2024/07/10

ペプチドリームからGhRアンタゴニストプログラムの第一相臨床試験の最新情報についてのお知らせ

ペプチドリーム 株式会社 

2024 年7月10日
ペ プチドリーム株式会社

ペプチドリームからGhRアンタゴニストプログラムの
第一相臨床試験の最新情報についてのお知らせ


ペプチドリーム株式会社(代表取締役社長:リード・パトリック、本社:神奈川県川崎市、以下「当社」)は、当社提携先のAmolyt Pharma (以下「Amolyt社」)が先端巨大症を対象疾患として開発を進めている GhR(成長ホルモン受容体)アンタゴニストプログラム(AZP3813、当社から Amolyt 社に導出)の第一相臨床試験(以下「本試験」)の結果について、最新情報をお知らせいたします。

Amolyt社は、健常人におけるAZP-3813の安全性、忍容性、薬物動態の評価を目的とした本試験をこの度完了いたしました。本試験では、プラセボ対照ランダム化二重盲検比較試験として、単回漸増(SAD)および反復漸増(MAD)試験を実施いたしました。SAD試験では、AZP3813(3名)およびプラセボ(2名)の計5名の被検者について3mg用量の皮下投与が実施され、また、AZP-3813(6名)およびプラセボ(2名)の計8名の被験者について10, 20, 40, 60, 90, 120mg各用量の皮下投与が実施されました。MAD試験では、AZP-3813(6名)およびプラセボ(2名)の計8名の被験者について10, 20, 40, 60, 90, 120mg各用量の皮下投与を1日1回、14日間連続で実施されました。

本試験の結果については、第26回 ECE(欧州内分泌学会、2024年5月にスウェーデン ストックホルムで開催)と2024 ENDO(米国内分泌学会、2024年6月に米国ボストンで開催)で発表され、各プレゼンテーション資料は Amolyt 社のウェブサイトで公開されています(www.amolytpharma.com)。すべての被験者について治療の忍容性が確認され、安全性上の懸念は見られませんでした。また、Cmax(※1)および AUC(※2)の用量依存的な増加が確認されています。AZP-3813 の薬物動態半減期は 20~22 時間と算出されました。SAD 試験では、AZP-3813は用量依存的に血中IGF-1濃度を減少させ、高濃度の投与群では72時間にわたり抑制効果を示しました。MAD試験では、用量依存的な血中IGF-1濃度の減少がゆるやかに起こり、その後維持されました。SAD 試験の同濃度の群と比較して血中IGF-1 濃度を減少させる効果が大きく、投与後2週間にわたり減少効果を維持することが示されました。これは、反復投与による蓄積効果によるものと考えられます。Amolyt社は、新規GhRアンタゴニストであるAZP-3813 が健常人において血中 IGF-1 濃度を有意に減少させていることから、今後、先端巨大症の患者さんを対象とする臨床試験へと進めていくことを支持する結果であったと報告しています。

先端巨大症は、成長ホルモン(Gh)を分泌する脳下垂体の腺腫(良性腫瘍)が原因で生じる慢性の希少内分泌疾患であり、Gh の過剰分泌によってインスリン様成長因子(IGF-1)が肝臓で異常に産生されるという一般的な特徴があります。先端巨大症の治療の目標は、IGF-1濃度を正常化することで、症状を軽減し、将来の合併症を防止していくことです。多くの患者さんにとってソマトスタチンアナログ(SSA)単剤での治療は血中 IGF-1 濃度のコントロールにおいて十分であるとは言えない状況です。AZP-3813 は、16 アミノ酸から構成される2環性のペプチドであり、GhRに結合することによりGh刺激によるIGF-1産生を阻害します。これまでの研究により、AZP-3813 は血中の IGF-1 濃度を減少させ、SSA であるオクトレオチドとの併用によりその抑制効果を高める可能性が確認されています。AZP-3813 は、SSA 単剤治療ではコントロールが不十分な先端巨大症の患者さんに対して、SSA との併用療法を目指して開発されています。

なお、2024年3月14日に発表された通り、Amolyt社はAstraZeneca社による買収に合意し、2024年第3四半期までに買収手続きの完了を予定しています。

ペプチドリーム代表取締役社長 CEO であるリード・パトリックは次のように述べています。 「AZP-3813の第一相臨床試験の結果が非常にポジティブであったことを喜ばしく思っています。先端巨大症の患者さんにとって新たな治療の選択肢となることが期待され、本プログラムが次相の臨床試験に進むことを心待ちにしています。」

※1 Cmax:最高血中濃度。薬物投与後の血中濃度が最大になった値のこと。

※2 AUC:血中濃度曲線の積分値。薬物が投与後から代謝・排出されるまでにわたり、血中を循環した全体量を示す指標。

以上

ペプチドリームについて

ペプチドリーム株式会社(東証プライム市場 証券コード4587)は、特殊環状ペプチドから新たな革新的医薬品を産み出すことで、アンメット・メディカル・ニーズに応え、世界中の人々の生活の質を向上させることを目指しています。放射性医薬品(RI)領域において、完全子会社であるPDRファーマを通じて日本で放射性医薬品の販売を行っています。また、独自の創薬開発プラットフォームであるPDPS (Peptide Discovery Platform System)技術を活用し、革新的な放射性治療薬や放射性診断薬を創製し、自社または提携プログラムとして開発しています。Non-RI領域においては、PD PS を活用したペプチド医薬品、ペプチド-薬物複合体(PDC)および多機能ペプチド複合体(MP C)による治療薬・診断薬への展開を共同研究開発パートナーによる広範囲なグローバル・ネットワークを構築し、幅広く進めております。ペプチドリームの本社の所在地は川崎市です。当社や当社技術、パイプラインについての詳細については、https://www.peptidream.comをご覧ください。

【本リリースに関するお問い合わせ先】
ペプチドリーム株式会社 IR広報部 沖本
TEL:044-223-6612

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