SLE患者さんでは、ステロイドおよび標準的な免疫抑制剤にて十分な効果が得られない患者さんが多く、代替治療の選択肢が限られているといわれています。既にベンリスタ点滴静注用製剤は5歳以上の小児SLE患者さんに対する用法・用量が承認されていますが、小児患者さんにおいて治療コンプライアンスを改善できる剤形として、皮下注製剤に対するニーズがありました。

本承認により、皮下注射が可能になることで、点滴静注のための処置室での時間短縮が期待されるとともに、静脈内投与が困難な患者さんに対しても新たな治療選択肢を提供できることになります。

GSK代表取締役社長のポール・リレットは次のように述べています。
「日本において、ベンリスタ皮下注200mgオートインジェクターの小児の用法・用量追加の承認をお知らせできることを嬉しく思います。小児SLEでは、一般に成人SLEと比べてより病気の進行が早く、重篤な経過をたどる傾向があります1。本承認がSLEとともに生きる小児患者さんとその保護者の皆さまの負担軽減につながることを願っています。」

ベンリスタ皮下注200mgオートインジェクターへ新たに追加された用法・用量として、5歳以上の小児に、ベリムマブ(遺伝子組換え)1回200mgを、体重に応じた間隔で皮下注射します(体重40kg以上:1週間の間隔、体重15kg以上40kg未満:2週間の間隔)。

なお、本承認は、ベンリスタ皮下注製剤のうち「ベンリスタ皮下注200mgオートインジェクター」のみです。「ベンリスタ皮下注200mgシリンジ」では5歳以上の小児を対象とした承認は取得していません。

ベンリスタ(一般名:ベリムマブ(遺伝子組換え))について
ベンリスタは可溶性BLySに高親和性に結合し、その生物活性を阻害する完全ヒト型モノクローナル抗体です。BLySは、B細胞の生存および分化を促進する因子(リガント)であり、B細胞の免疫グロブリン産生形質細胞の生存および分化に重要な役割を果たしています。SLE患者さんでは、BLySの増加によって自己反応性B細胞が活性化され、炎症を促進する自己抗体が産生されます。ベンリスタはB細胞に直接結合せず、BLySに結合することにより、自己反応性B細胞の生存および分化を阻害します。

ベンリスタの点滴静注用製剤および皮下注製剤は、標準治療を受けており、疾患活動性を有する自己抗体陽性のSLEの成人患者さんの治療薬として、現在、欧米を含む世界各国で承認されています。小児SLEに対しては、点滴静注用製剤で5歳以上の小児の用量追加に係る承認を、欧米を含む15を超える国または地域で取得しています。

日本においては、「既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス」を効能・効果として、2017年9月に点滴静注用製剤および皮下注製剤の製造販売承認を取得しました。その後、小児SLEに対しては、点滴静注用製剤で5歳以上の小児の用量追加に係る製造販売承認を2019年9月に取得しています。

全身性エリテマトーデス(SLE)について
全身性エリテマトーデス(SLE)は、関節の痛みと腫脹、極度の疲労、原因不明の発熱、皮膚発疹、および臓器障害など、時間の経過とともに変動するさまざまな症状を伴う慢性の難病自己免疫疾患です。日本全国に約6~10万人ほどの患者さんがいると考えられています2。SLE患者さんの多くは15~40歳の女性であり、その約10~20%が20歳までに発症します3

小児SLEの罹患率および有病率は年齢とともに上昇し、9歳以下の小児がSLEと診断されることは稀です4。小児SLEに対する治療には、成人と同様、主にステロイドや免疫抑制剤が使用されるものの、小児患者における疾患活動性は成人と比べて高く、高用量のステロイドや高頻度の免疫抑制剤が使用されます。このような治療は、慢性臓器障害の増加の一因となり、重大な副作用を引き起こす可能性があります。そのため、これらの標準治療で疾患活動性を十分にコントロールできない小児SLE患者さんでは、他の治療選択肢が限られており、アンメットメディカルニーズが高い状況です。

グラクソ・スミスクライン(GSK)について
GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。GSKは、免疫学、遺伝学、先端テクノロジーを駆使し、感染症、免疫・呼吸器疾患、オンコロジーをはじめとする疾患領域の研究開発に注力しています。そして、ワクチン、スペシャリティ医薬品、ジェネラル医薬品を通じて、病気の予防と治療に貢献します。詳細情報はhttps://jp.gsk.comをご参照ください。

本日、GSKの3製品で小児に関わる承認を同日取得しました

1 参考資料:小児SLE診療の手引き2018
2 Malattia C, Martini A. Paediatric-onset systemic lupus erythematosus. Best Pract Res Clin Rheumatol. 2013;27(3): 351-62.
3 Tucker LB, Uribe AG, Fernandez M, et al. Adolescent onset of lupus results in more aggressive disease and worse outcomes: results of a nested matched case-control study within LUMINA, amultiethnic US cohort (LUMINA LVII). Lupus. 2008;17(4):314-22.
4 Hiraki, 2012; Lim, 2009; Nightingale, 2007; Somers, 2007.

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