2024/06/25

レーザーシステム開発会社のARIEL Photonics Assembly Limited(イスラエル)への出資に関するお知らせ

湖北工業 株式会社 

2024 年 6 月 25 日
湖 北 工 業 株 式 会 社

レーザーシステム開発会社の ARIEL Photonics Assembly Limited(イスラエル)への出資に関するお知らせ

湖北工業株式会社(本社:滋賀県長浜市、代表取締役社長 石井太、証券コード:6524)は、レーザーシステム及びモジュール開発会社である ARIEL Photonics Assembly Limited(以下 ARIEL 社、所在地 イスラエル、代表者 CEO:Vladimir Krupkin)に対する 4,578 千ドルの出資(約 7 億円)を決定し、ARIEL 社の全株式の14.61%を取得する出資契約を締結することを決定しましたのでお知らせいたします。

1. 出資に至った背景及び出資の目的

ARIEL 社は 2007 年に設立されたレーザー関連製品の開発会社で、防衛機器、産業機器等の分野に向けて、様々な波長や出力のレーザー光を発振・制御する最適なレーザーソリューションを提供しています。具体的には、防衛産業用レーザーシステム等高い精度と信頼性を求められる用途向けに、大出力のレーザー発振・制御・駆動回路等を組み合わせたレーザーシステム及びモジュールの開発・製造を行っています。

一方、湖北工業においては、祖業であるリード端子事業に加えて、海底光通信での 25 年間運用の高信頼性が求められる光アイソレータの分野で世界トップシェアを有しています。また、次世代事業としてスラリーキャスト法による特殊形状の高純度石英ガラスプリフォームや特殊光ファイバの開発に加え、次世代光通信や光量子コンピュータ等への応用が期待される「PLZT 薄膜形成技術」を有するエピフォトニクス社を子会社化する等、情報通信分野、医療機器分野、レーザー加工機分野、分析・計測関連分野等への応用展開を模索しています。

ARIEL 社の持つレーザーモジュール等開発技術と、湖北工業が持つ高信頼性光アイソレータに代表される光デバイスやフォトニック結晶ファイバ等の特殊光ファイバ関連技術を融合することで、高信頼性を求める光通信分野やレーザーシステム分野で従来に無い機能や高い信頼性、安定性を実現できると考えています。

具体的なアプリケーションとしては、低軌道の衛星通信等のフリースペースコミュニケーション分野向けの光通信サブシステム、各種産業機器・医療機器等向けのレーザー光源、光スイッチ、光センサ等高信頼と安定動作が求められる情報通信分野向けに注力してまいります。また、一般民生用途についても高い信頼性や安定性を求められるオンリーワン性の高い分野での開発を進めてまいります。

さらに、湖北工業の祖業であるリード端子事業において現在開発を進めている新工法「レーザー溶接」においてARIEL 社のレーザー技術を活用しており、引き続き高信頼・高効率の生産システム開発を進めてまいります。

販売面においては、ARIEL 社製品の日本での販売について湖北工業がマーケティング活動をサポートする等、営業面での連携強化も進めていく予定です。

これらにより、中長期的な事業ポートフォリオの多様化を図り、収益力の強靭化を進めてまいります。

2. 「ARIEL Photonics Assembly Limited」の会社概要

会社名 ARIEL Photonics Assembly Limited
所在地 4 HaMa’ayan St., Lobby Flr., LIGAD Center 2nd Building,
Modiin 71700, ISRAEL
代表者の役職氏名 CEO Dr. Vladimir Krupkin
事業内容 電子及び電気光学システムの開発、製造、及びサービス
資本金 1 ILS (Israeli New Shekel)
従業員数 19 名
設立年月日 2007/11/27

3. 今後の見通し

(1)ARIEL 社との連携を進める当面の開発目標、テーマ

・ 湖北工業が開発するスラリーキャスト法による特殊ファイバや高信頼性光デバイスと ARIEL 社がもつレーザーシステム技術を組み合わせた、宇宙通信関連向け通信モジュール・サブシステムの開発

・ エピフォトニクス社の PLZT 技術を用いたフェーズドアレイと ARIEL 社のレーザー技術を組み合わせた衛星用高速光通信モジュールの開発

・ レーザーシステムと溶接技術との統合による高信頼性リード端子の開発

・ 医療機器分野、産業機器分野向けのレーザー製品、フォトニクス製品の開発、生産、販売に関する連携

(2)その他の協力関係

・ ARIEL 社が行う日本及び一部のアジア地域における防衛関連製品に関するマーケティング活動のサポート

(3)今後の当社からの追加出資の可能性について

・ 今回の契約の中には、当社が 1 年以内に ARIEL 社株式 75%程度を追加取得できるコールオプション契約が含まれております。

なお、今回の出資による当社連結業績に与える影響は軽微であります。今後、公表すべき事項が発生した場合には速やかにお知らせいたします。

以 上

<用語、補足説明>

① 「フォトニック結晶ファイバ」

フォトニック結晶ファイバは多数の微細な空孔で囲まれた領域に光を閉じ込めて伝搬する光ファイバで、空孔の直径や間隔を緻密に制御することで、従来の光ファイバに比べて大幅な高速化、低損失化が可能です。また空孔構造を変えることにより様々な帯域での高速伝送が可能となります。これらの優れた特性により、医療機器分野、産業機器分野、衛星通信分野等において従来にない新しいアプリケーション展開が考えられます。

<フォトニック結晶ファイバ技術、大出力レーザーシステム技術を応用した展開事例>

分野 応用例
医療機器 小型カテーテル、血管クリーニング、体内モニタほか
衛星通信 衛星コンステレーション向け光通信ユニット、SM ファイバー
レーザーモジュールほか
産業機器 分光分析装置、3D 計測装置、レーザー加工ユニットほか
防衛・セキュリティ関連機器
重要施設向けミサイル・攻撃型ドローン等回避用レーザーユニット

② 「光アイソレータ」

光アイソレータは、順方向に進む光のみを透過し逆方向の光を遮断する部品。戻り光によるレーザーの損傷、不安定化、干渉によるノイズ防止等に必要で、光アンプや光通信線路で多数使われる。

<本件に関する問い合わせ先>

〒529-0241 滋賀県長浜市高月町高月 1623 番地
湖北工業株式会社 広報・IR 室
(TEL: 0749-85-3211、E-Mail:ir@kohokukogyo.co.jp)

以 上

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