2024/07/02

福岡県知事定例記者会見 令和6年7月2日(火曜日)

福岡県庁 信用組合 

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知事定例記者会見 令和6年7月2日(火曜日)

更新日:2024年7月2日更新 印刷

知事定例記者会見 令和6年7月2日(火曜日)

この会見録は発言をそのままではなく、文章とする際読みやすいように整理したものです。

この知事記者会見録の模様は、 ふくおかインターネットテレビ で動画配信しています。

発表事項

  • 全国初!使用済みEVバッテリー資源循環システム「福岡モデル」の構築
    ​~7月2日、グリーンEVバッテリーネットワーク福岡を設立~(循環型社会推進課)

全国初!使用済みEVバッテリー資源循環システム「福岡モデル」の構築 [PDFファイル/961KB]

  • 福岡西総合庁舎の敷地を公民連携で有効活用
    ​~「定期借地方式による土地貸付」の公募を開始~(財産活用課)

福岡西総合庁舎の敷地を公民連携で有効活用 [PDFファイル/803KB]

  • 小中学生プログラミングコンテストを開催!
    ~テーマ「ワンヘルス」~ (新産業振興課)

小中学生プログラミングコンテストを開催! [PDFファイル/678KB]

  • 県庁に『まごころアートFUKUOKA Gallery』がオープン!(文化振興課・障がい福祉課)

県庁に『まごころアートFUKUOKA Gallery』がオープン! [PDFファイル/905KB]

(知事)

おはようございます。今日は私から、この場での発表事項が3件、それからこの後引き続きまして、1階でまごころアート関係の発表をさせていただきます。

それでは、まず1点目です。日本で初めての使用済みEVバッテリー資源循環システム「福岡モデル」の構築に向けてスタートを切ります。今、ご存知のように世界各国においてEVシフトが進んでいます。今少し一段落の状況にありますが、当面はハイブリッド或いはプラグインハイブリッドが中心で動いていくだろうと言われています。しかし、先般、トヨタ自動車佐藤社長も会見でおっしゃっていましたが、いずれ、カーボンニュートラルを見据えたときに、このEVが主流になると考えられます。こういう中で、使用済みバッテリーの排出量が、今はまだ非常に少ない状況でありますが、2030年頃から加速度的に増加してくると予測されます。これに伴って、その処理をどうするのかということが大きな課題になります。また、資源という点からも、レアメタルは今、海外に100%依存している状況です。安定したバッテリーを作っていくためには、国際情勢等に影響を受けないレアメタルを確保していくことが必要です。さらに、ヨーロッパでは、バッテリー原材料のリサイクル率に関する規制を導入しており、変化するグローバルなマーケット状況も視野に入れて対応していく必要があります。つまり、このような今後の見通し、現状等を考えたときに、使用済みEVバッテリーを廃棄することなく、レアメタルを回収し、再利用する資源循環システムを作ることが求められています。

次に、福岡県の強みです。まず本県の強みの一つは、福岡県リサイクル総合研究事業化センターを持っているということです。センターには、3Rの新技術の事業化・社会システム構築を支援してきた力、経験、それから、産・学の取り組みをコーディネートするノウハウを持っています。具体例として、廃棄された小型充電式電池の自動仕分けシステムを事業化した経験や、リユース太陽光パネルの発電実証も取り組んでいます。

それから、もう一つの強みは、ご存知の通り、北部九州は自動車産業の一大拠点ということです。4つのメーカーが立地しており、多くの部品サプライヤーが集積をしています。製造能力としては、154万台、イギリス1か国に匹敵する製造能力を持っています。私は、「北部九州自動車産業グリーン先進拠点推進構想」を立てています。もともとこの自動車産業については、製造能力を伸ばしていくことを目的にした構想がありました。しかし、一昨年から、グリーンをキーワードにして、環境性能を満足させるような自動車の開発生産拠点でなければならないと考え、この構想を立ち上げたところです。こういう中で、「世界に選ばれる電動車開発・生産拠点」の形成を目指しており、県内サプライヤーの電動化分野への参入を促す、またそれを支援する「電動化技術道場」を開催しています。こういった取り組みは九州経済産業局と協力しながら進めているところです。

また、この福岡モデルは、効率的にEVから使用済みバッテリーを回収し、低コストで診断する。そして、リユース用途の開拓も行います。さらに、低コストでレアメタルを抽出し、回収したレアメタルから再びバッテリーを製造するといったサステナブルかつイノベーティブなシステムをここ福岡で構築するものです。これにより、EVバッテリーの製造拠点化、さらには電動車開発・生産拠点の形成を目指し、産業が集積し雇用が拡大する。「環境と経済の好循環」とスライドに書いてあります。従来、環境と経済は相対するものという捉え方もされましが、そういうことではない。環境と経済の好循環を生み出すことを目指すものです。産業分野で考えると、自動車メーカーをはじめ、バッテリーメーカー、自動車解体、バッテリー診断、リユースバッテリー製造、再エネ、金属リサイクル、コンサル・商社、こういった幅広い分野の企業が結集して取り組むことになります。

県の呼びかけに賛同いただきました皆様と、今日、福岡モデル構築の推進組織「グリーンEVバッテリーネットワーク福岡」愛称、GBNet福岡を立ち上げます。

本日13時からキックオフ会議を開催します。私も出席し、この取り組みに対する熱い思いをしっかりお伝えしたいと思います。報道関係の皆様方にもぜひご来場いただきまして、県民の皆様に、全国初となるこの取り組みを広くお伝え願えればと思っています。よろしくお願いします。

それから2点目です。この写真は県の福岡西総合庁舎ですが、民間のアイデア・資金を活用し、PPP、公民連携により、福岡市中央区赤坂にある福岡西総合庁舎での敷地を再開発します。福岡西総合庁舎は外見上分かりにくいかもしれませんが、築40年が経過しています。躯体はしっかりしていても、中の配管とかでいろいろなシステムが古くなっている。空調や照明などの修繕あるいは更新のコストの増大、またこれに付随する人件費は、今後の県財政の大きな負担になると考えられます。

そして福岡西総合庁舎の立地は、天神まで徒歩圏内です。私も以前、この庁舎に勤務したことがあり、天神から歩いて通っていました。そして季節の花が楽しめる舞鶴公園にも隣接しており、非常に環境も良い絶好のロケーションです。敷地の広さは約1,000坪で、テニスコート約13面分の広さです。非常に立地条件の良いところですので、定期借地方式による土地貸付の手法により、公民連携のPPP事業を実施します。これにより県財政の負担を軽減するとともに、福岡市赤坂周辺地域の活性化につなげてまいりたいと考えています。

次に、県でこの定期借地方式の手法を使った先行事例は三つあります。一番左が、東京都千代田区にある住友不動産ふくおか半蔵門ビル。この2階に福岡県東京事務所が入っています。それから、真ん中が今年3月にオープンしたコネクトスクエア博多。これは、以前の福岡東総合庁舎の跡地を活用したものです。飲食店、企業の事務所なども入居しており、非常にこの地域に活気を与えているビルとなっています。それから、一番右側は、現在設計中のため完成予想図ですが、福岡市東区千早の福岡高等技術専門校の跡地の有効活用事業です。このように事例としては、三つあります。

こういう先行事例を参考としながら、どれだけのコスト削減効果があるのかということです。計算に当たりましては、県が庁舎をそのまま持ち続け、庁舎の修繕費、維持管理するため人件費、それから、向こう70年考えたときには、当然途中で建て替えもしなければなりません。こういう建替え費を負担する場合。このような前提を置いて、PPPを実施した場合に、東総合庁舎跡地のコネクトスクエア博多にも博多県税事務所が入っているように、事務所をそのビルの中に入れる賃料の支払い、かつ収入としては事業者の方から借地料収入、こういったものを計算すると、コスト削減額は、70年で18億6,200万円、これを単純に年間で割ると、1年当たり2,660万円のコストの削減が見込まれると考えています。

本日から公募型のプロポーザル方式により、民間事業者の公募を開始します。優先交渉権者については、来年の3月ごろに決定し、新施設が竣工するのは、令和12年3月頃を予定しています。先ほど申しましたように民間事業者のアイデアを活かし、そして我々にとってもコスト削減効果を生み出し、地域の皆様にとって、赤坂の周辺地域をさらに活性化するような効果を狙っていきたいと思っています。

3点目です。小中学生の皆さんに、プログラミングに関心を持っていただき、未来のIT産業を担う人材になって欲しい。こういうことを考え、今年も小中学生のプログラミングコンテストを行います。今年のテーマはワンヘルスです。昨年は「福岡県の宝探し」というテーマでした。飯塚市・立岩小学校のチームの皆様が、奪われた福岡県の特産物を取り返そうという「福岡県の危機」という題名でゲームを作り、大賞を受賞されました。このゲームのダイジェスト動画をご覧ください。

(ダイジェスト動画視聴)

(知事)

私も実際にプレーしてみましたが、非常にストーリー性があって、絵もかわいいらしく楽しめました。しかし、動画の動きのようには、なかなかスムーズに動かすことができず、結局クリアはできませんでした。こういったアプリを作るということを通じて、子どもたちがプログラミングに親しんで興味を持ってもらいたいという取り組みです。この取り組みでは、県内企業の株式会社しくみデザインが開発しました、プログラミングアプリ、スプリンギンを使いたいと思っています。このスプリンギンのデモ動画をご覧ください。

(デモ動画視聴)

(知事)

この絵、キャラクターを画面に置いて、飛び跳ねる。これがプログラミングの知識が一切なくても、直感的な操作で、自由につくれる。楽しく遊び感覚で、創造性や論理的な思考を育てることができるプログラミングアプリです。

そして、今年のテーマはワンヘルスです。本県の重要政策でもあるワンヘルス、これを今年のテーマに取り上げました。ぜひこのワンヘルスについて、子どもたちにも身近にとらえてもらいたい。そして、ワンヘルスって何だろう、どういうことをすればワンヘルスに繋がるんだろうということを考えながら、例えば、ペットを育てるストーリー、あるいはウイルスをやっつけるというようなストーリーとか、日常生活、自分たちの身近な生活で得られる題材というものを探して、意外な、そして大胆な作品を作っていただきたいと思います。この募集期間は、本日7月2日に開始し、締切は11月22日までとしています。来年の1月25日に、一次審査を通過した皆さんによるプレゼンテーションを公開で行い、その上で大賞を決定します。小中学生の皆さん、これから夏休みもあります。そういう時間も活用して、ぜひ、自由な発想で、皆さんが考えるワンヘルス、これを表現した、ユニークな作品を作って、応募してください、チャレンジをしてください。たくさんのご応募をお待ちしています。

最後に、県では文化芸術活動というものを通じて、障がいをお持ちの方の収入の向上、また社会参加、これを推進したいと考えています。そして、皆様の多彩な能力、才能に触れる機会を県民の皆様に提供して、障がい福祉に対する理解を深めていただくため、令和3年度から、「障がい者アートレンタル事業」を実施しています。もう3年目になるわけですが、その上で、今年度から新たに、障がいのある方が製作したアート作品をまごころアートと名付け、街中の様々な場所で気軽に楽しめるように取り組んでいます。

この取り組みの一環として、本日、県庁行政棟内に「まごころアート FUKUOKA Gallery」をオープンします。このギャラリーでは、まごころアートのレンタル作品を展示するとともに、障がいのある方が作る商品、あるいは提供するサービス、こういったものを「まごころ製品」と呼んでいますが、これも展示紹介をしたいと考えています。この会見後、このギャラリーのオープンに先立ちまして、報道機関の皆様向けに、内覧会を開催します。展示する作品を制作された障がい者アーティスト3名の方もお出でいただいていますので、ぜひ内覧会にお越しいただき、この取り組みを、県民の皆様に発信いただければと思います。よろしくお願いします。

私からの発表・お願いは以上です。

質疑応答

(西日本新聞)福岡西総合庁舎は建て替えということでよろしいですか。

(知事)建物としては建て替えになります。庁舎など大体の公用の建物は、県が一般単独事業債等の借金をして建て替えるということになります。県の持っている土地を定期借地権として借りていただき、公民連携という形で、民間の色々なアイデアというか能力を発揮していただいて、建物を建てるということになります。

(西日本新聞)既存の建物は取り壊すということでよろしいですね。

(知事)もちろんそのとおりです。

(西日本新聞)現在、福岡西総合庁舎に入っている出先機関はこの建て替え事業でどうなっていくのでしょうか。

(財産活用課)ここに入っている事務所は西県税事務所、福岡農林事務所、福岡労働者支援事務所、そしてママと女性の就業支援センターの4つになります。なお、西県税事務所のみが新しい建物に残ることになります。

(西日本新聞)農林事務所、労働者支援事務所、ママと女性の就業支援センターはどこにいくのでしょうか。

(財産活用課)福岡農林事務所は、先ほど写真で「設計中」と出ていましたけれども、福岡高等技術専門校跡地活用事業で設計中の新しい建物の中に入ります。福岡労働者支援事務所、ママと女性の就業支援センターについては千代合同庁舎に移ります。

(西日本新聞)建物の老朽化で言うとこの本庁舎も築40年を超えていると思いますが、何か今後の見通しとかありますか。

(知事)これは大変な事業になりますが、言われるように本庁舎も昭和50年代後半に建てられましたので年数が経ってまいりました。色々手を加えながら維持管理をしっかり行って運営していますので、当面、本庁舎についてどうするという計画はありませんが、今後やはり老朽化というのは当然進んでまいりますので、それについて検討する時期が来るだろうと思っています。

(朝日新聞)先ほど伺った使用済みEVバッテリー資源循環システム「福岡モデル」の取り組みに関して、メニューで言うと、参画している企業の皆さんが、それぞれ自分たちの関われる企業が色々と出てくるので、それをみんなで協力してやる枠組みをつくりましたという認識でよろしいでしょうか。

(知事)簡単に言えばそういうことになります。先ほど申し上げたように、自動車メーカーから商社、あるいは金属リサイクル業等々の幅広い業種、職種の企業の皆様に参画していただき、そういう皆様の技術や色々な取引力などを活かしながらこの循環システムを作っていくということになります。

(朝日新聞)現状、このリデュース、リサイクル、リユースをどのくらい実施しているのかは把握しているのでしょうか。

(知事)最初にグラフで示したように、ほとんど排出されておらず量が少ない、かつ、使用済みのバッテリーは今、海外に出ているのではないですか。

(循環型社会推進課)日本で使用済みのバッテリーというのはほとんどありませんので、日本ではリユースもリサイクルもほぼ行われていないという状況です。

(知事)出たものは海外に持っていくかということになっているし、このままこういうシステムがないと、これからどんどん廃棄バッテリーが出てきたときに、さっき申し上げたようなレアメタルが含まれているものについても海外に行って、海外でレアメタルを抽出して、その希少金属であるレアメタルをまた高い値段で輸入しなければいけないということになるわけです。だから国内においてこういったシステムを確立して、レアメタルを国内で確保することが非常に重要だと考えています。

(朝日新聞)県としてはリユースに必要な何か新しい施設を作られるとか、そういった予定はありますか。

(知事)特にはありません。もちろん、福岡県リサイクル総合研究事業化センターがありますので、そこをコーディネートの拠点として動いていきますが、これはそれぞれの企業の皆さん、産業の皆さんが動かしていくことで、そういう中をこのバッテリーが循環していくシステムなので、どこかに工場みたいなものを作るという話ではありません。

(朝日新聞)県の関与としてはどちらかというとコーディネート、調整するというところが中心になるということですね。

(知事)はい。そのコーディネート機能をこのリサイクル総合研究事業化センターが持っておるということです。

(毎日新聞)EVバッテリーのことで、今回このシステムを構築するに当たって、回収率等具体的な数値目標みたいなものは掲げられたりしますか。

(循環型社会推進課)まだ数値目標などを持てるほどの知見がないので、そういったところも含めて今後検討していきたいと考えています。

(知事)まさに日本で初めてですから。ただ、今からこういうことをしっかりやっていかないと、電動車を作っていくといっても回っていかないので、自動車メーカーは我々の新しい取り組みに非常に大きな関心というか着目されており、非常に強い反応をいただいています。

(読売新聞)同じく関連してEVですが、県に何かメリットというか、お金が入ってくるようなシステムまで含めたシステム構築ということになるのですか。

(知事)直接これで県が手数料を取るとか、そういうことはありません。ただ、先ほど申し上げたように、産業と経済と環境の好循環をつくるという中で、EVというものをにらみながら、我々の地域が自動車の生産拠点としてさらに発展をしていく。それに伴って企業の集積、そして雇用の拡大、そういったことが働きます。それは当然、県としても税収の拡大につながるということになって、経済的な効果、そして財政的な効果というものも生まれてくると思っています。

(西日本新聞)福岡県議会の海外視察に関し、先般、中間答申をまとめられたと思うのですが、それに対しての知事の受け止めを教えてください。

(知事)県議会の海外活動について、特に県議会が単独で行われている色々な視察調査活動について、私からも、様々な課題があると申し上げています。予算の執行のあり方、あるいは県民の皆様から見ても、どういうところに行ってどんな成果があったのかということについて分かりにくいと。こういう公表の方法など、こういうことについて改善を図られるべきであるということを私から香原議長に対して直接意見を申し上げました。

これを受け止めていただいたと思っていますが、香原議長がリーダーシップを発揮し、プロジェクトチームを速やかに立ち上げられた。この中で議論を取りまとめて中間答申というものを出された。非常にスピード感のある対応を図られたものと思っています。そういう意味では、よかったと思っています。

議長におかれては、この中間答申を受けて、直ちにできることについては早急に進めていくとおっしゃっていまして、私としても、中間答申が最後の出来上がりではありませんから、やはり透明性とスピード感を持ってこれから議長の下で取り組みを進めていただくことを期待しています。

(西日本新聞)その中間答申の内容に関して、以前に比べたらかなり透明性の高い報告になると思うのですが、一方で、視察の上限額を設けるとしたものの、幾らにするかなどは今のところ未定で、まだ一番問題になっている予算が膨らむ余地みたいなものは残っていると思うのですね。そこら辺に関しては、知事としてはどうお思いなのかというのを聞かせていただけないでしょうか。

(知事)これについては、議長から議会事務局に指示をされて、具体的な今後の対応案といいますか、予算の組み方、また、執行のやり方等について、今、検討をされているとお伺いしていますので、我々はそれをお伺いした上で対応していくことになると思いますが、いずれにしても、議会は調査権を行使する、我々に対するチェック機関でもあるわけです。調査権を行使する、また、政策立案機能を発揮するための調査については、県民の皆様も必要であるとお考えだと思います。ただ、それが県民の皆様にとって非常に容易に、そして早期に分かりやすく示されていないということが問題なのだと思います。

県民の皆様から見てもその必要性、そして海外活動というものの妥当性といったことについて理解が得られるような見直しが行われるということが必要だと思いますので、そういうことを議長の指揮の下で取り組んでいただくことを期待しています。

(読売新聞)今の件ですが、予算の執行という点では、議会独自とはいえ、やはり県の財政課とかも関わってくると思うのですが、今後、上限を設けてやる、予算をきちんと執行するとは言っているのですが、県としてもそこはしっかり見ていくといいますか、しっかり関わっていくというお考えなのでしょうか。

(知事)予算編成権は知事にありますので、議会の案を取りまとめられて、また、実際にそれが数字という形で来年の予算編成等において実際出てくるんだと思いますし、私もこの上限額を議会がどのようにお考えになっているのかというのはまだよく分かりません。出張先によっても渡航経費は変わりますし、また、出張が必要となる人数も業務によって変わってくると思います。このようなことを考えたときに上限額というのはどのようにお考えになっているのかというのは、今後、議会のお考えをお聞きする必要があるなと思っています。

(読売新聞)これまで予算額と実績額があまりに乖離していた、正直、通常考えられない額の乖離をしていました。それについてはどのように。

(知事)当初予算の計上のやり方が、その段階では、誰が行くか分からないから、議長一人が行くという形で、言えば頭出しをしておくような形での予算の計上の仕方が慣行化していたのだと思います。この点については、予算要求の段階においても用務に沿って、どのような方がどれだけの人数行くのか、必要かということは議会においてもしっかり検討していただき、それに沿った予算要求を上げていただくということが必要であると思っています。また、我々もそれに対応していきたいと思います。

(TNC)昨日も県内で大雨が降って、一部地域で浸水したりなどがあったと思いますが、それについてコメントをお願いします。

(知事)大雨警報、土砂災害警戒情報が発表され、継続しています。こういった警報や土砂災害警戒情報、気象情報も、報道の皆様も色々なテロップ等を使って小まめに報道していただいています。外に出られるときには、このようなことも使いながら確認をして、十分気をつけて外出をしていただきたいと思います。特に川や水路、水田、こういった危ない場所には近づかない、このことを徹底していただきたいと思います。それと、土砂崩れ、土砂災害を考えたときには、ずっと雨が降り続くと地盤が緩む、重くなったりするわけです。こういったところは、今後、少しの雨でも土砂災害というものが引き起こされる可能性がありますので、その兆候を捉えるということが必要だと思います。雨が降っているのに、川の水位が下がってきたなとか、山なりがするとか、山のほうから石がぱらぱらっと落ちてくる等このような前兆であると言われていますので、普段と様子が違うということがあった場合には、やはり直ちに避難をするという対応を取っていただきたいと思います。

こういう災害に備えて、いざというときにどういう行動を取ったらいいのか、あるいは、先ほど申しました気象情報、避難所の情報、こういったものをリアルタイムで把握できるアプリを県が提供しています。「ふくおか防災ナビ・まもるくん」という防災アプリです。ぜひ、この際、皆様方には携帯に「まもるくん」をインストールしていただきますようにお願いします。

(読売新聞)雨に関連して、昨日の午前中に、北九州市小倉南区で高齢男性が川で発見されるという事例があり、まだ関連を調査中ということだと思いますが、現状分かっている範囲で、関連が分かっていれば教えていただきたいのと、これ以外にそういう疑いがありそうな事例を把握されていれば教えてください。

(知事)お亡くなりの方に対しまして、本当に御冥福をお祈り申し上げたいと思います。詳しい状況については、防災局から回答します。

(防災企画課)現時点で分かっていることを申し上げますと、先ほどおっしゃられましたとおり、警察で、この大雨に関連するものかどうか、今、調査をされている段階と聞いています。その結果を基にして、北九州市で、災害に起因する死者かどうかというのを判断されると理解しています。結果が出れば、北九州市、警察とも調整の上、県でも公表を検討したいと考えています。

そしてもう一つ、その他の疑いのある事案はどうかということについて、今のところはそれ以外の疑いの事案は把握していません。

(毎日新聞)話題替わりまして、金融・資産運用特区についてお伺いします。6月4日に福岡県と福岡市が選定され、今後、資産運用会社の期待が高まっていると思いますが、今回の内容を見ると、福岡が求めている税優遇措置が盛り込まれておらず、先日の県から国への要望でも、税優遇措置を改めて求めてらっしゃいますが、この税優遇措置というのはなぜ鍵を握るのかというのを改めて教えてください。それと、この間の政府への要望では、インターナショナルスクールの整備の財政支援やそういう受入れ体制構築に向けた支援という目的が入っていました。この受入れ体制構築に向けてこれから取り組まれると思いますが、どういうことに取り組まれていきたいかというのを教えてください。

(知事)まず、この金融特区について、特区指定により、英語で開業手続ができることや、コンプライアンス業務や経理事務、いわゆるミドル・バックオフィス業務が今まで自社内で行う必要がありましたが、アウトソーシングできるようになりました。こういうことも進出を企画されている企業、金融機関にしてみると非常に大きなメリットであると思います。

ただ、やはり他国と比較すると税制面での優遇措置が我々のところは非常に薄いです。立地する福岡市の地方税における優遇措置しか取れず、国税面の措置が今回は盛り込まれておりません。国際的な競争のため、やはりそういう武器は欲しいと思いますので、引き続き国に対して、高島市長と強くお願いしてまいります。もちろん国も、他の産業とか色々なバランス、均衡を見ながらの御判断なので、非常に難しいテーマであるということは承知しています。

それから、やはり金融機関あるいは半導体でもそうですが、高度な人材の皆さんがおいでになる、特に海外の方は赴任される際に、日本人のように単身赴任はあまりありません。やはり御家族を帯同されるケースが多いです。その場合、やはり御家族の生活環境、また特に子どもの教育環境は、非常に大きな要素であるとみなされています。そのような受入れ環境や生活環境、住みやすさが整っている地域かどうかというのも、企業として、自社の大切な社員を派遣し、住まわせる地域としてふさわしいかどうかということは大きな選択要素になっています。我々としても、これからそういうふうな子弟の教育機関の整備等については、福岡市とも連携して取り組んでいきたいと考えています。

(毎日新聞)確認ですが、教育機関の整備というのは、やはりインターナショナルスクールの数を増やしていくとか、そういうことですか。

(知事)インターナショナルスクールだけではないと思います。他の公立、私立通じてインターナショナルスクールに通わせることを選択されない御家庭もあります。日本人の普通の学校に通わせたいという御家庭も多いため、特に小中学校でそういうふうな外国人の子どもを自然に受け入れられる、そういう環境づくりも教育の現場に必要になってくると思います。

(西日本新聞)平成筑豊鉄道の法定協議会要請について、筆頭株主として県の受け止めを教えてください。

(知事)株主総会が28日にあり、沿線市町村首長の皆様とともに、私も取締役会長として出席しました。この株主総会の場で河合社長から株主の皆様に対して、もちろん民間の企業の皆さんも株主でいらっしゃいますので、沿線市町村に対する法定協議会の設置を要請する旨、報告がなされました。したがって、まずは設置要請を受けた沿線の市町村において、この法定協議会の設置の是非について検討いただくことになります。もし法定協議会が設置されるという結論が出た場合には、やはり「廃止ありき」「存続ありき」という前提を置かずに議論をしていくということが重要です。

こういった前提に立った上で、広域的な地域公共交通である平成筑豊鉄道の今後の在り方、ひいては地域全体として住民の皆さんの移動手段というのをどう確保していくのかということについて、県としても、沿線市町村をはじめ関係の皆様と共に知恵を出して考えていかなければいけないと考えております。

(読売新聞)今の話で「廃止ありき」「存続ありき」の議論ではなくということは、鉄道以外の手段も含めて住民の皆様の交通手段について考えていく、そういう理解でよろしいでしょうか。

(知事)今申しましたように、「廃止ありき」「存続ありき」という前提を置かずに議論するというのは、具体的なファクトとデータ、これが勝負だと思っています。客観的なそういうものに基づいて議論をしていくことが重要であると思いますので、まだ、存続なのか、廃止なのかというのは、今の段階で論じるというのは時期尚早であると思っています。

(読売新聞)鉄道以外の、例えばBRTなり、そのほかのバスの手段とか、それも含めた地域交通の在り方を考えるということなのでしょうか。

(知事)当然そういうことも含んでくると思います。先ほどから申し上げておるように、地域の住民の皆様にとっての広域的な足でありますので、ともかくなくせばいいという問題ではありません。だから、もし鉄道として存続が難しいということであれば、その足をどうするのかということは当然検討していくことになります。まずは法定協議会の設置について、沿線市町村において御判断をいただくということです。

(終了)

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