2024/07/05

GSKのJemperli(dostarlimab)と化学療法の併用療法における初発進行または再発の子宮体がんを有する全ての患者さんを対象とした適応拡大申請について欧州医薬品庁が受理

グラクソ・スミスクライン 株式会社 

05 July 2024

GSKのJemperli(dostarlimab)と化学療法の併用療法における初発進行または再発の子宮体がんを有する全ての患者さんを対象とした適応拡大申請について欧州医薬品庁が受理

この資料は、英国GSK plcが2024年6月24日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先されます。
詳細はhttps://www.gsk.comをご参照ください。

<2024年6月24日 英国ロンドン発>

GSKのJemperli(dostarlimab)と化学療法の併用療法における初発進行または再発の子宮体がんを有する全ての患者さんを対象とした適応拡大申請について欧州医薬品庁が受理

  • 第III相RUBY試験パート1の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存期間および全生存期間のデータに基づいて申請

  • Dostarlimabと化学療法との併用は、患者集団全体において統計学的に有意かつ臨床的に意義のある生存期間延長効果を示す唯一のがん免疫療法

GSK(本社:英国)は、Jemperli(dostarlimab)と標準化学療法(カルボプラチンおよびパクリタキセル)との併用について、初発進行または再発の子宮体がんの成人患者さん全体への適応拡大の申請を欧州医薬品庁(EMA)が受理したことを発表しました。EMAの医薬品委員会(Committee for Medicinal Products for Human Use:CHMP)は、欧州委員会に勧告を行うための正式な審査手順を開始し、2025年上期の承認が見込まれています。

現在EUで、Jemperliとカルボプラチンおよびパクリタキセルの併用療法は、成人のミスマッチ修復機能欠損(mismatch repair deficient:dMMR)または高頻度マイクロサテライト不安定性(microsatellite instability-high:MSI-H)を有する初発進行または再発の子宮体がんに対する全身治療として承認されています。今回の新規申請が承認された場合、バイオマーカーの種類にかかわらず、初発進行または再発の子宮体がんを有するすべての患者さんにdostarlimabの適応が拡大されることになります。これには、現在EUにおいて一次治療として、免疫療法に基づく治療法の適応がないミスマッチ修復機能(mismatch repair proficient:MMRp)/マイクロサテライト安定性(microsatellite stable:MSS)を有する子宮体がん患者さんも含まれます。

今回の申請は、第III相RUBY試験パート1の結果に基づいています。本試験では、dostarlimabとカルボプラチンおよびパクリタキセルとの併用投与を受けた全患者集団で、化学療法単独と比較して、主要評価項目である治験責任医師の評価による無増悪生存期間(progression-free survival:PFS)と全生存期間(overall survival:OS)において、統計学的に有意な延長効果が示されました。RUBY試験パート1は、全患者集団において統計学的に有意な生存期間延長効果を示した唯一の臨床試験です。RUBY試験の安全性および忍容性の解析により、dostarlimabとカルボプラチンおよびパクリタキセルの併用投与を受けたときの安全性プロファイルが得られ、個々の薬剤の既知の安全性プロファイルと概ね一致していました。

OSデータは、2024年3月16日に米国婦人科腫瘍学会(SGO)の2024年女性がん年次総会(2024 SGO Annual Meeting on Women’s Cancer)において発表され、その後2024年6月9日にAnnals of Oncology誌へ掲載されました。

子宮体がんについて
子宮体がんは、子宮内膜と呼ばれる子宮の内壁に発生するがんです。子宮体がんは先進国で最も多くみられる婦人科がんです。世界では毎年約417,000件の新規症例が報告されており1、その発生率は、2020~2040年の間に約40%増加すると予想されています2,3。ヨーロッパでは、年間約121,000人の患者さんが初発進行または再発の子宮体がんと診断されているといわれています4。子宮体がんの患者さんのうち約15~20%が診断時に進行がんと診断され5、初発進行または再発の子宮体がんの患者さんのうち約70〜75%がMMRp/MSSを有する子宮体がんであるとされています6

RUBY試験について
RUBY試験は、初発進行または再発の子宮体がんの患者さんを対象とした国際共同無作為化二重盲検多施設共同第III相試験であり、2つのパートで構成されています。パート1では、dostarlimabをカルボプラチンおよびパクリタキセルと併用投与した後にdostarlimabを投与した群を、プラセボをカルボプラチンおよびパクリタキセルと併用投与した後にプラセボを投与した群と比較評価しています。パート2では、dostarlimabをカルボプラチンおよびパクリタキセルと併用投与した後にdostarlimabとニラパリブを併用投与した群を、プラセボをカルボプラチンおよびパクリタキセルと併用投与した後にプラセボを投与した群と比較評価しています。

パート1の主要評価項目は、PFS(治験責任医師が「固形がんの治療効果判定のための新ガイドライン(RECISTガイドライン)」v1.1に基づいて判定)とOSの2つです。統計解析計画書では、事前に規定したdMMRもしくはMSI-Hの患者集団および全患者集団におけるPFS、ならびに全体集団におけるOSの解析を含めていました。また事前に規定したMMRpもしくはMSSの集団におけるPFSおよびOS、ならびにdMMRもしくはMSI-Hの集団におけるOSについても探索的解析を実施しました。RUBY試験パート1では、臨床試験から除外されることが多い組織型も含め幅広い集団を対象とし、約10%をがん肉腫患者さんが占め、また20%を漿液性がん患者さんが占めていました。パート2の主要評価項目は、治験責任医師の評価によるPFSとしました。またパート1およびパート2の副次的評価項目はPFS(盲検下独立中央判定による)、全奏効率、奏効期間、疾患コントロール率、患者さんの報告によるアウトカム、安全性および忍容性としました。

RUBY試験は、欧州婦人科腫瘍学会(ESGO)の研究ネットワークであり、欧州31カ国、22の臨床試験グループが共同で試験を実施している欧州婦人科腫瘍治験ネットワーク(ENGOT)および婦人科腫瘍領域の標準治療の変革を目的とする非営利組織であるGOG財団との国際共同試験の一環として実施しています。

Jemperli(dostarlimab)について
Jemperliは、プログラム細胞死1(Programmed deadth-1:PD-1)阻害抗体であり、PD-1受容体に結合することでPD-1のリガンドであるPD-L1およびPD-L2との相互作用を阻害します6。

米国では、Jemperliとカルボプラチンおよびパクリタキセルとの併用療法に続くJemperliの単剤療法が、FDAの承認を受けた検査でdMMRと判定された、もしくはMSI-Hと判定された初発進行または再発の子宮体がんの成人患者さんに対する治療として承認されています。本適応に関する生物製剤承認一部変更申請(sBLA)は、FDAの画期的治療薬(Breakthrough Therapy)として指定されました。また、Jemperliの単剤投与が、FDAの承認を受けた検査においてdMMRと判定された進行または再発子宮体がんの成人患者さんで、プラチナ製剤を含むレジメンでの治療中または治療後に進行が認められ、根治手術または放射線療法の対象とならない患者さんへの治療として承認されています。さらに、食品医薬品局(FDA)が承認した検査でdMMRと判定された再発または進行固形がん患者さんのうち、前治療中または治療後に進行が認められ、十分な代替治療がない患者さんに対してもJemperliが適応とされています。本適応は、腫瘍縮小効果が認められた患者さんの割合および効果の持続性を根拠として、迅速承認されました。検証的試験における臨床上の有用性が実証、説明されれば、固形がんに対する適応は完全承認されるものと考えられます。

JemperliはAnaptysBio社で開発され、2014年3月に署名された共同独占的ライセンス契約によりTESARO, Inc.社が権利を有しています。上記契約に基づきGSKは、JemperliおよびTIM-3拮抗薬であるcobolimab(GSK4069889)に関し、進行中の研究、開発、商品化および製造に責任を負っています。

GSKのオンコロジー領域における取り組み
GSKは新たな治療領域としてオンコロジー領域に注力しており、がん免疫療法および腫瘍細胞標的療法の画期的な治療法の開発を通じて、血液悪性腫瘍、婦人科がん、その他固形腫瘍領域を中心に、患者さんの予後改善に向けて取り組んでいます。

グラクソ・スミスクライン(GSK)について
GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.comをご参照ください。

1 Faizan U, Muppidi V. Uterine Cancer. [Updated 2022 Sep 5].In: StatPearls [Internet].Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2022 Jan-.Available at: www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK562313/.
2 Braun MM, et al. Am Fam Physician.2016;93(6):468-474.
3 International Research on Cancer.Global Cancer Observatory.Cancer Tomorrow. gco.iarc.fr/tomorrow/en/dataviz/.Accessed 13 July 2022.
4 Concin N, Matias-Guiu X, Vergote I, et al ESGO/ESTRO/ESP guidelines for the management of patients with endometrial carcinoma International Journal of Gynecologic Cancer 2021;31:12-39.
5 CMP: CancerMPact(R) Patient Metrics Mar-2023, Cerner Enviza.Available at www.cancermpact.com.Accessed 29 Feb 2024.
6 Based on CMP:CancerMPact(R) [Patient Metrics], Cerner Enviza.Available from www.cancermpact.com.Accessed 01 Mar 2024.

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