2024/07/10

特定臨床研究に関する契約を江戸川病院と締結 - FDG-PET陽性の浅在性腫瘍に対する研究に当社薬剤を提供

ステラファーマ 株式会社 

2024年7月10日
ステラ フ ァ ー マ 株 式 会 社

特定臨床研究に関する契約を江戸川病院と締結
FDG-PET 陽性の浅在性腫瘍に対する研究に当社薬剤を提供


ステラファーマ株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:上原幸樹、以下当社)は、社会福祉法人仁生社 江戸川病院(東京都江戸川区)で実施されるFDG-PET※陽性の浅在性腫瘍を対象とした研究者主導の特定臨床研究(以下、本研究)への協力に関する契約を締結したことをお知らせします。当社は BNCT(Boron Neutron Capture Therapy:ホウ素中性子捕捉療法)用ホウ素医薬品「ステボロニン(R)」の提供を通じて本研究に協力いたします。

本研究は、FDGが取り込まれる悪性腫瘍患者を対象に少数症例研究を実施し、ホウ素中性子捕捉療法の安全性と有効性を検討することを目的としています。

本研究の対象は、浅在性(皮膚表面から6cm以内)悪性腫瘍と確定診断され、FDGの取り込みが認められる腫瘍が1つ以上存在する患者様です。進行・再発のいずれかは問わず、放射線治療歴の有無も問いません。

江戸川病院には、国立がん研究センター中央病院に設置され、開発が進められている株式会社 CICS製の中性子照射装置CICS-2が導入されており、本研究では、本装置と当社医薬品が組み合わされて使用されます。

当社は本研究の趣旨に賛同し、当社のBNCT用ホウ素医薬品を提供いたします。

当社は医療機関等と連携しながら、治療を待つ患者さんに、一日でも早くBNCTという新たな治療選択肢を届けられるよう、引き続き取り組んでまいります。

※FDG-PET:放射性フッ素を付加したブドウ糖(FDG)を用いたPET検査で、治療前にがんの有無や広がりなどを調べる精密検査です。さまざまな部位で行うことがあり、特に悪性リンパ腫、悪性黒色腫、肺がん、乳がん、大腸がん、膵臓がんなどで有用とされています。

以上

【CICS-2 について】

CICS-2 は、株式会社CICSが開発した加速器型の中性子捕捉治療装置です。RFQ(高周波四重極)直線加速器で加速した陽子をリチウムターゲットに衝突させることで中性子を生成するもので、人体への悪影響の大きい高速中性子の混在が少ないことが特徴です。また生成する中性子のエネルギーが800keV以下と低いため、BNCT に適した10keV程度のエネルギーに減速するための減速体系の小型化が可能となりました。

【BNCT について】

BNCT とは、放射線治療の一種であり、がんの治療方法です。

患者様にホウ素薬剤を投与すると、ホウ素(10B)ががん細胞に集まります。その後、患部に体外から中性子線を照射します。照射する中性子線は、非常にエネルギーが小さく、人体への影響はほとんどありませんが、ホウ素(10B)とぶつかると核反応を起こし、放射線(アルファ線と7Li核)が発生します。BNCTは、この放射線によってがん細胞を選択的に破壊する治療法です。また、原則1回の中性子線の照射で治療が完了し、身体への負担が少ない治療法として期待されています。

BNCT は日本の研究が世界をリードしており、世界初の薬事承認を経て2020年6月から頭頸部癌(切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部癌)で保険適用されています。

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